光った組織的防御＝国学院栃木、県勢初の４強―高校ラグビー

　ノーサイドの笛が鳴ると、国学院栃木のフィフティーンは抱き合って喜びを爆発させた。初の４強入りを達成。栃木県勢の最高成績も塗り替え、吉岡監督は「（監督を）３４年やってきて間違いなく最高の一日。栃木県のラグビーの歴史が変わった」。感激もひとしおだった。 　組織的な防御で相手を封じ込めた。長崎北陽台のモールに低く突き刺さり、前進を許さない。ラックにも圧力をかけ、相手の高校屈指のＳＨ川久保に素早い球出しをさせなかった。ナンバー８の小野田は「ブレークダウン（タックル後のボール争奪戦）で自信を持っていたので」と胸を張った。 　高校日本代表候補に選ばれた選手はいないが、まとまりで勝負する。後半に５人を入れ替えても、接点での優位は変わらなかった。指揮官は「全員の勝利」とたたえた。 　脳振とうの疑いで試合に出場できなくなった白石主将の悔しさも背負い、チームの士気は高い。小野田は「ここまで来たらやるだけ。自分たちのラグビーをしていく」。挑戦者の気持ちで、さらに上を目指す。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、トライを決める国学院栃木の伊藤龍＝３日、大阪・花園ラグビー場