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「他責」強まり大量殺人か=専門家「拡大自殺」指摘―大阪ビル放火、31日で2週間


 大阪市北区のクリニックで25人が死亡したビル放火殺人事件は、31日で発生から2週間となる。大阪府警天満署捜査本部は、患者の谷本盛雄容疑者(61)が自ら炎の中に突き進み、多数の人を巻き込んだとみて調べている。専門家は、自分以外の人に責任があるという他責的な傾向が強まり引き起こした「拡大自殺」の可能性を指摘し、孤独感などが事件の背景にあったとの見方を示している。  府警によると、谷本容疑者はクリニックの出入り口付近で火を付けた後も逃げるそぶりは一切なく、院内中央付近のドア手前で倒れているのが見つかった。ドアを挟んで院内奥のスペースでは26人が見つかり、うち重篤の1人を除く25人が死亡。府警は同容疑者が閉じ込めたとみているが、クリニックとのトラブルなどは確認されていない。  「拡大自殺」に関する著書がある精神科医の片田珠美さんは事件について、「自殺願望を抱いた人が、他人を道連れにしようと大量殺人を引き起こした拡大自殺だ」と指摘する。  片田さんによると、自殺願望のある人は自責的傾向が強まることが多い。ただ、「人生がうまくいかないのは他人や社会のせいだ」と他責的傾向が強まるケースもあり、復讐(ふくしゅう)心から大量殺人につながる恐れがあるという。  谷本容疑者は2011年、25歳だった長男に対する殺人未遂罪で実刑判決を受けた。判決では、離婚後の寂しさに耐えかね、自殺の踏ん切りをつけるため別居中の長男らを道連れにしようとしたと認定された。  片田さんは今回の事件でも、谷本容疑者が出所後に経済的困窮や孤独に陥ったと推測。他責的傾向が強まり、患者として接点のあったクリニックの院長や患者らを巻き添えにしたのではないかと分析した。  谷本容疑者は心肺停止状態で病院に搬送され、蘇生したものの重度の気道熱傷や一酸化炭素中毒で重篤な状態が続いている。動機の解明には本人の事情聴取が欠かせないが、捜査関係者によると脳に重い障害を負っており、刑事責任を問えない可能性があるという。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕谷本盛雄 容疑者
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