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アルファからオミクロンへ=新型コロナ、次々変異株―21年の各国政治揺さぶる


 新型コロナウイルスはアルファ、デルタ、オミクロンと次々変異し、2021年も衰えることはなかった。各国の政治も振り回された。22年こそは収束が期待される。  ◇発表前日のパーティー  「変異株」の脅威が広く世界に知らされたのは、ちょうど1年前。20年12月19日にロンドンで行われた記者会見だ。  ジョンソン首相は「英国は世界でも群を抜く最高のゲノム解析能力を持っている。だから他のどの国よりも変異した株を見つける力も勝っている」と自賛し、いわゆる「英国株」の発見を発表した。後に世界保健機関(WHO)によって「アルファ株」と名付けられた。  「これまでのウイルスよりも最大で70%感染力が強いかもしれない」と警告したジョンソン首相の言葉に驚き、英国との往来を断ち切る国が次々現れた。当時はまだ欧州連合(EU)を離脱していなかったが、英仏海峡を目の前にした大渋滞が発生した。  ところが、この記者会見の前日の12月18日に、英首相官邸ではひそかに大勢が集まるクリスマスパーティーが催されていたと最近、報道で発覚した。ジョンソン首相には今、強い逆風が吹いている。年明けになればリセットされて英国民は忘れてくれるのか、気が気でない。  ◇G7首脳4人退陣  アルファ株以上に猛威を振るったのがインドで見つかったデルタ株だ。東京五輪・パラリンピックを開催した日本にも押し寄せ、菅義偉首相を10月、退陣に追い込んだ。コロナ禍の21年、先進7カ国(G7)では年明けにトランプ米大統領、コンテ伊首相が相次いで退いた。  20年から今月までのコロナ感染者の累計は、5000万人を超えた米国や1200万人の英国、900万人のフランス、700万人のドイツ、500万人のイタリアと比べ、日本の170万人はカナダの200万人よりも少ない。G7最低の水準を保ちながら「自宅療養」という名の医療崩壊を引き起こした政府への不信は大きかった。  一方、今月8日、ついに退任の日を迎えたメルケル独首相は、10月のEU首脳会議で「欧州の輝く光、羅針盤だった」(ミシェルEU大統領)とたたえられ、他の首脳総立ちの拍手を受けた。そのドイツも反ワクチンの動きは政治運動化し、過激化の傾向が目立つ。22年の独政治に暗い影を投げ掛ける。  ◇クリスマス休暇まひ  11月にWHOに報告されたオミクロン株は分かっていないことも多いが、世界を震撼(しんかん)させた強い感染力が特徴だ。オミクロン株の存在をWHOに最初に報告した南アフリカは各国から渡航を禁じられ孤立した。1年前の英国と同じで、これが繰り返されれば変異株発見の報告をためらう国が増えてしまうと懸念される。  しかし、程なく世界の空は南アに関係なく停滞し、クリスマス休暇をまひさせた。これまでにない感染力は、パイロットや客室乗務員の隔離を次々引き起こし、米国を中心に欠航が続出。帰省客や旅行者を立ち往生させた。  米大統領首席医療顧問のファウチ国立アレルギー感染症研究所長は27日、MSNBCテレビに出演し、国内便でも搭乗に際してのワクチン接種義務化が「十分検討に値する」と訴えた。しかし、米国にも反ワクチン派は多い。バイデン大統領には新年早々重い課題となるかもしれない。 【時事通信社】 〔写真説明〕ジョンソン英首相=16日、ロンドン(AFP時事) 〔写真説明〕イタリアのコンテ首相(当時)=2019年1月、ローマ(AFP時事) 〔写真説明〕笑顔のメルケル独首相(当時)=9月14日、ティラナ(AFP時事) 〔写真説明〕オミクロン株に伴う各国の渡航制限に不満を強める南アフリカのラマポーザ大統領=27日、南部ケープタウン(AFP時事) 〔写真説明〕バイデン米大統領=27日、ワシントン(AFP時事)
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