欧州委、ポーランドに法的措置＝憲法裁の「違憲」判断で

　【ブリュッセル時事】欧州連合（ＥＵ）欧州委員会は２２日、ポーランドの憲法裁判所がＥＵ法の一部を「違憲」と判断した問題などをめぐり、ＥＵ法違反だとして法的措置に着手すると発表した。ポーランドが２カ月以内に十分な回答をしなければ、ＥＵ司法裁判所に提訴され最終的に制裁金が科される可能性もある。 　欧州委は声明で「ＥＵ法の優位性や効果、統一的適用などの原則の侵害だ」と主張。改めて「深刻な懸念」を表明した。 　一方、ポーランド政府は「ポーランドの憲法と主権への攻撃だ」（司法省幹部）と反発している。裁判官の独立確保など「法の支配」順守を迫る欧州委との対立がさらに深まりそうだ。 　ポーランド憲法裁は１０月、裁判官任命に関するＥＵ法の条項を違憲と見なし、順守義務を否定。７月にも司法の独立性をめぐるＥＵ司法裁の命令に拘束力はないとする見解を示しており、欧州委が問題視した。 　欧州委は、憲法裁自体に「独立性と公平性への深刻な疑問がある」とも指摘。ＥＵ法が求める要件を満たしていないと断じた。　【時事通信社】