資格取得目指しアルバイト＝明るく頑張り屋―大阪ビル放火で死亡の２１歳女性

　大阪市北区のビル放火事件で、死亡が確認された大阪府門真市の西村美夕璃さん（２１）は、火元となったクリニックで受付のアルバイトをする一方、夜は大阪市内の居酒屋でも働いていた。医療事務の資格取得を目指していたといい、５０代の男性店主は「一生懸命、頑張る子だった」と悲しんだ。 　店主によると、西村さんは３カ月ほど前から週２～３回、クリニック勤務後にアルバイトをしていた。明るい性格で客からも好かれ、「医療事務の資格を取りたい。試験が近いから勉強している」と周囲に話していた。 　火災のあった１７日もシフトに入っていたが、午前９時半ごろ、無料通信アプリ「ＬＩＮＥ」で、休ませてほしいとメッセージが届いた。「いいよ」と返事すると、「ありがとう」とスタンプが送られてきたという。事件に巻き込まれたのは、この約５０分後だった。 　ニュースで亡くなったと知り、「膝から崩れ落ちた」という。「人に対して憎しみを感じたのは初めてです」。店主は２０日午後、現場の雑居ビルを訪れ、薄ピンクの花を手向けると、「安らかに眠ってください」と静かに手を合わせた。 　近所に住む７０代女性によると、西村さんは数カ月前に家族で引っ越してきた。自宅前で月食の写真を撮っていた姿が印象に残っており、声を掛けると、にこっと笑ったという。（了）【時事通信社】