「核なき世界」来年こそ＝第五福竜丸を大掃除―東京

　１９５４年に太平洋ビキニ環礁での水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」を展示する第五福竜丸展示館（東京都江東区）で１８日、年末を前に恒例の大掃除が行われた。参加者は「核なき世界」の実現を願い、１年の汚れを落とした。 　大掃除にはボランティアの大学生ら１０人ほどが参加。長さ約３０メートル、幅６メートルの船体の甲板に上がり、壁や床に付いた汚れやほこりを、ぞうきんなどを使いながら拭った。船には経年によるさびも目立つが、参加者は金具など一つ一つを丁寧に磨き上げた。 　同展示館学芸員の安田和也さん（６８）は「今年は１月に核兵器禁止条約の発効もあり節目の年になった。来年は条約の精神が世界中に広まり、核兵器の廃絶へ少しでも前進する年になってほしい」と話した。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕第五福竜丸の船体を清掃する第五福竜丸展示館の学芸員とボランティアら＝１８日午後、東京都江東区