中国暴走に「あらゆる手段」＝台湾半導体誘致の日本支持―米国務次官

　来日したフェルナンデス米国務次官（経済成長・エネルギー・環境担当）は１５日、中国が世界経済のルールを順守せずに暴走した場合は「あらゆる手段を使う」と述べ、強い姿勢で臨む考えを表明した。半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造（ＴＳＭＣ）を日本が誘致したことについては、支持すると明言した。東京都内で時事通信のインタビューに応じた。 　フェルナンデス氏は、中国が世界の貿易ルールから恩恵を受けているにもかかわらず、順守していないと指摘。中国企業は産業補助金や優遇税制で利益を得ており、「それが米国だけでなく日本などの労働者への打撃になる」と警戒感をあらわにした。 　ＴＳＭＣ誘致では、新型コロナウイルス危機でサプライチェーン（供給網）の多様化が喫緊の課題となっており、「日本の取り組みをうれしく思う」と語った。米国は、最先端の半導体製造設備を中国に輸出することを禁止するなど、「中国包囲網」形成を進めており、これに呼応した日台の動きを歓迎した。 　ＴＳＭＣは１１月に熊本県での工場建設を発表しており、日本政府が数千億円を補助する方針だ。 　米国は、中国による人権侵害を理由に、来年２月の北京冬季五輪への外交使節団の派遣を取りやめた。フェルナンデス氏は日本の対応に関しては、「われわれの決定を押し付けるつもりはない。純粋に日本政府が決めることだ」と述べた。　【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答えるフェルナンデス米国務次官＝１５日午前、東京都内