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野鳥観察で和解を促進、コロンビア内戦終結から5年


【プラナダスAFP=時事】電柱に止まっている1羽の鳥をめぐり、2人の少女が夢中で話し合っている。あれは、オリーブタイランチョウ? それとも、ベニタイランチョウ?(写真はコロンビアのトリマ県プラナダス地区で一緒に野鳥を観察する、先住民と元コロンビア革命軍<FARC>メンバーの子どもたち) 正解はベニタイランチョウ。空中でハエを捕食する、真っ赤な小鳥だ。 南米コロンビア中部、トリマ県のプラナダス地区。緑豊かな山あいで子ども同士が鳥類学的な論争を繰り広げている姿は、意外に思えるかもしれない。 大人から子どもまで約30人が山を見渡しながら、野鳥観察の一日に参加している。 この活動の目的は、内戦で荒廃した地で平和を推進すること。トリマ県では2016年に和平合意が結ばれるまで、半世紀にわたり、元左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)が政府軍を相手に戦ってきた。 歴史的な和平合意による紛争終結から5年を経て、プラナダスは落ち着きを取り戻した。それでも内戦の傷痕は残っている。 「鳥は交流のきっかけになります」と語るカミロ・エンシソさん。環境に配慮した農産物生産をモットーとするプラナダス農協(ASOPEP)の創始者だ。この農協が野鳥観察プロジェクトを推進している。 この日の参加者には、FARCの元戦闘員の子どもたちもいた。その親たちは市民生活に再び適応するために「再編入」キャンプで過ごしている。 一方で長年、政府軍の補完勢力だった先住民ナサの人々や、攻撃にさらされていた農民たちもいた。■自然との調和と和平 この日の冒頭、参加者は互いにあいさつはしたが、ほとんど交わらなかった。それから野鳥観察のために人々は歩き始めた。皆の視線が空に向かう。 すぐに、小枝に止まった色とりどりの鳥が皆の関心を集め、話題に花が咲き、雰囲気が和み始めた。 「ここでは、よそでは見られないことがここでは起きています」と語る鳥類学者のディエゴ・カルデロンさんは言う。野鳥観察のサポートに来ている。「鳥を観察すると、自分が住んでいる土地を違った目で見ることができます。生態学的価値や、観光的な価値を広めることにもなります」 2004年にFARCの捕虜になったカルデロンさんは「自然と調和すれば、自分自身や他者とも調和できるようになります」と付け加えた。 先住民ナサのリーダーの一人、フスティニアーノ・パヤさんはこう述べた。「以前は、吹き矢でハチドリを殺して食べていました。今では、子どもたちとハチドリを眺めています。子どもは私たちの庭や森の豊かさを学んでいます」 母親として2人の子どもを育てているネイラさん(32)は、FARCの元メンバーだ。市民生活に適応するのは「難しかった」と認める。だが、野鳥観察は「とてもありがたい経験になった」と言う。「鳥は私たちを結び付けてくれます。私たちがここで手にしているものを守れと教えてくれます」 プラナダス農協のプロジェクト責任者、マイラ・ルス・ルイス・ネディラさんは「一歩一歩、和解が築かれています」と語った。 農協は、地域に豊かさをもたらすため、コーヒー栽培を支援するプロジェクトも進めている。 「ここには未来があります。内戦は終わり、仕事や資源、そして自然があります」と農協創始者のエンシソさん。「私たちは再び一緒に暮らし、生産するようになりました。私たちは結ばれています」 【翻訳編集AFPBBNews】〔AFP=時事〕(2021/12/07-12:25)
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