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SNSのポルノ検閲にうんざり…ウィーンの美術館、有料サイトに活路


【ウィーンAFP=時事】大手ソーシャルメディアはさまざまな画像を検閲し、わいせつと見なしたものを削除しているが、その中には旧石器時代の裸体のビーナス像など、数々の芸術作品も含まれている。こうした動きに芸術の都ウィーンの美術館・博物館は業を煮やし、際どいコンテンツで知られる有料サイトの利用にかじを切った。(写真はウィーンのアルベルティーナ美術館) ウィーン観光局は大胆なPR戦略として9月、有料ソーシャルメディア「オンリーファンズ」にアカウントを開設した。10月中旬の時点ですでに数百人のユーザーが登録している。 ノルベルト・ケトナー局長によると、「芸術における検閲およびアルゴリズムやソーシャルネットワークの役割について議論を立ち上げること」が主な狙いだという。 美術館や博物館は「展覧会を宣伝しづらい」と不満を抱いており、それがヒントになったと局長は明かす。一部のソーシャルメディアのプラットフォームは、コンテンツがポルノか否かを判断する基準が非常に厳しいからだ。 例えばSNS最大手の米フェイスブックは、2018年に行った検閲で悪評を買った。旧石器時代の傑作とされる彫像「ウィレンドルフのビーナス」の画像をサイトから削除したからだ。 この小さな像は現在、ウィーン自然史博物館に恒久展示されている。 ケトナー局長は、フェイスブックの判断は「あり得ない」と評している。この措置についてはフェイスブック側も後に「誤り」だったと認め、謝罪している。■よみがえる「扇情性」 裸体がいまだ論議の的であることは「おかしいし、ばかげてさえいます」と嘆くのは、ウィーン市内にあるレオポルド美術館で広報を担当するクラウス・ポコーニ氏だ。「裸体は極めて自然なはずなのに、全くそのように扱われていません」 同美術館は、20世紀初頭のオーストリアの画家エゴン・シーレの主要作品を収蔵していることで名高い。シーレの絵画はしばしば、ソーシャルメディアの検閲の網にかかっている。 同じくウィーンのアルベルティーナ美術館では現在、イタリアの画家アメデオ・モディリアニの企画展を開催中だが、出品作のうち数点がいくつかのソーシャルメディアで「露骨」過ぎると判断された。 こうした事態のせいで、美術館や博物館は仕方なく別の選択肢を探しているとポコーニ氏は言う。 「私たちはオンリーファンズにアカウントを作る気はありませんでした。(中略)でも、そうすることにしたのは、よく知られた国際的なプラットフォーム、例えばティックトックやフェイスブック、インスタグラムに作品が受け入れられなかったからです」 人間の体に関するタブーについては「今も、100年前と全然変わっていません」とケトナー観光局長も言う。 美術史家で、フランスのアルトゥング・ベルクマン財団の理事長、トーマス・シュレッサー氏は、オンリーファンズでのアカウント開設は「賢明な」動きだと評価する。 「作品が制作当時に持っていたはずの扇情的で、ポルノ的でさえある特徴が(オンリーファンズでの公開で)よみがえります」と同氏はAFPに語った。■「無意識の自己検閲」 この問題は高級芸術(ハイアート)だけにとどまらないと、ケトナー観光局長は懸念する。 「多くの若いアーティストがオンラインでの発表に頼っています。彼らの多くはあらかじめ、どんな作品なら投稿できるだろうかと考えます」。同氏はそれが「ある種の無意識の自己検閲」につながると警告した。 AFPはウィーンでの動きについて、フェイスブックに取材を申し込んだが返答はなかった。 レオポルド美術館のポコーニ氏は、オンリーファンズの利用は「ソーシャルメディアに投稿できるかどうかといった問題ではなく、主義主張の問題」だと強調し、「政治の延長です」と述べた。 「私たちの権利、自由、愛、理解のために闘うのです。制約や私たちの人生を支配しようとする人々のために闘うのではありません」【翻訳編集AFPBBNews】〔AFP=時事〕(2021/11/10-12:44)
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