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「家に帰りたい」 ベラルーシ・ポーランド国境で立ち往生 レバノン移民


【クレシュチェレAFP=時事】レバノン出身の理髪師アリ・アブド・ワリスさん(24)は森の中で疲れ果て、寒さに震えている。ベラルーシからポーランドの国境を越え、欧州連合(EU)域内に入ろうと試みたこの1週間を後悔している。(写真はポーランドのベラルーシとの国境に座るレバノン人のアリ・アブド・ワリスさん) 「嫌いな人にさえ訪れてほしくないようなみじめな目に遭っている。悪夢だ」と、クローン病を患うアブド・ワリスさんはAFPに語った。 国境を越えればポーランド東部の町クレシュチェレだ。松葉と枯れ葉のベッドに足を組んで座るアブド・ワリスさんは、ベラルーシの国境警備隊にピンポン球のように扱われている。 国境を越えようと5、6回試みたが、見つかるたびに戻されたという。 ベラルーシ側は、アブド・ワリスさんを首都ミンスクに戻すことを拒否している。 国境警備隊に「選択肢は二つ。ここで死ぬか、ポーランドで死ぬかだ」と言われた。 今年8月以降、数千人の移民がベラルーシ、ポーランドの間の400キロにわたる国境線を越えようと試みている。その大半が中東出身者だ。 アブド・ワリスさんはより良い生活を求めて、経済危機に陥っているレバノンを後にした。地元ベカーからこの地に来るまで4000ドル(約45万円)の費用が掛かった。ソーシャルメディアで見つけたミンスクに拠点を置く企業から支援を得ている。 ポーランドに前例を見ない数の移民が流入していることについて、EU側は、ベラルーシに対する経済制裁への報復として同国が後押ししているのではないかと疑っている。一方、ベラルーシは、西欧諸国に責任があるとしている。 ポーランドはベラルーシとの国境沿いに数千人の兵士を派遣し、有刺鉄線のフェンスを設置。3か月間の緊急事態宣言を出し、国境付近から報道関係者や慈善団体を締め出した。 アブド・ワリスさんは森の中で、葉っぱにたまった水を飲んで過ごしてきた。寒くて眠れず、ポーランドの軍か警察に頭を殴られたこともあった。 「疲れ果て」「打ちのめされている」にもかかわらず、国境警備隊は「仕事をしているだけだ。国を守っている」と理解を示し、法律に違反しているのは自分たちだと分かっていると話す。 アブド・ワリスさんと、一緒に歩いてきたシリア人の仲間たちは先週、ポーランドの活動家と森で接触することができた。暖かい衣服と食べ物を提供してくれ、国境警備隊が来た時の支援を申し出てくれた。 今後のことは分からない。ポーランドへの亡命か、少なくともレバノンへ戻ることを望んでいる。 「ベラルーシにもいてほしくない。それなら国に送り返してほしい。それだけが望みだ」と、アブド・ワリスさんは語った。 「国境で死ぬのはごめんだ。母さんに会いたい」【翻訳編集AFPBBNews】〔AFP=時事〕(2021/10/29-14:52)
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