自粛から一転して外出が増えていくことで、例年以上に注意が必要とされるのが熱中症や夏バテです。
予防対策としては、水分と塩分摂取が知られていますが、近年の研究から“鉄分”も重要だということがわかってきました。
熱中症・夏バテ対策のカギとなる“疲労回復ミネラル「鉄分」” について紹介します。
汗にはミネラルが含まれることから、過剰な発汗により電解質バランスが崩れ、血流が低下し、失神やけいれんなどの脱水症状が発症します。
一方、夏バテも熱中症と同様に体温調節機能の乱れによって生じるもので、血流の滞りが影響します。
このことからも、熱中症や夏バテを防ぐためには血流をよくしておくことが大切なのです。
血液には、酸素を全身に運搬する重要な働きがあります。酸素は体内に吸収された鉄と結びつき、ヘモグロビンとして全身に運ばれることから、鉄が不足すると細胞が酸素不足になり疲れやすくなります。
そして鉄は、汗によっても失われていくことがわかっています。
さらに、日本女性の4人に1人以上が「鉄欠乏性貧血」だとされ、「隠れ貧血(鉄欠乏)」は2人に1人ともいわれています。
他国と比較してもその割合は高く、アメリカの4~5倍に上るというデータもあります。
(出典:日本鉄バイオサイエンス学会「鉄欠乏・鉄欠乏性貧血の予防と治療のための指針」響文館、札幌:2004)
鉄分が不足する原因として、日本人の鉄分の摂取量不足が挙げられます。
「平成30年国民健康・栄養調査」で公表された栄養素等摂取量と「食事摂取基準2020年度版」で示された栄養素の推奨量と照らし合わせると、月経期にあたる10~50代の女性、そして10代の育ち盛りの男子で、鉄分の摂取量が不足していることが明らかになりました。
汗の量が増える夏場は、発汗によって鉄分が失われるので、いつも以上に鉄分が不足して熱中症や夏バテになりやすいので要注意です。
杉田教授は、大量の発汗による体内からの鉄損失は、体調不良を招く可能性があることから、研究では夏場の発汗を想定し、高温多湿な環境で行うホットヨガを習慣的に行う女性を対象に、日常的な低用量の鉄摂取が体調におよぼす影響について検証しています。
その結果、鉄分摂取により疲労スコアが改善し、疲労感が軽減することがわかりました。
さらに、1日3.6mgの鉄分を1か月摂取することで、快適な目覚め(寝起きの良さ)を得られることもわかりました。
鉄3.6mgは1日に日本人が不足している鉄分量です。この不足分を毎日摂取し続けるだけで夏場でも疲れにくくなるというわけです。
鉄分は体内で吸収されにくい成分なので、食物で摂る場合には必要量の約10倍の量を摂る必要があります。
手軽に鉄分を摂取する方法としておすすめしたいのは、鉄分を含む飲料や食品の活用です。
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身体のだるさや不調を感じた時は、鉄分不足を疑ってみましょう。こまめな水分・塩分の摂取とあわせて、鉄分摂取も習慣に加えてみることをおすすめします。