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【山形】修行僧が絶えない生まれ変わりを祈る「湯殿山」


湯殿山神社は、湯殿山(標高1,500m)の中腹標高約1,100mのところにあります。出羽三山のひとつ、月山からは尾根伝いに8kmほどの距離です。

出羽三山羽黒山が“現世の幸せを祈る山(現在)、月山は“死後の安楽と往生を祈る山(過去)”、そして、湯殿山は“生まれ変わりを祈る山(未来)”とされ、羽黒山から始まる修行者(修験者)がたどり着く最終の地です。

湯殿山神社はその昔は男性しか入ることができず、死と背中合わせの厳しい修行で知られていましたが、現在では誰でも参拝できます。しかし、お祓いを受け、裸足にならなくては参拝できません。参拝場所にはご神体が祀られていて、口伝いでは知られていますが、撮影禁止で謎に包まれています。本来は「語るなかれ、聞くなかれ」といって口外も禁止だったのです。

湯殿神社は撮影禁止。ご神体は裸足で参拝

江戸時代までは神社と寺が一体化していた湯殿山

湯殿山 は、約1,400年前に出羽三山開祖の蜂子皇子(はちこのおうじ)によって羽黒山、月山に続いて開山された聖地で、未来(来世)を祈る山として信仰されてきました。開山からしばらくは修験道という仏教に近い形態の山岳宗教で、多くの修験者たちが訪れ修行に励みました。一説によると弘法大師空海が開いたと伝わり、平安時代以降は弘法大師の教えである真言宗を基本とし、ご神体を拝むという神仏習合の道場として機能していました。

明治時代になり、神仏分離という神社(神道)と寺(仏教)の同居を許さないという政策により、湯殿山から寺的要素が廃され、神社部分だけが湯殿山神社として残ったのです。

湯殿山の麓に弘法大師が4か所の寺を開いた

多くの修行僧が集まる湯殿山には、麓に弘法大師が“湯殿山四ケ寺”と呼ばれる注連寺、大日坊、大日寺、本道寺を創建し、湯殿山の霊場を管理し、宿坊として機能させました。注連寺、大日坊は神仏分離令が施行されたあとも寺院として残り、現在でも湯殿山修行や参拝の窓口となっています。しかし、大日寺、本道寺は廃され、大日寺跡地は大井沢湯殿山神社、本道寺も口之宮湯殿山神社となってしまいました。

ご神体は滝のように流れる熱い湯

湯殿山神社本宮 には拝殿や本殿がありません。ご神体自体を拝むためで、そのため 必ずお祓いを受け、裸足になって参拝 します。ご神体はというと“熱湯の湧き出る茶褐色の巨大な岩(参照: 庄内交通 )”です。ご神体は長い間「語るなかれ、聞くなかれ」だったため、参拝に訪れた松尾芭蕉は

「語られぬ湯殿にむらす袂かな」

と詠み、正体を明かすことはありませんでした。

冬季は閉鎖。山岳修行の聖地「湯殿山神社」

祭神は大山祗命、大己貴命、少彦名命

湯殿山は、江戸時代まではご本尊として大日如来(だいにちにょらい)が安置されていましたが、湯殿山神社となってからは 大山祗命 (おおやまつみのみこと)、大己貴命(おほなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)の3神が祀られています。大山祗命はすべての山を支配する神様で、子には富士山の神様木花咲耶姫(このはなさくやひめ)がいます。ご利益は 安全祈願、病気平癒、水の神、酒造の神 などです。

大己貴命 は、大国主命(おくにぬしのみこと)や 大黒様 という言い方の方が知られています。出雲大社の主祭神として祀られており、 縁結び、夫婦和合、金運の神様 です。 少彦名命 は、大国主命の兄弟とされている神様で、知恵に優れています。 ご利益は病気平癒、知識、酒造り、それに温泉の神様 として、ご神体の守護神です。

滝行で身を清める

湯殿山神社には、未だに多くの修行僧が訪れていますが、そのハイライトといえるのが滝行です。ご神体の脇を流れる梵字川(ぼんじがわ)が、二筋の滝となって岩肌を流れ落ち、滝壺には滝行をする僧たちがみられます。 湯殿山御滝 といい、殿山神社本宮裏の鉄のはしごを90mほど下ると出られます。

湯殿山神社へは専用のシャトルバスで

湯殿山は雪が多く、湯殿山神社も冬季(11月上旬から5月頃まで)は、閉山されます。また、開山期間中も、直接湯殿山神社へは行けません。途中の仙人沢からシャトルバス「本宮参拝バス」を利用します。

鶴岡駅から湯殿山神社本宮へは路線バスが運行されていません。駅から行く場合は観光タクシー「鶴岡観光ライナー」(予約制・2名から料金1人6,500円から)を利用するかレンタカーが便利です。観光タクシーは湯殿山有料道路終点仙人沢までで、そこからは「本宮参拝バス」に乗り換えます。レンタカーや自家用車で来た場合は、湯殿山有料道路終点にある仙人沢駐車場(無料)に車を置き、「本宮参拝バス」で湯殿山神社へ向かいます。「本宮参拝バス」の運行は6月上旬から11月上旬(湯殿山神社開山期間)までで、降雪などの状況や、開山期間中でも荒天の場合は運休です。

湯殿山神社

  • 所在地:山形県鶴岡市田麦俣字六十里山7
  • 電話番号:0235-62-2355(出羽三山神社)
  • 開門時間:8:30~16:00
  • おはらい料:500円
  • 開山期間:6月上旬~11月上旬(降雪状況により変化・要問い合わせ)

https://nihonisan-dewasanzan.jp/

シャトルバス「本宮参拝バス」

  • 運転時間
  • 始発:湯殿山仙人沢駐車場発 8:30
  • 終発:湯殿山神社本宮発 16:35(夏季期間中は17:05)
  • 料金:おとな 片道200円、往復400円、こども 片道200円、往復400円
  • 運転期間・運転時間に関しては電話か庄内交通ホームページで確認
  • 電話番号:0235-22-2608

https://www.shonaikotsu.jp/tourism/toll_yudono.html

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麓の寺院が湯殿山を管理

湯殿山総本寺 瀧水寺大日坊

湯殿山総本寺 瀧水寺大日坊 (りゅうすいじだいにちぼう)は、807年に弘法大師が開山した湯殿山四ケ寺の総本山です。湯殿山には男性しか入れなかったため、女性がお参りできる寺として創建されました。ご本尊は弘法大師自作といわれる湯殿山大権現(大日如来/だいにちにょらい)で、秘仏となっています。

本堂は1875年(明治8年)の大火災後に建てられたものです。その火災では3体あった即身仏のうち本堂に安置されていた2体は炎に包まれてしまいました。しかし、 真如海上人 (しんにょかいしょうにん)の 即身仏 だけは、類焼を免れた即身堂に安置されていたため難を逃れ現在に至っています。そのため、 真如海上人を拝むと運が良くなる のだそうです。

湯殿山総本寺 瀧水寺大日坊

  • 所在地:山形県鶴岡市大網字入道11
  • 電話番号:0235-54-6301
  • 拝観時間:8:00~17:00(受付16:30まで)
  • 拝観料: おとな 500円、中学生 400円、小学生 300円
  • アクセス:[車]山形自動車道庄内あさひICから約13分/[公共交通機関]JR羽越本線鶴岡駅からタクシーで約35分、またはレンタカー利用

https://www.tsuruokakanko.com/spot/406

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即身仏の中心的寺院「湯殿山 注連寺」

湯殿山 注連寺 (ちゅうれんじ)は、825年に弘法大師が創建。湯殿山への修行僧の受け皿として中心的な役割を担っていました。大日坊を同じように、女性に門戸を開いたお寺です。

注連寺には、自らが即身仏(そくしんぶつ)となって、未来永劫の命を得ようとした僧侶も多く、現存するだけで6体の即身仏が注連寺はじめ、注連寺関連の寺院に安置されています。注連寺の 即身仏は鉄門海上人 (てつもんかしょうにん)で、5年間以上も即身仏になるための修行を行いました。

注連寺以外で、 注連寺関連の即身仏 が安置されているのは、次の4か所の寺院です。

  1. 本明寺 (ほんみょうじ/山形県鶴岡市)=本明海上人(ほんみょうかいしょうにん)
  2. 海向寺 (かいこうじ/山形県酒田市)=忠海上人(ちゅうかいしょうにん)と円明海上人(えんみょうかいしょうにん)の2体
  3. 南岳寺 (なんがくじ/山形県鶴岡市)=鉄龍海上人(てつりゅうかいしょうにん)
  4. 観音寺 (かんのんじ/新潟県村上市)=仏海上人(ぶっかいしょうにん)

※注連寺は、2023年度のご祈祷等は受け付けていますが、一般の参拝はできません。2024年以降は未定です(要問い合わせ)

湯殿山 注連寺

  • 所在地:山形県鶴岡市大網字中台92-1
  • 電話番号:0235-54-6536
  • アクセス:[車]山形自動車道庄内あさひICから約15分/[公共交通機関]JR羽越本線鶴岡駅からタクシーで約35分、またはレンタカー利用

https://www.tsuruokakanko.com/spot/434

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norijun

余暇プランナー

雑誌などの取材や撮影で日本全国まわっていたら、いつのまにか47都道府県制覇してました。取材して歩く中で必ず行くのが神社。というのも祖父が仏式から神式に変えたため、行事はいつも神社か神主が来て祝詞を上げるという家柄、お寺には縁がなく、どうしても神社に親しみを感じてしまいます。参拝すればやはりお願い事は必須です。でも神様だって得手不得手はあるので、その神社の神様が一番叶えてくれそうなお願いをすることにしています。

【山形】修行僧が絶えない生まれ変わりを祈る「湯殿山」

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