東京にありながら豊かな自然美あふれる奥多摩。標高2,000m近くの山もあり、ビギナー登山者にもベテラン登山者にも人気の山塊です。
今回ご紹介するのは多彩な登山ルートを誇る川苔山。変化に飛んだ地形の面白さ、奥多摩の美しい樹林帯、百尋ノ滝、大パノラマなど見どころもたくさん。それでは川のせせらぎを聞きながらのマイナスイオン登山、スタートです!
川苔山とは
川苔山は、東京都西多摩郡奥多摩町にある 標高1,363m の山です。
https://www.ces-net.jp/okutamavc/
https://www.town.okutama.tokyo.jp/1/kankosangyoka/kankojoho/4/860.html
なぜ人気なの?
マイナスイオンでリフレッシュ
沢沿い歩き 、落差約40mの 百尋の滝 、 渓谷美 など、体いっぱいにマイナスイオンを浴びながらの登山を楽しめることが大きな魅力です。
奥深い樹林帯
奥多摩の山々は 豊かな自然 が特徴。新緑、紅葉とともに楽しめ、 木漏れ日の登山道 の気持ちよさは格別です。
山頂からの展望
山頂からは奥多摩・奥秩父の山々が望めます。特に雲取山方面の展望が美しい。
【奥多摩の山々】
アクセスの良さ
川苔山は 都心からのアクセスが良い のも人気の理由です。電車・バス共に本数が多く、週末にはバスの増発便が出るのも嬉しい。マイカーよりも公共交通機関を利用しての登山が便利です。
- 新宿駅から奥多摩駅まで2時間弱
- 奥多摩駅から川乗橋バス停(人気の登山口)まで約15分
耐えない登山客
川苔山は奥多摩の山々の中でも年間を通して登山者の多い山です。登山道も道標もしっかり整備されており、ビギナーでも比較的安心して登ることができます。
登山適期
年間を通して登山できますが、おすすめの時期は 春と秋 です。具体的には 雪の溶ける4月から梅雨前の6月 、そして 紅葉の10月初旬から12月初旬 です。
夏は暑さが厳しいので熱中症に注意が必要、また冬は凍結・積雪があるのでビギナーは避けたほうが無難です。
【紅葉踊る奥多摩の秋】
主要な登山コース
川苔山は多くの登山コースがあります。
主な登山コース
- 川乗橋バス停〜川苔山〜鳩ノ巣駅 〈ビギナー向け〉
- 川乗橋バス停〜川苔山〜古里駅 〈健脚向け〉
- 清東橋〜川苔山〜鳩ノ巣駅 〈健脚向け〉 (林道が通行止めの場合があるので要確認)
https://www.ces-net.jp/okutamavc/info/52
「川乗橋〜鳩の巣駅コース」を登ろう!
ビギナー向けの「川乗橋バス停〜川苔山〜鳩ノ巣駅」コースを登ります。
- コース:川乗橋バス停→細倉橋→百尋ノ滝→川苔山→舟井戸→大ダワ→大根ノ山ノ神→鳩ノ巣駅
- 距離:約11.9km
- コースタイム:5時間40分(休憩なし)
- 標高差:約1,000m
川乗橋バス停(12:00)
川乗橋バス停から川苔谷右岸の林道を歩き、途中で対岸に渡り、細倉橋でまた右岸に戻ります。川のせせらぎが気持ちの良い道です。
細倉橋(12:45)
細倉橋を通ると、林道と登山道の分岐があります。道標に従い、右の登山道に進みます。川苔谷の渓流と渓谷美を楽しみながら登りましょう。
百尋ノ滝(13:30)
落差40mの美しい 百尋ノ滝 (ひゃくひろのたき)。奥多摩の中でも人気の高い名瀑です。
百尋ノ滝を過ぎると沢筋とお別れ。このあたりから色んなコースが交錯するので、地図をよく見て進んでください。途中、足毛岩と横ヶ谷沿いのコースに分かれますが、どちらもほぼ同タイムで山頂に行けます。(上記の地図では横ヶ谷沿いコースを使用しています)
川苔山山頂(15:30)
百尋ノ滝から2時間ほどで 川苔山山頂 に到着です。広々とした山頂はランチタイムにぴったり。ほぼ全方向の展望があり、南西方向には東京都最高峰の 雲取山 がよく見えます。また 丹沢 や 富士山 の姿も望め、まさに頑張った自分へのご褒美と言える大パノラマが広がります。
山頂で景色を堪能し体力が回復したら、鳩ノ巣駅に向かって下山開始です。舟井戸の尾根歩きが気持ちいい♪
山頂から舟井戸までは約15分、舟井戸から大ダワまでは約40分、大ダワから大根ノ山ノ神までは約45分の道のりです。舟井戸周辺、大ダワ周辺はコースが複雑に入り組んでいるので地図を見ながら確実に進みましょう。下山路は展望の無い単調な道ですが、杉林・樹林帯歩きが楽しめます。
大根ノ山ノ神(17:10)
大木の根元の祠に大山祇命(おおやまずみのみこと)を祀っている 大根ノ山ノ神 (おおねのやまのかみ)。山を司る神様で、登山者を守ってくださっています。ここまで無事に来れたことのお礼、そして下山完了まで見守ってもらえるようにお祈りをしましょう。
【大根ノ山ノ神】
鳩ノ巣駅(17:40)
棚沢の集落を通り、鳩ノ巣駅に着いたら下山完了です。
川苔山登山の注意点
体力勝負
川苔山はコースが長いので 体力勝負の山 です。計画を立てるときは余裕のあるコース設定、そして当日も余裕を持った行動が必要です。また疲労の溜まる下山時の怪我が多いので注意しましょう。
道迷い
奥多摩の山々は各コースが網目のように入り組んでいます。この川苔山も例外ではなく、複雑な地形から 道迷いの遭難 がたびたび発生しています。また、林業用や水道局用の道、けもの道、沢登り用の道など、 登山道以外の道 が多くあることも特徴です。目印となりそうな赤テープは林業用の場合もあるため決して頼らず、必ず地図を確認して進んでください。
【樹林帯は見通しがきかず迷いやすい箇所も】
滑落
百尋ノ滝の上部 は 滑落多発地帯 です。足元に注意し、特に雨の日は引き返す勇気も必要です。他にも、登山道の幅が狭く滑りやすい場所は慎重に歩きましょう。
トイレ情報
川苔山の登山コース上にトイレはありません。携帯トイレを持参するか、入山前に済ませましょう。
服装・装備
服装
- Tシャツ・長袖Tシャツ(速乾性のもの)
- 中間着(薄手のフリースなど)
- 防寒着(ダウンジャケットなど)
- ストレッチ性のあるズボン
- トレッキングシューズ又は登山靴
- 帽子(夏は日差し除け用・冬は防寒用のもの)
- 手袋、下着、靴下は可能ならアウトドア用のもの
季節に応じて調整してください。
装備
- ザック
- 地図
- コンパス
- ヘッドライト
- 食事1回分・行動食
- 水筒
- レインウェア
- 携帯電話
- トレッキングポール(必要な方は)
- その他…スパッツ(雨天時)、ビニール袋、トイレットペーパーなど
登山届提出先
https://www.ces-net.jp/okutamavc/info/662
アクセス
川乗橋バス停までのアクセス
- バス乗車地:JR青梅線奥多摩駅1番バス乗り場
- 行き先:鍾乳洞行き(平日)・東日原行き(土日祝)
- バス降車地:川乗橋
- 乗車時間:約15分
https://www.nisitokyobus.co.jp/rosen/noriba/okutama.html
さあ、川苔山登山で奥多摩の自然を楽しもう
豊かな自然とマイナスイオンあふれる川苔山。ビギナーもベテランも、ぜひ川苔山登山で奥多摩の大自然を味わってください。
fudo2020
余暇プランナー
元々都会育ちですが、登山にハマったのを機に長野県に移住しました。里山暮らしを家族4人で楽しんでます!登山やキャンプが趣味。テントを張って自然の中でダラダラするのが好きです。森の中で昼間から飲むお酒とか最高ですよね。旅も好きで、独身時代にはカナディアンロッキーをバンで寝泊りしながら、山を巡る旅をしたりしました。