日本の秋冬は鍋が人気で、シーズン中に一度は食べる機会があるのでは。鍋の食材として白菜と春菊が挙げられますが、実は家庭でも育てて収穫ができます。
この記事では白菜と春菊の植え付けから栽培までの方法を紹介。お鍋以外にも使える食材なので、お家で収穫できると便利ですよ。
秋植えの白菜と春菊
白菜と春菊は冬が旬のイメージがあるかもしれませんが、秋植えで収穫もできます。ポイントを抑えていれば、初心者でも育てやすい作物です。
お鍋にも料理にも使える
白菜はくせも無く、苦手な人も少ないかと思います。 お鍋以外にも炒めたり漬けたりと、広いバリエーションの料理に使える便利なお野菜ですよね。
一方、春菊はお鍋の具材として活躍しますが、他の料理にはどうやって使えば良いか悩むかもしれません。しかし、 春菊は和えものとして料理したり、炒め物としても使えたりします。
記事の後半では春菊の簡単レシピを紹介します。春菊はくせがありますが、好みによってはそのくせが美味しかったりもしますよね。
白菜の栽培方法とおすすめレシピ
白菜は中国からやってきた野菜で、秋まきの代表格です。
冷涼な気候を好み、種まきの時期が早すぎると害虫被害に遭いやすく、遅すぎると結球しません。 同じ場所に毎年植える連作も苦手と、繊細な作物です。
種まきからの場合、品種によりますが60~120日で収穫になります。
植え付けから収穫まで
【土作り】
白菜は水はけが良く通気性のある土を好みます。また、 根っこは広く細く分布するので、土の深さが必要になります。
- 植え付けの3週間前には土に堆肥を入れ混ぜ合わせます。
- 2週間前になったら石灰を入れて混ぜ合わせてください。白菜は 酸性土が苦手なのでしっかり混ぜ合わせてください。 酸性が強いままだと「根こぶ病」という病気になりやすくなってしまいます。
※根こぶ病になってしまうと 根の部分が肥大しこぶ状になり、養分や水分を吸い上げ吸収する能力を妨げてしまいます。 - 植え付け1週間前になったら元肥を入れておきましょう。 肥料については、白菜が肥沃な土を好むためしっかり入れておきましょう。
- 元肥を入れ終わったら畝(うね)を作ります。高さは高めに形成し、株間が40~50㎝必要になるので育てる数を考慮して作りましょう。畝の幅は1列(条)の場合60㎝、2列(条)の場合100㎝必要になります。
【植え付けと収穫】
種からの植え付けの場合、直接畝に撒く直まきと、ポットにまいて苗になってからの植え付けでもどちらでもかまいません。
- 直まきの場合、直径5㎝の範囲に1㎝の深さで5~6粒植えます。ポットも同様です。
- 3~4日経つと発芽しだします。 本葉になる前の子葉の時点で、5㎝範囲の中で3~4本になるように間引きします。
- 本葉が2枚になったら、5㎝の範囲内で2本になるように間引きしてください。
- ポットの場合、本葉が4~5枚になったら 鉢土を付けたまま 畝に植え付けましょう。 前日に水やりをしておくと土が崩れにくくなります。
- 本葉が6~7枚になったら1本立ちにしてください。この時、50g程度の化成肥料を株の周りに蒔き、 軽く土寄せします。
- 2週間ごとに化成肥料を撒きながら土寄せをしてください。
- 白菜は害虫被害に遭いやすいので、 予防の意味で薬剤散布をし、できれば防虫ネットも設置しましょう。
- 収穫はしっかり固く結球したら行います。包丁で下部の芯の部分を切断しましょう。手で押しながら収穫するとやりやすいです。種を撒いてから早生種で60日前後、晩生種で100~120日が収穫の目安です。
白菜のおすすめレシピ
白菜とツナのうま煮 を紹介します。もう一品欲しい時におすすめです。
【材料】2~3人前
- 白菜 1/4
- ツナ缶 70g
- 水 600㎖
- 和風細粒だし 小さじ1
- 酒 おおさじ1
- 塩こしょう 適量
【作り方】
- 白菜を食べやすい大きさに切り、終わったら鍋に敷き詰めます。
- 1の鍋に水と和風細粒だしを入れて煮立たせ、沸騰させます。
- ツナと酒を入れ煮込み、塩こしょうで味付けしたら完成です。
春菊の栽培方法とおすすめレシピ
関東以北では「春菊(シュンギク)」、関西では「菊菜(キクナ)」 と呼ばれているのはご存じですか?今回は「春菊」で紹介していきます。
独特の香りと苦みが特徴の春菊は 、カルシウム、鉄、カリウムやビタミンを多く含み、カロテンはホウレンソウやコマツナより多く、食物繊維も豊富と栄養満点です。
お鍋の食材としてよく使われ、お肉などの臭み消しとしても活躍してくれるのです。もちろん、お鍋以外の調理にも使えますよ。畑でもプランターでも栽培もでき、春と秋の年に2回の収穫ができます。
植え付けから収穫まで
- まずは土作りです。種まきの3週間前に堆肥を、2週間前に石灰を入れて耕しておきます。
- 植え付け1週間前には元肥を入れます。畝は株間15cm、条間20〜30cmが必要なのを考慮して作りましょう。
- 畝に溝の列を2列作ります。この溝を「条」と呼び、春菊の種を撒いていきます。 発育はあまり良くないので多めに撒きましょう。
- 春菊は太陽光を好むので土は薄めにかぶせます。 土が薄いと乾燥しやすいので、たっぷりと水をあげてください。
- 目が出て本葉になったら間引きのタイミングです。本葉が1~2枚の時は2~3㎝、4~5枚になったら5~6㎝、7~8枚になったら15㎝間隔で間引いていきましょう。
- 追肥は2回目と3回目の間引き時に与えます。この時、 土を寄せてあげてください。
- 草丈が20㎝ほどになったら 「摘心」 を行います。根元の葉を4~5枚残し、主枝の先の部分ははさみで切り取ります。そうすることで、 次々とわき芽が出てくるので、そのわき芽をどんどん収穫していきます。 これを 摘み取り収穫 といいます。
- 抜き取り収穫 という収穫方法もあり、 草丈が20㎝になったら根ごと引き抜いていきます。
- プランターでも畑と同様の育て方で栽培できます。プランターは幅60〜65cm、深さ15cm以上のものを用意しましょう。市販の野菜用培養土を使うと手軽でおすすめです。
鍋以外にも!春菊の簡単メニュー
春菊のニンニク炒めです。中華の炒め物で「蒜蓉茼蒿」 といい、茎までおいしく食べることができます。
【材料】2人前
- 春菊 1束(約200g)
- にんにく 2かけ
- ごま油 適量
- 覇味or中華スープの素 小さじ1/2
【作り方】
- 春菊を食べやすい大きさに切ります。にんにくは細かく刻むかすりつぶしておきます。
- ごま油をフライパンに敷き春菊、にんにく、覇味(中華スープの素)を炒めて完成です。
春菊とにんにくの風味がマッチして食欲をそそります。
秋はとりたて野菜を味わおう
秋は食欲も沸き、美味しい食べ物ばかりです。野菜も家庭菜園で収穫し、収穫したてを味わえると嬉しいですよね。
白菜や春菊は食材として使い勝手も良いので、秋の育てる野菜の候補として取り入れてみてはいかがでしょうか。
大塚なつこ
余暇プランナー
緑に囲まれた田舎住み。田舎しか勝たん。休日は畑やったり、ゆっくり家族と過ごすのが好き。旅行は好きなので国内・海外いろいろ行っちゃってます。雪国育ちだけど将来の夢は南国でずっと夏を過ごすこと。難しく考えず、ゆったりとリラックスした気分で読める記事を目指しています。知識をたくさん取り込んで、たくさん発信します。