日本が世界に誇る文化の1つである「アニメーション」ですが、アニメーションの制作は1年以上も前から行われるほど長期化し、それに伴いクリエイターたちが置かれている環境も決して良いとは言えない状態が続いています。
現在、加速度的に成長する「生成AI」技術を使った動画生成サービスが台頭し、アニメ業界のみならず世界中の動画クリエイターたちに活用され始めている中、ShengShu AI HK Limitedが展開するAI動画生成プラットフォーム「Vidu(ヴィドゥ)」は、6月7日に東京・桜美林大学で開催された「WaytoAGI グローバルAIカンファレンス2025」に参加し、来場したクリエイターに向けて多様なセッションを展開しました。
「Vidu」とは?
ShengShu AIは、2023年3月6日に中国・北京で設立された先進的なAIスタートアップ企業。
最大の強みは、画像・動画・3Dといった多様なコンテンツ生成を可能にする「マルチモーダルAI基盤モデル」の開発力で、同社が開発した「Vidu」はOpenAIの「Sora」に対抗する、中国初の長時間・高一貫性・高ダイナミック動画生成AIとして世界中で注目を集めています。
「Vidu」は長編コンテンツにも対応できる高い一貫性と、ダイナミクスを備えたAI動画生成プラットフォームで、アニメーション・映像制作など、世界200以上の国・地域で、2,500万人を超えるユーザーに利用されているサービス。
テキストからの動画生成、画像からの動画生成、先頭・末尾フレーム(画像)による動画生成、参照画像からの動画生成、テキストによる音声生成といった5つの主要なAI機能をはじめ、キャラクターライブラリやシーン設定、動きなどの演出効果を簡単に加えられるエフェクトテンプレートなども統合。
これにより、構想段階から作品完成までを秒単位で実現する、革新的な制作ワークフローが可能となっています。
Viduには3種類のモデルがあり、
●Vidu 1.5:アクション系などダイナミックな動きにピッタリ
●Vidu 2.0:生成スピードとバランスに優れており、Reference機能を搭載
●Vidu Q1:解像度が非常に高く、最後の仕上げや特別案件の際に活躍
とそれぞれ特徴が分かれていて、利用シーンに応じて使い分けられるようになっています。
最新モデル「Vidu Q1」ではたった2枚の画像とテキストだけで、一貫性のある高品質な動画シーンを自動生成可能。
一方で「Vidu 2.0」は、僅か10秒で動画素材を生成できる機能が搭載されており、誰もが気軽にコンテンツ制作に取り組める環境を実現。
料金は無料で利用可能なフリープランのほか、スタンダード・プレミアム・アルティメットプランが提供されています。
「グローバルクリエイター交流会」でViduを使い制作された映像が公開!
桜美林大学で行われた「WaytoAGI グローバルAIカンファレンス2025」では、ShengShu AIが主催したグローバルクリエイター交流会を実施。
生成AIを活用した動画制作をテーマに、多彩なクリエイター3名がViduを活用した動画制作の経験を発表し、参加者とともに活発な議論が交わされました。
こちらが実際に会場でも流された、Viduを活用して作られたアニメーション映像「Desert Trial」
機械化された人が当たり前に暮らす中、一人の少女が、砂漠に生息する巨大ワームの体についた宝石を危険を承知で採集しに行く、というストーリー。
僅か1分程度の動画ながら、このクオリティの動画を素人に作れと言われても、制作することは不可能でしょう。
一般的に30分のアニメーションをアニメーションスタジオが制作するのに1〜2ヶ月程度かかると言われています。
つまり、1分のアニメーション動画を作るのにプロフェッショナル集団が数日かけて制作している中、このようなアニメーション映像を個人が生成AIで手軽に作れてしまうことに、非常に驚きました。
また、会場では日本の動画クリエイターの創作活動への貢献についても語られ、集まった参加者に向けて、新たなビジネスチャンスの可能性についても意見交換も実施。
一部の参加者からは「なぜ日本ではこのような革新的なAI企業が生まれていないのか」といった声も出たそうです。
交流会に参加したクリエイターからは、
「『こういう機能があったらいいな』『こんな操作ができたら助かる』という、現場目線の痒いところに手が届くツールが数多く備わっており、ViduはAIの在り方そのものを進化させている存在だと感じています。」
といった好意的な意見や、
「まるで生命が吹き込まれたようなリアルな表現はViduならではの魅力であり、大変重宝しています。」
といった、実際に利用して素晴らしさを実感しているクリエイターのコメントも出ています。
一人でもプロレベルのアニメ制作が可能に!
日本国内では「一人スタジオ」型の制作スタイルが注目を集めている中で、創作活動の流れを支える存在としてもViduは注目を集めています。
中国のアニメクリエイター・柔樹特效(ジュウジュトクコウ)氏がViduを駆使して連載アニメ「観測者の逆説(中国語タイトル:観察者悖論)」を制作・公開しているのですが、とても個人で制作したとは思えないほど高い映像のクオリティに驚きました。
総再生回数はすでに300万回を突破しているほか、ファンがSNS上に集い、継続的な視聴とフォローによるコミュニティが形成されるほどの反響を得ているのだとか。
「声優が声を吹き込めば、そのままアニメとして放送できるのではないか?」と思ってしまうほどのでき栄えとなっているので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
この事例からも分かるように、Viduは高度な生成機能を駆使し、日本アニメ特有の質感や世界観を高精度で再現することで、個人クリエイターにプロスタジオ並みの表現力を提供。
アニメ・映像制作、文化・観光コンテンツ、スマートデバイス分野など、多岐にわたる領域で導入されており、実用フェーズへの移行が急速に進んでいるViduは、日本の動画制作、特にアニメーション制作分野において革新をもたらす存在となってくれるかもしれません。
サービス概要
●Vidu(ヴィドゥ)
プラン:フリー、スタンダード、プレミアム、アルティメット
料金:月額0〜99ドル(プランによって異なる)
企業:ShengShu AI HK Limited(中国語名:生数科技(香港)有限公司)
Vidu Japan:https://x.com/Vidu_JP
Vidu公式:https://www.vidu.com/