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【連載】ヨガと日常をつなぐ1冊Vol.9 仕事術としてのセルフケア



ヨガをすることがポピュラーなことになった今、その教えを日常に取り入れたいと考えている方も多いでしょう。専門書を手に取るのもいいですが、書店に並ぶ本の中にもヨガのエッセンスが詰まったものがあります。そこでヨガスクールの講師としてインストラクターを養成している筆者が、ヨガの教えをより身近に感じてもらえる1冊をご紹介します。第9回は「仕事と向き合う社会人が大切にすべきもの」を気付かせてくれるエッセイです。


プロが仕事よりも大切にすべきもの

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僕は「仕事の基本はなんですか?」と尋ねられれば、迷わず「健康管理」と即答します。その通りだと信じ日々実践しています。どんな火急の仕事より、どんなに重要なプロジェクトより、どんなに難しいクライアントより、最優先すべきは自分の体と心の健康です。

出典:松浦弥太郎(文筆家)

季節の変わり目で徐々に涼しくなってきています。これから秋そして冬に向かっていきますね。
アーユルヴェーダでは、冬はヴァータという「空」や「風」エネルギーの季節とされています。そして、ヴァータが作用する循環器系の不調やエネルギーの増悪が起きやすく、誰もが体調を崩しがちです。
この連載を読んでいる方の中でも年末ぎりぎりまでお仕事をされ、年始も早くからお仕事を開始するという働き方をしている人が多いのではないでしょうか? 
特にヨガインストラクターの方は、この季節は風邪や発熱で担当クラスの代行を出す、またはクラスをクローズにしなければいけないこともあるかと思います。
僕たちヨガ指導者はヨガとアーユルヴェーダの知恵を通じて、人の心と体の健全さや健康を保つお手伝いをしていますが、医者の不養生とはよく言ったもので、自身のヨガやアーユルヴェーダの実践は疎かにしてしまいがちです。
単に「自己の健康管理をしっかりしましょう」と月並みなことを伝えたとしてもあまり意味がないし、心には届かないかなと思います。
そこで今回は「丁寧に暮らす」ということをテーマにし、実践されている文筆家でWEBメディア『くらしのきほん』編集長である松浦弥太郎さんの、プロフェッショナルな仕事の基本として健康管理についてフォーカスしたエッセイ『松浦弥太郎の仕事術』という本をご紹介します。

全ての人が使う「仕事道具」とは心と体

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このエッセイの本文には弥太郎さんの仕事に対する高い意識が以下のように表現されています。
包丁をぞんざいにあつかう料理人。

レンズが汚れていようとてんでお構いなしのフォトグラファー。

そんな人の仕事ぶりを信用しろと言われても、僕はためらいます。彼らが生み出すものが素晴らしいとは、どうやっても思えないのです。



自分がプロとして関わる仕事の道具は大切に取扱い、どんな時でも最良の働きができるよう、メンテナンスを忘れない。これが働くうえで欠かせない最低条件だと言えば、たいていの人は納得するはずです。



プロのアスリートの場合、睡眠時間や普段の食事など、徹底的に健康管理をしています。自分の身体が仕事の道具だと熟知しているためです。

しかし、自分の体が道具なのはアスリートだけではありません。使い方に多少の違いはあっても、誰もが心と体を使って働きます。

その意味で心と体とは、職種を問わず、全ての人が使う「仕事の道具」なのです。



それなのに、自分の健康をないがしろにしている人があまりにも多いのではないでしょうか。



心なしで成し遂げられる仕事は何一つありませんし、体調を整えていなければ、いかなる責任もとれません。



プロとして仕事に欠かせない道具を大切に扱うことは、当然すぎるくらい、当然の話なのです。

出典:松浦弥太郎の仕事術

いかがでしょうか?弥太郎さんからのメッセージをどのように受け止めますか?当然のことなのですが、健康管理を完璧に実行するのはなかなか難しいかもしれません。
一方で、ヨガとアーユルヴェーダの智慧や技術は心と体のケア(セルフケア)にほかなりません。『ヨーガスートラ』という瞑想の実践にまつわる古典書には、人が本質的に幸せになるためのヒントを示す以下のようなセンテンスがあります。
人に生まれること、薬草(ハーブ)を生活に取り入れること、聖典の学びを実践すること、規則正しい生活をすること、瞑想の練習をすることによってヨガの成功は達成されます。

出典:ヨーガスートラ4章1節

人を幸せにする良き働き手になるための3つの要素

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『ヨーガスートラ』では僕たちの心身の健全さを保つためにアーユルヴェーダやヨガ、瞑想の実践をセルフケアとして継続的に行うことをおすすめしています。
僕はよく仕事で1ヶ月の長期滞在で地方へ出向き、ヨガインストラクターの養成講座を担当することがあります。慣れない環境で、外食や会食も重なります。そして出張先からまた別の都市へと行き来するワークスタイルは相当ハードです。そのため、出張中はいつも以上にセルフケアを心がけます。
体へオイルを塗ることやアーユルヴェーダのハーブ、そして天然のサプリメントの摂取など、五感をいたわるケアを行うようにしています。おかげで今まで出張中に風邪のような症状になったことはあっても、クラスを休むということには至らず乗り越えられてきました。
そして、『松浦弥太郎の仕事術』を読み、改めて自分自身のお世話をきちんとすることの大切さを感じます。
単にヨガのポーズの練習するだけにとどまるなら、それは全体的ではなく健康的な生活スタイルのほんの一部分にしかすぎないのだと思います。
滋養のある食べ物をとる、積極的に体を緩めていく、読書や美しいものを鑑賞し、自然に触れるなど、体や心だけではなく、精神にも滋養を与える活動がもっと必要だなと感じています。
多方面から自分自身へのケアを行えば、ヨガや瞑想など日々のルーティンも単に繰り返しや義務感にならずに情熱をもって取り組むことができそうです。
僕はセルフケアの選択肢として、ヨガやアーユルヴェーダの可能性を十分に理解していますし、ヨガやアーユルヴェーダ、そして瞑想の実践を通じて多くの人が健やかに生活できると信じています。
最後に弥太郎さんの仕事とはなにか?というメッセージで締めくくりたいと思います。
「あなたにとって仕事とはなんですか?」聞かれたら僕はこう答えます。

第一の仕事は、健康管理。

第二の仕事は、生活を楽しむこと。

第三の仕事は、与えられた仕事をすること。

この三つが揃ってはじめて、きちんと報酬を得られ、人を幸せにする良き働き手になりうると考えています。

出典:松浦弥太郎の仕事術

人が健康になり幸福になることをお手伝いする身として、この3つの教訓を常に心に留めておきたいと思います。

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