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6/25開催「サンブレフェスタ 2023」展示決定!手作りの6輪F1タイレルP34を追え!Vol.5


製作の初期段階から進化の過程を追い続けて早4年。スチール製角材とアルミ板を文字どおり切り貼りして造り上げた手作りのF1マシン、タイレルP34。 今回、久しぶりに茨城県水戸市にある「カスタムビルド&レストア WATAHIKI」にお邪魔して、このマシンの製作者であり、ドライバーでもある綿引雄司氏にインタビューを敢行。 率直な想いを語っていただいた。 ■手作りの6輪F1タイレルP34とは? 茨城県水戸市にある「カスタムビルド&レストア WATAHIKI(以下、CBR WATAHIKI)」代表の綿引雄司氏が、仕事の合間を縫って手作りで製作している、6輪が特徴的なF1マシン「タイレルP34」。 その完成度の高さから、ネット上ではタイレルP34のコンプリートマシンを綿引氏が所有していると誤解されることも少なくない。 むしろ、イベントやCBR WATAHIKI(事前にアポイントを取れば実物を見せてくれる)に赴けばホンモノさながらのタイレルP34が間近で観られるのだ。 この事実に素直に感激し、喜ぶべきなのかもしれない。 製作者である綿引氏によると、このF1マシンが存在することは、タイレルのルーツでもあるケン・ティレル氏のご子息、ボブ・ティレル氏も把握しているという。 しかも、ボブ・ティレル氏は好意的に受け止めてくれているとのことだ。 また「タイレルP34のレプリカ」と評されることもあるが、綿引氏独自の解釈で製作された箇所も少なからずある。 そのため、忠実なレプリカというわけではない。 つまり、この「レプリカ」という表現がこのマシンに当てはまるかどうかは人それぞれの解釈に委ねたい。 ■YouTubeでも公開されているエビス西サーキットを走った率直な感想を聞かせてください 初めての本格的なサーキットコースだったので、果たして自作タイレルはまともに走るのか、最初は不安がありました。 しかし、思った以上にフロント4輪は素直なハンドリングでコーナーを曲がりますし、直線でブレることもなく、フレームが捩れてるような不安感もなく、普通のクルマとまったく変わりなく走りました。 やはり重量が軽く、サスペンションもマッチしているせいか、ロールせず姿勢の変化があまりなく走ることができましたね。製作した部品と使った部品のバランスが上手くマッチしていて、車体周りは100点満点の仕上がりと思いました。 唯一、デフからのオイル吹き出しが少しあったことと、水温の管理、燃調のセッティングなどが次回の課題ですかね。 ●タイレルでエビスサーキット西コース激走!ドローン!オンボード!ハンドメイドF1 [4K画質]https://www.youtube.com/watch?v=eGVxCCliLYA ■昨年10月に初試走したときから変更点を聞かせてください ・リアウイングの補強・リアジャッキがきちんと装着できるようにステーを製作・テールランプの取り付け・リヤタイヤ内側のクリアランスが狭く、タイヤが擦れてしまっていたため、トラス構造のハブサポートを加工し直しクリアランスを広くした・リアスタビライザーの追加(スズキ アルトラパン用) アルトラパン用のスタビライザーにしたのは、タイレルP34の車重を考えたとき、軽自動車用が合うなと閃いたんです。それぞれのモデルのスタビライザーを調べていくうちに、アルトラパン用がよさそうだなと、画像を見て判断したんです。自作することもできたんですが、材料費よりもネットオークションで買った方が安いし、仮に合わなかったとしてもノウハウの蓄積になるかなと思って手に入れました。現物が届いていたら、ちょっと加工するだけで装着できたのでバッチリでしたね。 ■現時点での課題や、今後のアップグデートするご予定はありますか? 5月3日〜4日にかけて長野県で開催された「ながのノスタルジックカーフェスティバル2023」にタイレルP34を展示したんですが、このとき、以前ドラッグレース用のマシンを製作していたことがあるアートレーシングさんとお会いしたんです。ハイパワーエンジンを載せたドラッグレース用のマシンである以上、ボディにものすごく負荷が掛かりますよね。そんなマシンを作る方から見てもこのタイレルP34は強度があり、むしろオーバースペックだとおっしゃっていただきました。 自分自身でも、現在の隼のエンジンではパワー不足かなと思うところがあったんです。それと、現状のテンショナーのベアリングに対する懸念もありますね。かなり負荷が掛かるみたいで、頻繁にビアリングを交換する必要がありますし。そんなこともあり、ゆくゆくは200〜250馬力くらいのエンジンに換装したいなと考えていたので、これはチャレンジしてみたいですね。 あとはトランスミッションですね。いま考えているのは、ポルシェ914用のミッションをベースに加工して載せられないかなと考えています。何しろ、ウチにはポルシェ用のトランスミッションが何個もありますから、それを利用しない手はないんです(笑)。 ■いま、世界に何台のタイレルP34が存在しているのですか? 私が知る限りでは元F1ドライバーのピエルルイジ・マルティニ氏が2台所有していて、ジョディー・シェクター氏が1台。それと、タイレルP34を「全バラ」してイチから造り上げたマシンがたしか2台あったはずです。あとは、タミヤさんのところにあるタイレルP34と、レプリカですがウチにあるマシンですね。 ■お一人でここまでできる方は少ないと思うのですが・・・ たまたまウチがクルマの車検整備やレストアもやっていて、こういった商売をやっていたからできた、という点は大きいと思います。やってみたらできた!そしてノウハウを蓄積していく……その繰り返しで今日にいたったようなものですね。若い方で自分も同じようなことにチャレンジしてみたいとお考えでしたら、「自分は○○○○しかできない」と決めつけず、どんどんチャレンジしていってほしいです。 ■YouTubeの視聴者の方、そして海外の方の反応はいかがですか? 視聴者の方の多くが日本人の方なんです。あとはアメリカ、イタリア、スウェーデン、韓国の方たちですね。動画を公開すると、毎回コメントを書きこんでくださる方もいらっしゃって、とても感謝しています。YouTubeがなかったらここまでできなかったと思います。 ■MT車が運転できれば一般のドライバーでも走らせることはできますか? クラッチも軽いですし、アクセルやブレーキも市販車の感覚とそれほど違いはありません。MT車の運転免許を取得していてサーキットの経験があればどなたでも乗れると思いますよ!シートサイズが私の体型に合わせてあるので、そこは調整が必要かも知れません。 ■綿引さんがイメージする、タイレルにもっとも近い市販車を教えてください もっとも近い乗りもので例えるなら、エンジンがシャーシにリジットマウントされているレーシングカートでしょうか。レーシングカートの方が小型な分、挙動が敏感ですけれど、タイレルP34の方がリアの滑り出しもゆっくりしている印象があります。以前、公開した動画で、エビス西サーキットでスピンしている映像がありましたが、タイヤが温まってグリップする前に少し強引にコーナリングしたらスピンしてしまったんです。 ■これまででもっとも大変だったこと、苦労したことを聞かせてください 何しろ自作ですから、トライアンドエラーの繰り返しです。レストアが完了したクルマをテスト走行するときの怖さと不安にちょっと似ていますね。オートランドテクノで初めて走らせたときも、低速コーナーでさえもステアリングやタイヤが外れたり、ヘンな方向に向いてしまったらどうしようという恐怖は正直いってありました。 今回、15分・15分・10分と合計で40分走ってみて、デフのオイル漏れがあったり、あとはチェーン駆動を支えているテンショナーのベアリングがガタガタなんです。現在の仕様では40分くらい走ったらベアリングを交換する必要がありそうです。あとは、テンショナーの仕組みを変えるか、エンジンとミッションを別のものに載せ換えるか……です。 ■これまででもっとも嬉しかったこと、思い出のできごとを聞かせてください やはり「自分が作ったものがサーキットをきちんと走れるようになってきた」ことが一番の喜びですよね。 もともと、クルマでもバイクでも、サーキットを走ることがとても好きなんです。それも、今回は市販車ではなく、自らゼロベースで造り上げたマシンです。それがサーキットをそれなりのスピード域で攻めて、しかも連続して走れるようになった。自身の技術に対する自信にもつながりますよね。 ■綿引さんにとって、このタイレルプロジェクトの目指す夢やゴールは? 富士スピードウェイでF1が開催されたのは1976年と77年の2年だけ。そのいずれの年もタイレルP34がエントリーしているんです。このマシンで、いつか富士スピードウェイを走ってみたいと考えています。今回、エビス西サーキットを走ったことも、その過程のひとつだと思っているんです。 ■もしタイレル以外で新たなプロジェクトが決まっていたら聞かせてください 先日、K4-GPのパドック内にタイレルP34を展示させていただいたのですが、このときに思ったのは、新たに軽自動車ベースでK4-GP用のマシンを作ってみたいなと思いましたね。 ■タイレルが見られるイベントが決まっていたら教えてください 6月25日(日)に、群馬県太田市にある道の駅おおたで開催される「サンブレフェスタ 2023」に展示予定です。昨年の同イベントでは、追加で製作したアルミ地むき出しの1976年仕様でしたが、今年は1976年富士スピードウェイに参戦した「シェクター仕様」となります。また、フロントホイールはオリジナルを忠実に再現したアルミ製のものを履いて展示します。 ■ぜひYouTubeの視聴者の方、読者の方にメッセージを! FIAのレギュレーション改定で6輪F1マシンで参戦することができなくなってしまったけれど、個人的にはもっと6輪F1マシンの魅力や面白さをYouTubeで発信していきたいです。 他のYouTuberさんのように頻繁には更新できていませんが、その分、スペシャルな映像をちょこちょこ出して行きますので、これからも応援してくださいね!それと、各地のイベントに展示させていただいたり、実際に走らせたりしているので、ぜひ実車をご覧になってください。 ■巴自動車商会/カスタムビルド&レストア WATAHIKI 店舗情報 住所:〒310-0912 茨城県水戸市見川3-528-2TEL:TEL/FAX 029-243-0133URL:http://cbr-watahiki.comお問い合わせ:http://www.cbr-watahiki.com/mail.html ●綿引氏のYouTubeチャンネル"cbrwatahiki"※「アルミのイオタ」および「タイレル P34」の製作風景も紹介されています https://www.youtube.com/@cbrwatahiki ※YouTubeで動画を配信している「ぺーさんxyz」さんがイオタの製作過程を詳細にまとめた動画。手作業で造られていったことが分かる構成となっています。 ●板金職人の技炸裂!アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【前編】 https://www.youtube.com/watch?v=hvAf5PfcSJg&t=8s ●アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【後編】 https://www.youtube.com/watch?v=WidFHqbp4QA ■「サンブレフェスタ 2023」イベント概要 ・日時:2023年6月25日(日)9:00〜15:00・場所 道の駅おおた駐車場 ●「道の駅おおた」について ・所在地:〒370-0421 群馬県太田市粕川町701-1https://goo.gl/maps/E3vus5Vmbpjn8mz68・電話:0276-56-9350・FAX:0276-56-9351・駐車場;普通車:126台、大型車:40台、身体障害専用:4台・URL:http://michinoeki-ota.com ●道の駅 おおた <公式> Facebookページhttps://www.facebook.com/michinoeki.ota/ ●道の駅おおた広報「おっくん」 Facebookページhttps://www.facebook.com/ekicho.ota/ ●道の駅 おおた <公式> Twitterhttps://twitter.com/michinoekiota [ライター・カメラ/松村 透] ...続きを読む
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