東京・新宿から特急あずさ号で約2時間――。長野・蓼科の豊かな自然に抱かれた「東急リゾートタウン蓼科」の一角にある「TENOHA蓼科」エリアが、2025年7月26日(土)に第2期開業を迎えました。
環境への取り組みをさらに推進し、“地域との共創”をテーマに掲げた今回の開業。前日にはメディア向けの見学ツアーが行われ、新たな施設やサービスがお披露目されました。その様子をレポートします。
「TENOHA蓼科」とは?

「TENOHA蓼科」は、運営を手がける東急グループが、環境への取り組みの発信拠点として昨年7月にオープンしたエリアです。
ここには、地元産にこだわった軽食を楽しめるカフェや、食品・雑貨を扱うショップ、森に囲まれた宿泊施設などが点在。自然に囲まれた“非日常”の中での体験を通して、環境への意識を“日常”に持って帰る――。そんな新しい発見が待っているかもしれません。
開業2年目となった「TENOHA蓼科」には、いったいどんな新しいドラマが待っているのでしょうか?
自然の恵みを食で体感!「EMMA’s FOOD&GROCERY」
まずは腹ごしらえから!
信州ポークの自家製ソーセージや高原野菜など、地元の食材を活かした食を楽しめる「EMMA’s FOOD&GROCERY」で、自慢のホットドッグを堪能します。

信州ポークソーセージを使ったホットドッグ「エマスタンダード」に、皮付きポテトと高原野菜、ドリンクのセットです。
驚いたのは、ソーセージのジューシーさ!噛んだ瞬間から肉汁がジュワーっとあふれ出ます。味付けはザワークラウトのみですが、肉のうまみたっぷりなのでそのままでも大満足。カリカリ食感のパンも◎!

続いて、信州産鹿肉をふんだんに使ったジビエソーセージのホットドッグ。スパイスで味付けされた肉の密度が高く、食べごたえバツグン。ブルーベリーソースと調和した甘辛な味わいが個性的でした。

2期開業で生まれ変わった「EMMA’s FOOD&GROCERY」では、地元の新鮮な農作物やジビエから環境に配慮した日用品まで、地域の魅力を幅広く発信しています。

中でも注目したいのが、後述で紹介する「TENOHA TATESHINA Lab.」で開発された、蓼科の樹木から抽出したアロマオイルやクラフトビール。帰る前には忘れずに立ち寄りたいショップです。
蓼科の森の素材を自由研究!「TENOHA TATESHINA Lab.」

「TENOHA蓼科」に新たに加わった「TENOHA TATESHINA Lab.」は、森林資源の循環やサステナブルな取り組みを発信するとともに、自然の豊かさを五感を通して学べる場となっています。

ここでは、蓼科の樹木を活用した草木染めや植物標本づくり、アロマオイルの原料になる精油蒸留などが体験できます。実際に草木に触れることで、普段の生活ではほとんど意識していなかった自然への興味が少し芽生えてきた感覚です。

ここでの収穫は、「アブラチャン」というユニークな植物に出会えたこと。ガイドを聞いた瞬間、思わずクスッと笑ってしまいました。こんな小さな発見が、のちの経験に活かされていくのかもしれませんね。
森で遊ぶ&働く「ワークラボMORIGURASHI」

「ワークラボ MORIGURASHI」は、会議スペースや個室などコワーキングスペースとしての十分な機能を備えながらも、緑の風とせせらぎの音を感じてリラックスできるテラステーブル席も用意されています。

パソコン作業の合間に、のんびり読書やお昼寝でつかの間の休息を味わいましょう。
自然と同化するステイ体験 「蓼科東急ホテル」の新客室

蓼科の豊かな自然に触れ、「まだ日常に戻りたくない」「もう少しここにいたい」――そんな気分が高まった時は、「蓼科東急ホテル」に誕生した新客室「Karamatsu Classic」のステイがおすすめ。

今回リニューアルした客室は、スタンダードタイプ2室と、5名まで泊まれるメゾネットワイドタイプの計3室。内装や家具にはカラマツ材が使用され、やさしい木の香りとぬくもりが深い安らぎをもたらします。

中でも注目なのは、スチームサウナが導入されたバスルーム。「TENOHA TATESHINA Lab.」で開発されたアロマオイルをさっそく試して、癒しのバスタイムを過ごしてみてはいかがでしょう?
大きな窓に広がる森の息づかいをひとりじめ――。自然と調和し、森を五感で味わえる特別な体験をぜひ味わってください。
「TENOHA蓼科」から広がる環境共生への意識
蓼科の豊かな自然を体感できたのはもちろん、その背景にある環境への取り組みにも触れられた、実りある見学ツアーでした。

「『TENOHA蓼科』開発にあたり、蓼科に多く自生する“カラマツの木”に着目。これを軸とした“脱炭素”“循環型社会”“生物多様性”といった環境課題に向き合うエリアづくりを推進しています」
こう語るのは、開発プロジェクトを手がけた、東急不動産の石原宏基氏。

オープン1年でホテル集客やSNSでの反響も広がり、地域住民との距離も少しずつ縮まりつつある現状に、「開発時は“別荘地だから入りづらい”という地元の声が多くありましたが、今は週末にふらっと訪れてくれる地域ファミリーも増えてきました」と、手ごたえを実感しているようです。

今後は周辺市町村との連携も視野に入れ、より広域な活動を目指すという石原氏。「茅野市を中心とした八ヶ岳西麓地域が『ワイン特区』に認定されたのを機に、地元と連携してワインイベントも開催しました。このように、今後も“環境共生”発信の拠点として、地域の方々とともに盛り上げていきたいです」と語り、「TENOHA蓼科」がさらに地域に根ざした場所として成長していく未来に、期待をにじませていました。
森で感じたことを、少しだけ日常に
“環境について、楽しみながら考える”をテーマにした体験型エリア「TENOHA蓼科」。
疲れた心と身体をのんびり癒して日常を忘れ、ほんのちょっとでも環境への意識を持ち帰る――。これが自然とのふれあいのニュースタンダードとなる日もそう遠くはないかもしれません。
【概要】
「TENOHA蓼科」
住所:
〒391-0301 長野県茅野市北山 字鹿山4026-2 東急リゾートタウン蓼科内
アクセス:
JR「新宿駅」より特急あずさ号(約2時間)、JR「茅野駅」より送迎シャトルバスあり(約30分)
営業時間:9:00~17:00 水曜定休
※2025年7月17日~8月31日 毎日営業
公式サイト:https://www.tateshina-tokyu.com/tenoha/
<取材・撮影・文/櫻井れき>