腰痛は『日本人の9割が一生のうちに腰痛を経験する』といわれるほど多く、厚生労働省の調査でも普段感じる症状として『腰痛』は男性1位、女性2位と上位を占めています。また腰痛は、原因が特定されるものが15%程度と少なく、原因不明の非特異的腰痛が85%と圧倒的に多いそうです。また、急性腰痛から慢性化してしまう割合が非常に多く、病院へ行っても治らず長年悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。非特異的腰痛はエクササイズをすることによって改善する可能性があります。腰痛のない方も腰痛と無縁な生活を送れるようにエクササイズを日常生活に取り入れてみてくださいね♪
姿勢筋として過剰に使われている背面部の筋肉をリラックスさせましょう!
腰痛は筋肉が緩むことが原因で発生すると思われるかもしれませんが、実際は過剰に使われすぎた筋肉の過緊張が原因であることが多いです。
正しい姿勢では、背骨がなだらかな湾曲を描くS字カーブがいいとされています。(イラスト左から1番目)
いわゆる猫背といわれる姿勢は、背中の上部だけが丸まっていて、バランスを取るために骨盤が前に出た状態になり、結果的に腰が反ってしまいます。(イラスト左から2番目と3番目)
また、日本人は欧米人に比べてS字カーブが浅いので、フラットバックという湾曲がない状態で背骨全体に負担がかかる可能性もあります。(イラスト左から4番目)
さらには、姿勢を良くしているつもりが、胸を張りすぎて結果的に腰が過剰に反ってしまうことも多いです。いわゆる反り腰といわれる姿勢で、ヒールをはく女性に多くみられます。(イラスト右から1番目と2番目)
どの姿勢でも、背面部の筋肉がずっと縮まった状態で硬くなりやすいので、しっかりと緩めて、伸縮自在なゴムのようにしなやかに使える筋肉にしていきましょう。
猫背なのに背中を丸めるの?と驚かれるかもしれませんが、前述のように猫背は隠れ反り腰なので、まずは背面部の筋肉をしっかり緩めることが必要です。
腰痛改善 ウォールサポートリーチ
壁のサポートを使って、背面部(特に腰部)の筋肉をしっかり伸ばしましょう。
1、壁に背中全体をつけて立ち、足は壁から一歩前に出して膝を軽く曲げます。
※ボールがあれば膝の間にボールを挟みます。なければ丸めたタオルで代用可能です。ボールが足から落ちないように保つことで、太もも内側の筋肉を意識させます。
2、両手を前に出し、息を吐きながら背中を丸めます。肩甲骨から手を伸ばすように意識します。
※腰がしっかりと壁についていることを確認しましょう。肩が上がりやすいので、首を長く保ちます。
※太ももの裏側と内側、脇の下あたりの筋肉が使われていることを感じます。
3、2の状態を3呼吸キープ。
◆3までの動作を1セット×3回を目安に行います。時間がないときは1セットでもOK!省スペースでできるので、トイレでこっそりリセットしちゃいましょ♪
腰の後ろの筋肉が硬く張っていると、最初はうまく背中を丸められないかもしれませんが、腰をしっかり壁につけるように意識をすることで徐々に腰がほぐれてきます。
息を吸う時に肩が上がるのではなく、背中や腰が広がる感覚があれば正解です!
腰痛改善 マーメイド
しなやかに動く背骨を手に入れましょう♪
1、骨盤を立ててあぐらになり、坐骨と頭で伸び合うように背すじを伸ばします。両手を肩の高さに伸ばし、大きな木を抱えるイメージで肩よりも手を少し前に出し、肘と手首は緩めスタートポジションを取ります。
2、息を吸って軸を伸ばし、吐きながら体を右に傾け右手を床につきます。左手は指先を伸ばしながら弧を描き耳の横に、指先を頭の方向に伸ばします。体全体で弧を描くイメージで体側を伸ばします。
※肩が上がりやすいので、右ひじは少し緩め、左肩は肩甲骨を下に引き下げるように意識します。左右の首の長さをそろえるようにしましょう。
3、息を吸って右手指先を正面に向けて、吐きながら左手をまっすぐ前の壁に向かって伸ばします。
※左手は肩甲骨から動かす意識を持ち、左の背中の広がりを感じましょう。
4、背中を広げるように息を吸い、吐きながら大きなボールを抱え込むように左手を脇の下の方へ伸ばします。
5、4の状態を5呼吸キープ。
※お腹の前に大きなボールがあるイメージでお腹と太ももの距離を離すように背中を丸めましょう。
6、息を吸いながら1のスタートポジションに戻ります。
◆反対側も同様に5呼吸キープ。
坐骨をしっかりと床に貼り付けることがポイントです。
坐骨が浮いてしまうと一番硬くなりやすい腰の後ろがしっかり伸びないので、効果が半減してしまいます。首肩で呼吸をするのではなく、背中全体が広がる感覚を探しましょう。
『ウォールサポートリーチ』の後に実施するとより腰背部の伸びが感じられますので、合わせて試してくださいね♪
腰痛改善 ロールアップ
背骨をひとつずつ動かして、インナーマッスルを鍛えましょう。
1、体育座りで、両手は膝の後ろに添え、肘を少し外に向けます。
2、息を吸って軸を伸ばし、吐きながら骨盤を後ろに倒し背骨を下からひとつひとつ床につけるように上体を寝かせていきます。
※胸から先に床につきやすいですが、先に腰背部(おへその後ろ側)が床につくようにしましょう。
3、息を吐きながら、顎を引き、首から動かし始め、胸、腰と順番に床から背骨をはがすように起き上がります。
◆3までの動作を1セット×5〜8回繰り返します。
首から腰まで24個ある背骨をひとつひとつバラバラに動かすことで、インナーマッスルである多裂筋が使われます。
この多裂筋がうまく使えないと背骨を支えるためにアウターマッスルである脊柱起立筋群などが過剰に緊張してしまい、腰や背中が張った硬い状態になってしまいます。そうなると立っているだけ、座っているだけでも腰が痛いなど、腰痛の原因にもなります。
座った状態で腰の後ろを触ったとき、筋肉がカチカチに硬いのは多裂筋がうまく使えていない証拠です。
脊柱起立筋群が硬く張っていると、背骨をバラバラに動かせず、後ろに傾いた時にバタンと一気に背中が床についてしまうことがあります。
その場合は先に『ウォールサポートリーチ』『マーメイド』で背中を広げる練習をしましょう♪
日常生活動作や姿勢を保つだけでも過緊張を起こして硬くなりやすい背面部のを緩めて、柔らかくしなやかに使える筋肉に作り変えましょう!
姿勢や腰痛だけではなく、背面部の過緊張は呼吸にも影響があるため、しっかり背面部のリリースをすることでリラックス効果や安眠効果などが期待できます。
日常のちょっとしたスキマ時間でパパッとリリースをクセづけましょう♪
◆監修者のプロフィール◆
ピラティス・ヨガ トレーナー
柴森 雅子さん
運動経験がほぼない中、ピラティスに出会う。
ピラティスをはじめてから、長年の悩みであった肩こり解消をはじめ、健康や美容、さらにはライフスタイルにまで良い変化があり、その素晴らしい体験を多くの人に伝えたいと思いピラティスの資格を取得。
さらに、体の硬いアスリート指導の中で、柔軟性を高めるヨガも必要と考え、ヨガの資格を取得。ピラティス・ヨガに必要な呼吸を深く掘り下げて、学びを深める。
◼資格◼
・Polestar Pilates®︎ MAT
・BESJ Pilates Refomer &Trapeze
・BESJ Pilates Chair
・Stretch-eze®
・栄養コンシェルジュ®︎
・スウェディッシュマッサージセラピスト
社)Educate Movement Institute認定
・Athlete Pilates AP™️
・Core Power Yoga CPY®
・Functional Respiratory Specialist
撮影スタジオ
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