File no. 146
《Schöffel/ショッフェル》
ドイツといえば、日本と同様に自動車や電気機器、化学産業などの製造業が盛んだ。
そして、それら製品のプロダクトデザインの分野においても世界トップの実力を誇る。
機能を最優先した無駄のないデザインは、歴史に名を残す数々の普遍的な名作を生み出してきた。
そんなドイツの徹底したものづくりはクロージング分野においても健在。
特に、絶対的に機能性を必要とするスポーツウエアやアウトドアウエアの分野においては、ドイツの真骨頂を体感できるはずだ。
ということで今回はドイツを代表するブランドの1つ、《ショッフェル》の歴史とその魅力に触れてみたい。
《ショッフェル》は、今から約200年以上も前の1804年にバイエルン州シュヴァブミュンヘンにて創業。
帽子やソックスなどの伝統的なニット製品をつくり始めたことから歴史をスタートさせた。
やがて産業革命の波が押し寄せ、家内工業や手作業を主軸としていた同社にも危機が訪れるが、この工業化の変化にも柔軟に対応。
1852年には住居兼作業場を構え、店舗販売へと移行した。
そして真摯なものづくりで着実に歴史を紡いだ。
1960年には、六代目の社長であるヒューバート・ショッフェルがアパレルショップをオープン。
翌1961年には、男性用と子供用のパンツの製造をスタートさせ、同社の新時代を切り拓いた。
1960年代後半に差し掛かる頃、パンツの過剰生産により窮地に立たされた同社は再び賭けに出る。
余暇やスポーツ、健康がブームとなっていたことを察知していたヒューバートは、それまでの商品構成をスポーツ用品へとシフト。
登山用のニッカポッカと裾がすぼまったスキーヤー向けのパンツを開発し、大きな人気を集めた。
1970年代に入ると革新的な山用アノラックやスキーパンツを開発し、アウトドア分野において快進撃をみせる。
1983年にはゴアテックスィ︎を採用したアノラックを開発。
1995年には世界的なアルピニストと契約し、共同での製品開発をスタートさせた。
近年では、2009年になんとオーストリアのアルペンスキー代表チームの公式スポンサーとしてレーシングスーツをデザイン。
さらに、2010年にはドイツ警察のオフィシャルウエアとしても採用され、名実ともにドイツを代表するアウトドアブランドとしての地位を確立した。
写真の「ヒート ジャケット」には、そんな《ショッフェル》の200年以上にも及ぶ歴史で培われた技術と経験が集約されている。
ドイツ製品ならではの機能最優先の普遍的なデザインを楽しみたい。
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