3月も半ばを過ぎると、一際ソワソワしてくる中目黒界隈。目黒川沿いには象徴的な提灯がぶら下げられ、お花見シーズン到来を予感させる風物詩となっている。
一度桜が咲き始めたら波のように人が押し寄せるこの界隈で、なるべく混雑を避けられる飲食店は事前にチェックしておきたいところ。そうなると、メインの山手通りや川沿いよりも、ちょっと離れたところにある“裏中目黒”的なお店が狙い目と言えそうだ。
そこで今回は、1995年に目黒川沿いにオープンし、29年間この場所の季節の移り変わりを毎年見守っている名店「. . . . .Reserch GENERAL STORE(. . . . .リサーチ ジェネラルストア)」スタッフに、隠れ家的なおすすめ飲食店を紹介してもらうことに。まずは店長の石井さんに話を伺ってみた。
石井「駒沢通り沿いにFORRESTER(フォレスター)」っていう、カレーをメインにしたお店があるんです。オープンしてからもう8年ほど経つんですが、お店の1周年記念のときに周年のTシャツを僕達で作っちゃったんです、勝手に(笑)。
それ以来、毎年アニバーサリーのTシャツを作らせてもらっているので、そう言った意味で関わりも深くなって。昨年の8周年では、バックに”SPICE IN THE MOUNTAIN”というTシャツを作りました。マウンテンリサーチでお馴染みのロゴをもろパクリしたオフィシャル? ブートレッグというわけです(笑)」
「そして料理はもちろん、音楽のセンスも良いし、インテリアも含めて雰囲気が最高なんです」とのことで、早速フォレスターさんへ。
スパイスと音楽がコンセプト。“GHEE”の味を受け継いだ名店カレー屋。
カレーをメインに、スパイスを効かせた世界各地の料理を提供する店「FORRESTER(フォレスター)」は、“Spice and music”と“Spice of Life”をコンセプトにしており、料理だけにとどまらないカルチャー的要素を含んだ心地よさを感じさせるお店。
石井「ここのオーナーの小山さんは、原宿にあった伝説のカレー屋、“GHEE(ギー)”に在籍されていたシェフの方から直接の師事を受け、味を受け継いだ立派なヒトなんです。受け継いた味を大切にしながら、独自の発展にも努力を惜しまない本気のスパイス職人です! 往年の“GHEE”を知っている人々からは、とても高い評価を得ているんですよ」
と、石井さんも力説するほど味のクオリティは折り紙付き。そのオーナーシェフ、小山さんにも話を伺った。
小山「オープンして9年目に入り、カレーだけでなく料理のバリエーションも増え、スパイスを効かせた様々なメニューを提供しています。また、ドリンク類にもこだわっていて、特にジンですね、様々なクラフトジンを用意しています」
考えてみれば、ジンというお酒もスパイス&ハーブで味を整えるお酒。フォレスターのコンセプトにはぴったりというわけだ。飲んだことがない銘柄を見つけたら、ぜひ注文しつつ、食事を楽しみながら流れてくる心地よい音楽に身を委ねよう。
住宅街に佇む、シンプルながら本格的なジンギスカン食堂。
前田「そのフォレスターの近くに、『まえだや』というジンギスカン屋もあります。そこでは格別な羊肉料理が味わえますよ」との情報も頂いたので、こちらも訪問。
お店がオープンしたのは1999年と、この地で羊肉料理がブームになる以前から、まさに“裏中目黒”と言える奥まった場所でジンギスカンを提供してきた知る人ぞ知る名店。外観の素朴な佇まいもさることながら、店内はご覧のとおり、シンプルで清潔。ご夫婦2人で切り盛りされている。
お店の外には炭に火が通った七輪が待機中。本格的な仕込み具合から、期待せずにいられない。
メニューはジンギスカンを軸に単品でチョイスするほか、コースで堪能することもできる。
ラム肉の焼き方は2通りで、網焼きとジンギスカンの両方が楽しめる。他にも島らっきょう、そしてシメには北海道牛乳を使ったソフトクリームを是非味わって欲しい。
朝まで営業する“Bells”自慢のホットドッグは、ヴィーガンにも対応。
続いて、堤さんご紹介してもらったお店は、2020年にオープンした居酒屋ホットドッグをメインとする居酒屋さん「真心ソーセージ倶楽部 by Bells」。中目黒の高架下近く、目黒銀座商店街の裏通りというロケーションは、普段は通ることの無いような狭い路地だが、ここに夜な夜なお洒落ローカルが集まるという。
オープン当初は「HOTDOG&SHAKE Bells」という名でお昼から営業していたが、現在の店名に改めてから、夜〜早朝までの営業となっている。
ソーセージは2種類あり、チキンとヴィーガンにも対応している。 一番の人気メニューとなっている“オリジナル”(¥1639)は野菜たっぷりで結構ボリューミー。これだけでお腹いっぱいになります。
他にもちょっとしたおつまみからガッツリ系パスタなど、腹ペコの欲求を満たしてくれるわんぱくメニューが豊富なうえ、朝6時まで営業しているので、深夜に集まる場所で迷ったり、そして朝までとことんまで飲みたい時には心強いお店なので、夜型人間の方は是非チェックしておこう。
ラム肉とナチュールワインに舌鼓、お料理のテイクアウトも可。
中目黒駅から目黒銀座商店街を抜けて右手に曲がって行くと、個性的なお店がちらほら。そんな中に、ウッディな外観の羊肉料理専門店 「Lamb Chan(ラムチャン)」が出現する。
「ラムチャン」は2000年3月にオープン。入り口に飾られたドライフラワーに目を奪われながら店内に入ると、ヨーロッパのビストロを思わせるような店内。カウンターを抜けて奥のテーブル席には、さらに多くのドライフラワーが天井を中心に飾られている。
メインとなる羊料理は、ラム肩やハツ、トリッパといった部位を炭火焼きで提供するだけでなく、グリルや炙りユッケ、さらには炭火焼き野菜や羊肉を使ったおでんといったメニューもある。料理に合わせるドリンク類は、各国から取り寄せたナチュールワイン、ビール、焼酎、ウイスキーなどのアルコール類のほか、ノンアル系の方には農園から取り寄せた自然派ジュースなど、選べる種類が豊富。
テイクアウトもやっているので、仲間との家飲みにも活用できそう。そして夜桜見物に「ラムチャン」の羊料理を持って行ってみんなとシェアする、というのも乙なもんです。
以上、「 . . . . .リサーチ ジェネラルストア」スタッフから教えてもらった“裏中目黒”的なローカルグルメを4店舗ご紹介してきました。 春到来といえどまだ夜は肌寒いこの季節、しっかりめのアウター用意して目黒川の桜見物に出かけつつ、今回ご紹介したお店で暖をとってもらえれば嬉しい限りです。風邪をひかないよう、そして今年もマナーを守ったお花見を心がけましょう!
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