先進技術を取り込んだハイクオリティなポータブル電源でお馴染みのEcoFlow(エコフロー)から昨年登場した、ポータブルエアコン「WAVE 2」。
工事不要でどこでもエアコンが使えるとあって、ガジェット好きのアウトドアマンの間で話題となったアイテムです。夏前に発売されたので、なんとなく冷房のイメージがありましたが、エアコンなだけに暖房機能も。
そんな「WAVE 2」の冬のアウトドアシーンでの使用感を確かめるべく、メーカーからお借りして、実際にフィールドで試してみました。
フィールドで使えるエアコン、EcoFlow「WAVE 2」。
EcoFlow WAVE 2 143000円
「WAVE 2」は冷房と暖房2つの機能を備えた、文字通りのエアコンです。ただ、通常の家庭用のエアコンと違い、コンパクトなうえ、室外機が不要な点が最大の特徴。
本体をAC電源に接続し、付属する外気を取り込むダクトと内気を排出するダクト、水を排出するドレーンホースを取り付けることで、家のエアコンのように使用できます。
冷房モードの場合は、発生した水を蒸発させる機能がついているので、ドレーンホースは不要です。
「WAVE 2」は、最新技術を用いて開発されたコンプレッサーにより、従来モデルを越える冷暖房性能を獲得。冷房モードでは、約30℃、5㎥以下の空間を約5分で10℃下げられ、暖房モードでは約5分で10℃上げられます。
シガーソケットや、同社のソーラーパネルに接続した場合は、ワット数が足りず送風しかできないので、この点だけ注意が必要です。
本体への給電は、AC電源経由のほかに、別売りまたはセット販売されている専用バッテリーパックからも可能。本体の下にスライドさせる形で取り付け、付属の給電ケーブルでバッテリーと本体を繋ぐ仕組みです。
専用バッテリーパックを取り付けると、省エネモードで約7~14時間使用可能。ポータブル電源からの給電もできますが、専用バッテリーパックを使用した方が、28%電力効率が良い設計になっています。
バッテリーパックの充電は、AC電源のほか、シガーソケットや、同社のソーラーパネルから可能です。
「WAVE 2」を冬の車中泊で使ってみた。
「WAVE 2」の基本的な仕様を知ったところで、実際に冬の車中泊シーンで仕様してみました。検証に使用した車両は、日産のキャラバン。特に断熱材などは入れていない純正の状態での使用になります。
給電は、同社の大容量ポータブル電源「DELTA 2」を使用。容量は1,024Whで、「WAVE 2」を暖房モードで最大7時間使用できるスペックとなっています。
まずは、本体の設置について。本体に排気用と吸気用、2つのダクトを接続しこれらを窓の外から出す必要があります。
今回は窓までの高さを合わせるため、収納ボックスを台として使用し、その上に「WAVE 2」を設置しました。
そのほか中に溜まった水を排出するドレーンホースを接続。ドレーンホースの先は2リットルのペットボトルに入れてあります。この日は乾燥していたので、排出される水はごくわずかでした。
キャラバンやハイエースの場合は、後部座席横のスライド窓から出すのがベター。付属の窓パネルを使用しても隙間が開く場合は、プラ段や木材などで、隙間を埋めるパネルを自作する必要があります。
車種によってダクトの出し方が変わってくるので、購入を検討している方は、あらかじめシミュレーションしておくと良いでしょう。
検証を始めた時点での車内の温度は約10℃。設定温度は最大の30℃に設定しどれだけの時間で車内が最大値まで温まるかを検証してみました。
検証結果としては、約15分で19.2℃まで車内の温度が上がり、この値がマックスでした。エアコンを起動する前から約9℃温度が上昇したことになります。
室内の温度や消費電力、残りの使用可能時間はリアルタイムでスマホアプリで確認可能。この辺のインターフェースも見やすく使用感も良かったです。
ただ、1,024Whの容量のバッテリーで、最大の30℃設定で稼働し続けた場合、約2時間ほどしか保たなかったため、ある程度温度が上がった段階で、省エネモードに切り替え設定温度を下げる必要があります。
車中泊の場合、窓や車体に使用されている金属からの冷気も大きいので、断熱カーテンや、内張の断熱加工など、車中泊防寒の基礎対策も並行して行うことで、「WAVE 2」の暖房効果をより高められそうです。
もちろんテント内での使用も快適!
続いては、テント内に台を置き、その上に「WAVE 2」を設置してみました。給電は別売りの専用バッテリーパックから。
専用バッテリーパックを使用した場合、最長約8時間の使用可能となっています。
テントの場合はクルマと違って、テントの下部分やジッパー下からなど、ダクトを出せる箇所が多いので、設置場所には困りませんでした。スカートとスカートの間から出せるとベターです。
車中泊とテント泊どちらにも言えますが、空間が狭ければ狭いほど暖房効率が増すので、大型のテントやシェルターで使用する場合は、使用場所を寝室に絞ったり、カンガルースタイルと組み合わせることで、より効率よく温まれます。
安心安全でオールシーズン、どこでも使える「WAVE 2」。
電源の確保やダクトの位置など、少しハードルはあるものの、灯油やガスを使用した暖房機器よりも、安全面に優れる「WAVE 2」。もちろん夏には冷房として機能するので、オールシーズン活躍する点もストーブにはない魅力です。
すでに大容量のポータプル電源を活用している方や、安心安全に冬キャンプを暖かく過ごしたい方には、有力な選択肢。
車中泊やテント泊以外にも、エアコンのないガレージや小屋など、「WAVE 2」が輝くシーンはまだまだありそうです。自由度の高いエアコンで、アウトドアライフの活動範囲を広げてみましょう!
(問)エコフロージャパン jp.ecoflow.com/
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