「キャンプにはどんなお酒が合うか?」という話になると、必ず名前があがるのが「バーボン」。ウイスキーの中でも特にワイルドで男らしいイメージがあるので、焚き火を囲んで飲みたくなるお酒だ。
とはいえ、“ワイルド” “男らしい” “渋い”というイメージが先行して、知っているようで意外と知らないバーボンの世界。キャンプ好きとして、オトナの男としては、ちゃんと知っておいた方が良さそうだ。
先日、1300種の世界のウイスキーが並ぶバーラウンジ「TOKYO Whisky Library」でバーボンの代表格「ワイルドターキー」の試飲会が開催されると聞いて、さっそく参加してきた。
バーボンの特徴とは!?
数々の映画にも登場し、ロックやストレートで楽しむ姿が描かれているバーボン。バーボンはアメリカのケンタッキー州を中心に作られているウイスキーで、その定義はアメリカの法律で決められている。
ウイスキーは原料となる穀物(大麦や小麦、ライ麦、トウモロコシなど)を発酵させて、蒸留した後に木樽で熟成させたお酒だが、「原料の穀物にトウモロコシを51%以上含むこと」、「内面を焦がしたホワイトオークの新樽を使うこと」など、いくつかの条件をクリアしたものだけがバーボンと呼ばれるのだという。
映画の影響か渋くてかっこいいイメージが強いバーボンだが、実際どんな味わいなのか。今回、バーボンの王道「ワイルドターキー」を試飲会で味わってみた。
ワイルドターキーはアウトドアとの相性抜群!
バーボンの“大人”なイメージからか、とっつきにくいイメージもあるかもしれないが、飲んでみるとむしろその逆。スコッチなどと比べてもかなり強く感じられるバニラやカラメルを思わせる独特な香りのなかに、甘い風味もあってとても飲みやすい。
今回、試飲した「ワイルドターキー 8年」はとても力強くてハイボールにしてもしっかり主張してくれる。「ワイルドターキー 13年」はストレートでも飲みやすいまろやかさが特徴だ。ビーフジャーキーや薫製したオリーブなど、薫製との相性も抜群で、まさにキャンプで飲むのにピッタリなお酒だと感じた。
試飲しながらワイルドターキーの歴史やこだわりを聞いている中で、ワイルドターキーがキャンプなどのアウトドアにピッタリな理由が分かる面白いエピソードを教えてくれた。
1942年、当時の蒸溜所オーナーが自慢のバーボンを七面鳥ハンティングの際に仲間にふるまったところ、これが好評で仲間たちによって「ワイルドターキー」と名付けられたんだとか。まさに、ハンティングのおともとしてアウトドアで飲まれていたお酒。しかも、七面鳥などのお肉料理に合うので、キャンプとの相性は抜群だったのだ。
バーデンダー直伝のキャンプカクテル。
そんなワイルドターキー。もちろんロックやストレートで楽しむのもありだが、カクテルにして仲間にふるまうのもありだ。せっかくなのでキャンプでおすすめのワイルドターキーを使ったカクテルをバーテンダーの経歴を持つ小川尚人さんに教えてもらった。
「バーボンリッキー」
夏におすすめというのが、ジンリッキーのジンの代わりにバーボンを使ったアレンジ。ワイルドターキーをソーダで割り、ライム果汁、シロップを適量加えたカクテルだ。一般的なハイボールよりも男らしく力強い一杯になる。
「ケンタッキーコーヒー」
これから冬のキャンプでおすすめなのがホットカクテルの「ケンタッキーコーヒー」。ホットコーヒー4に対して、ワイルドターキー1を垂らしたカクテル。生クリームを上にのせれば冷めにくくなるので、寒さがこたえる冬キャンプで冷え切った体が温まる一杯だ。
焚き火を囲んで飲みたいワイルドターキー。
フルボディの力強い香りが特徴のワイルドターキー。この香りを生み出すために、オーク樽の内側を焦がす際に最も強く焦がす焼き方をしているそうだ。樽の内側がワニ革に似た見た目になるまで焦がすことからアリゲーター・チャーとも呼ばれるそうだが、焚き火で薪を燃やしていくと、時間とともに薪に浮かび上がるあの模様だ。この焦げが力強いバニラやカラメルの香りを生んでいるという。
キャンプで焚き火を愛でながら、赤身肉や薫製料理をつまみ、火が作り出したバーボンの香りを楽しむ。最高の夜になりそうだ。