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いまこそやっておきたい、アウトドアアイテムのセルフメンテ!【ガソリンランタン編】



おうちで過ごす時間が長く、なかなか外遊びに行けない今こそやっておきたいウエアやギアのメンテナンス。自宅での適切なケアによって、愛用品を長持ちさせることができれば、もっと愛着も湧いてくるはず!


【併せて読みたい】

・いまこそやっておきたい、アウトドアアイテムのセルフメンテ!【穴が空いたウエア編】

・いまこそやっておきたい、アウトドアアイテムのセルフメンテ!【ブーツ編】


 


ガソリンランタンをメンテナンス!


キャンプにマストなランタン。中でもキャンプサイトを隅々まで照らしてくれる明るさと光の温かさ、シュコーッという独特な音も味わい深いガソリンランタンはキャンパーの憧れとも言える。


発売当初から基本的な構造はほとんど変わらないことから、ヴィンテージランタンを探してメンテナンスしながら使う人も多いアイテムだ。



今回はそんなガソリンランタンの代表作、コールマンの「200B」(200Aの復刻版でシーズンズランタンのベースモデルにもなっている)のメンテナンスを実践!


 


教わるのは、GO OUTにも度々登場しているアウトドアの名物コーディネーター牛田浩一さん。







牛田浩一


アウトドア用品の輸入卸会社のマーケティングを経て、アウトドア専門のアタッシュドプレスをメインに行うB.O.Wを創立。著書『キャンプ雑学大全 2020 実用版』も話題に。





「ガソリンランタンは構造がシンプルで、昔のバイクのように自分でメンテナンスできるのが魅力。自分でメンテナンスすれば愛着が沸くし、親から子、子から孫に伝えるくらい長く使い続けられます。ぜひトライしてみてください!」



  • ※下記のメンテナンス方法は編集部調べ。メンテナンス・リペアを実践する際は自己責任にてお願いします。


 


日頃からやっておきたい、3つの基本メンテナンス。


まずは、基本中の基本。シーズンオフなどでしばらくガソリンランタンを使わないときにしておきたいメンテナンスのやり方を教えてもらおう。その前に、まずはガソリンランタンの各部の名称をチェック。



ガソリンランタンの構造は想像以上に分かりやすいため、各部の名称を覚えてしまえば、各ブランドのサイトを参考に自分で分解することも可能だ。


最低限、必要な道具は4つ。


(左から)チェックバルブレンチ、スーパーレンチ、リュブリカント(ポンプカップ専用潤滑油)、残ガソリン抜き取りポンプ。

今回仕様する道具は主にこの4つ。左の2つはランタンの分解に使用するためのもので、右側2つがメンテナンスに必要な道具だ。これらは全部で5000円前後で、ネットで簡単に手に入るものばかりだ。


コールマン製のものがスタンダードとなっており、他のメーカーのものはほとんど出回っていないため、今回はいずれもコールマンのものを使って行っていく。


 


1.燃料を完全に抜いておく。


「タンク内に燃料が残っていると結露によるサビなどトラブルの原因になるので、しばらく使う予定がなければ燃料を完全に抜いておきましょう」。



「ランタンを逆さまにして燃料を抜こうとしても、どうしてもタンク内に燃料が残ってしまう。そんな時には、コールマンから出ている専用の『残ガソリン抜き取りポンプ』を使うと、ポンピングの力を利用して、余ったガソリンを全てガソリン缶に戻すことができますよ」。




Coleman「残ガソリン抜き取りポンプ」


 


2.ホヤとマントルをチェック。



「ホヤにヒビが入っていたら、割れの原因になるので交換しましょう。また、マントルに穴があいていると、穴から炎が出てしまってホヤに無理な熱が加わってガラスが白くなったり、最悪割れてしったりすることもあるので、チェックしておきましょう」。


マントルを交換する場合、マントルのカラ焼きはキャンプ場に行ってから行うのがおすすめ。移動中に衝撃などで破損してしまうこともあるからだ。


 


3.ポンプカップにオイルを注す。


牛田さんが「意外と忘れている人が多いんですよ」と言うのが、ポンプカップへのオイルの注入。



「ポンピングの際に押し込む空気が戻らないようにパッキンの役割を果たす“ポンプカップ”という部品があるんですが、オイルを注さないとこのポンプカップが劣化してしまって、隙間から空気が漏れてタンク内にうまく空気が入りません。ポンピングしてもスカスカしてうまく空気が入らないときの原因のひとつがこれです」。



オイルは、コールマンから出ている“リュブリカント”という専用オイルを使う。ポンプキャップの「OIL」と書かれた穴から2~3滴注入するだけで完了だ。



Coleman「リュブリカント」


これでしばらく使わないときにやっておきたいメンテンナンスは完了。さらに、難しいと思われがちなジェネレーターなどの“部品交換”も自分でできるのがガソリンランタンのいいところ。その方法は、次のページで紹介。


 


次ページは、実は簡単にできる部品交換。


 



 


いざという時のために、覚えておきたいパーツ交換。


基本的なメンテナンスをマスターしたら、もう少し掘り下げて、次はパーツの交換。


「ガソリンランタンは昔のバイクのように構造がシンプルで、自分で部品交換など簡単なリペアもできるのが魅力。構造さえ理解すればそんなに難しくないので、ぜひトライしてみてください」と語る牛田さんに、引き続き、部品交換の方法を教わろう。


部品交換というといろいろな工具が必要なイメージがあるかもしれないが、コールマンから発売されている”スーパーレンチ”さえあれば、ほとんどのメンテナンスが可能。



Coleman「スーパーレンチ」


コールマンのガソリンランタンの場合、交換用の部品も市販されているので、自分で交換することができる。今回は交換する機会が多いポンプまわりとジェネレーターの交換方法を紹介。


 


1.ポンプまわりの部品交換。


牛田さんいわく、一番トラブルが多いのがポンプ周りだという。


「ポンピングの際に空気が戻らないようにパッキンの役割を果たす“ポンプカップ”は消耗品なので交換が必要ですし、ポンピングの際に斜めに押し込んでしまうと、中にある棒状の“エアーステム”が曲がってしまうこともよくあります」。



 


ポンプ周りが壊れてしまうと、ポンピングができず炎が安定しなかったり、燃料が漏れてしまったりと、危険がたくさん。では、どこがどうなっていたら交換すべきなのか? それぞれの部品の交換の目安は以下の通り。


【ポンプ周りのパーツ交換の目安】

・ポンプカップは、ヒビが入ったり変形しているとき。

・エアーステムは、プライヤーなどで戻せないくらい曲がっているとき。

・チェックバルブは、ポンプノブの穴から燃料が漏れているとき。


燃料が漏れているかどうか確認するには、ポンピングした後にポンプノブの穴にライターを近づけてみて、ポンプノブの穴から炎が出たら燃料が漏れている証拠。とても危険なので交換が必要だ。


 


ポンプ周りの分解にはちょっと力が必要。


交換の目安をおさえたら、部品を取り出してチェックする。取り出し方は簡単。



ポンプノブを左に10回以上回すと、内部でチェックバルブ(一番奥にある逆止弁)からエアーステム(棒状の部品)が外れる。


さらにラジオペンチなどを使ってポンプキャップを緩めれば、ポンププランジャー一式が取り出せる。(286Aなど現行モデルではラジオペンチを使わず、スーパーレンチで外すことができる)



取り出したらまずはポンプカップをチェック。ポンプカップが破損したり変形したりしている場合は新品に交換。


エアーステムも曲がっていたら交換する。また、交換用のエアーステムは、チェックバルブ(加圧した空気の逆流を防止する逆止弁)とセットになっているのでチェックバルブも同時に交換にしてもいい。



上の写真が取り出したチェックバルブ。チェックバルブを燃料タンクから外すには専用工具の”チェックバルブレンチ”が必要となる。



チェックバルブはポンプ部にレンチを差し込み、反時計回りに回せば取り出せるが、これにはなかなかの力が必要。男性であればなんとか素手で回すことができるが、女性では難しいかも知れない。


どうしても回せない場合はゴムハンマーなどで叩いてやれば回しやすくなるので、力に自信がない人は事前に用意しておきたい。



Coleman「チェックバルブレンチ」


「ポンプ周りのメンテを行えば、内圧がしっかりかかり、燃焼ムラが無くなり頻繁にポンピングする必要もなくなりますよ」と牛田さん。使用時の手間もカットできるため、定期的に点検したいところ。


 


2.ジェネレーターの交換。


お次は、ポンピングの空気圧によって流れたガソリンを気化させる装置“ジェネレーター”の交換について。


「点火しにくい、完全燃焼しない、いつもより火力が弱いなどのトラブルは、燃料のガソリンを気化させる“ジェネレーター”が原因の場合があります。ジェネレーターも交換することができます」。



【ジェネレーター交換の目安】

・点火しにくいとき

・いつもより火力が弱いとき

・火力調整ができないとき


ジェネレーターも消耗品。調子が悪くなるとガソリンの気化能力が落ち、光量の調整ができなくなってしまうので、交換する必要がある部品だ。これもできれば覚えておきたい。


ジェネレーターを取り出しは意外と簡単!


ジェネレーターを交換する場合、まずタンク内の空気圧を抜いておく。続いて、ランタン上部のベンチレーター、ホヤ、ヒートシールドを外す。



スーパーレンチを使ってフレームナットを緩め、フレームナットのしたにあるUクリップを外すとバーナーアッシーが抜き取れる。



さらに、ジャムナットを緩めればジェネレーターを取り外すことができる。


ジェネレーターを新品と交換したら逆の手順で元通りに戻せば完了だ。


 


実際にメンテナンスするときはコールマンのサイトも参考に。


手を入れるほど愛着が沸いてくるガソリンランタンのメンテナンス方法を牛田浩一さんに教わりました。


「今回はパーツの“交換”をベースに紹介しました。各パーツもびっくりするような金額ではなく、手軽で間違いがないという点からですが、ジェネレーターやチェックバルブは自分で洗浄することもできます。これはまたの機会に」。


部品交換に関しては、簡単な流れの紹介になったが、さらに細かい手順はコールマンのWEBサイトでも確認できるので、実際にメンテナンスをする際にはぜひそちらも参考になる。


ガソリンランタンは、メンテナンスしながら使う一生モノ。今しっかりメンテンナンスしておけば、次にキャンプをする時には、いつもより明るい光でサイトを照らしてくれることだろう。


 


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