平和のシンボルをモチーフにした腕時計、マストタンク
《Cartier（カルティエ）》は1847年にフランス、パリにてルイ＝フランソワ・カルティエが創業、フランス王室貴族御用達の栄誉を得た、世界的なラグジュアリーブランドです。今回ピックアップしているのは、そんなカルティエのヴィンテージ腕時計「must de Cartiertank（マストタンク）」です。1917年に考案され、イヴ・サンローランやアランドロンなどフランス国内でも多くの著名人が愛用した時計として知られている、カルティエのタンクシリーズ。シリーズには複数のタイプが揃いますが、いずれも第一次世界大戦が終結する際に活躍した戦車がモチーフになっています。真上から見たときに戦車本体からはみ出して見えキャタピラ（車輪）がイメージソースだそうで、スクエアのケースの両サイドを上下に延長させてラグ（本体から突き出た爪の部分。本体とベルトを繋ぐ部分）と一体化させてあるのが特徴です。タンクシリーズのなかでも、ヴェルメイユという手法でシルバー925ベースに厚い金張りを施すことで比較的手に入れやすい価格に設定され、1970年代から2000年代初頭まで展開していたのが“マストタンク”です。現在は生産が終了してしまっているために、アンティークウォッチの中でも非常に支持率の高いものとしてよく知られています。
きりっとした美しさを腕に纏う、タンキストに憧れて
戦車がモチーフになっているという少々男性的なエピソードに反した、レディなたたずまい。文字盤を覆う風防（ガラス）がわずかに丸みを帯びていて、イエローゴールドのケースはひんやりと美しい。きちんと見せたい日には心強いパートナーになってくれるし、カジュアルな装いの日にはラフに見えすぎないサポーターになってくれる――マストタンクの凛とした雰囲気は大人に向かうためのスタイルを模索するFUDGE GIRLにせひ知ってほしい存在です。
時計￥238000／vintage Cartier（コンティニュエ エクストラ・スペース）
【お問い合わせ先】
コンティニュエ エクストラ・スペース 03-3792-8979
3月12日発売の『FUDGE』4月号は、毎年恒例のパリ特集。今年の春は、いつもよりちょっとクラシカルな気分だから、レディなパリジェンヌスタイルにチャレンジしてみるのはいかが？ふだんのベーシックなコーディネートに加えるだけで完成する、上品でエスプリの効いたアイテムをご紹介していきます。
photograph_Azuma Kyosuke（tokyojork/model), Ichihara Keiko(still)
styling_Kiyomiya Mio
hair&make-up_Murakami Aya
model_Piper Badaracco
text_Koba.A
edit_Oguchi Eiko
