関節を動かすのが筋肉の役目。そんな筋肉の収縮は2つに分類できます。筋肉が縮みながら力を発揮するコンセントリック収縮と、筋肉が伸びながら力を発揮するエキセントリック収縮です。それぞれ短縮性収縮と伸張性収縮とも呼ばれます。効率のいい筋トレにはエキセントリック収縮が大切です。
エネルギー効率のいいのが遅筋
何かを自分に引き寄せたり、重いものを持ち上げたりするような日常的な動作のほとんどはコンセントリックな筋収縮。コンセントリック収縮では、最初にエネルギー効率のいい遅筋が使われ、負荷が大きくなると速筋が使われます。
遅筋と速筋とは、筋肉を構成する筋繊維の種類。遅筋は収縮速度が遅いものの、持久力にすぐれている筋線維です。一方、速筋は強く速く収縮するものの、疲れやすいという特徴があります。
一方のエキセントリック収縮は、筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する動作です。わかりやすくいえば、筋トレで持ち上げたダンベルを戻す動作。日常生活でいえば、階段を下りるときに太ももの筋肉が引き延ばされながら力を発揮する動きです。
効率のいい筋トレは速筋を鍛える
エキセントリック収縮では、負荷が小さくても収縮の速い速筋が優先的に使われます。これは筋肉がブレーキの役割を果たしながら力を発揮するため、確実にブレーキをかけられるように速筋を使うわけです。
効率のいい筋トレのターゲットとなるのは速筋。筋肉を太くするためには、速筋を鍛える必要があります。遅筋をいくら鍛えても筋肉は太くなりません。短距離ランナーと長距離ランナーの筋肉の付き方を見れば、それは一目瞭然です。
その意味で、エキセントリック収縮は速筋をダイレクトに鍛えられるということ。よく効率のいい筋トレに「1秒で上げて2秒で戻す」など戻す動作に2倍の時間をかけるのは、エキセントリック収縮でピンポイントで速筋を鍛えるためです。
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