1899年は人類と頭痛の戦いの中でも歴史的な年です。アスピリンが世に出ました。いまでも頭痛薬の成分として現役で使われています。そして、2000年にはトリプタンという新しい薬が出現。偏頭痛の特効薬になります。さらに、雪だるま式に悪化する偏頭痛は予防薬が効果的であることがわかったのです。
偏頭痛の痛みが出る前に予防薬
現在、まったく新しい頭痛薬の飲み方が考案されています。これまで偏頭痛の薬は頭痛がおきてから飲無というのが常識でした。しかし、新しい頭痛薬は痛みが出る前に飲むようにするもの。いわば頭痛の予防薬です。
そもそも偏頭痛がなぜおきるかを見ていきましょう。脳にある血管はそのまわりを神経が取り巻いています。ここで何らかの原因で血管が広がって神経を刺激すると、痛みがおこるというわけです。
脳の視床は体のさまざまな刺激を受け止める部分。視床が痛いと感じると、脳に痛みを知らせます。このとき、私たちは痛みを感じるというわけです。偏頭痛も同じような過程をへて痛みを感じています。
予防薬で悪化する偏頭痛を治療
ここで頭痛薬は、視床への痛み信号をブロックするのです。痛みを感じなくなっているうちに、偏頭痛の原因であった血管の広がりも収縮。偏頭痛自体も治ってひと段落となるわけです。
ところが、これだけでは安心できません。場合によっては、雪だるま式に頭痛が悪くなる危険があります。それが視床がボロボロになっておかしくなる現象。頭痛薬で刺激を弱めても、その刺激すら痛みとして感じてしまう場合があるのです。
そして、どんどん悪化する偏頭痛の治療に使われるのが頭痛の予防薬。通常の頭痛薬は痛くなったら飲みますが、頭痛の予防薬は痛みが出ていなくても定期的に服用します。こうして視床への刺激をカットして、視床を正常な状態にするのです。
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