市販の体脂肪計は手足に電気を流して、その電気抵抗を測定することで体脂肪率を推定しています。体脂肪計の数値はあくまで推定値。体脂肪計は、体脂肪率を直接測定しているわけではありません。このため、体脂肪計は運動後に測ると体脂肪率が低く出る傾向があるのです。
体脂肪計は脂肪の電気抵抗を利用
手で持つタイプの体脂肪計は右手から左手に電気を流し、裸足で台に乗るタイプは右足から左足に電気を流しています。両手両足を使って計測する体脂肪計は、さらに電流の経路が増えているのです。
人間の体の電気抵抗は含水量に依存するもの。脂肪組織は文字どおり「脂(あぶら)」ですから、ほとんど水を含んでいません。脂肪の含水率は20%程度です。一方で筋肉などのほかの組織は含水率が高くて80%程度になります。
この性質を利用しているのが体脂肪計というわけ。そもそも水は電気を通しやすい物質です。このため、脂肪が多いと含水量が少ないために電気抵抗が高くなります。逆に脂肪が少ないと含水量が多いので電気抵抗は低くなるのです。
体脂肪計は食後は増で運動後は減
電気抵抗は脂肪のほか、電流が通る経路の長さや太さも関係しています。体脂肪計に身長や体重といったデータを入力するのはこれが理由。こうして体脂肪計は、体脂肪率を推定するわけです。
ただし、手足の含水量は一定ではありません。食後は胃腸に血液が集まるので、手足の含水量は減ります。運動後は保水作用で含水量が増えるのです。体脂肪計は食後は体脂肪率が増え、運動後は減ったように測定される傾向があります。
このため、1日に何度も体脂肪計に乗って一喜一憂するのはナンセンス。体脂肪計を使うときは、できるだけ体内の状態を揃える必要があります。起床時が条件を合わせやすいので、体脂肪計は通常、起床時の測定が推奨されているのです。
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