腕立て伏せを毎日100回やっていても、なかなか筋肥大がおきないと悩んでいる人もいるでしょう。じつは、何十回も筋トレをしても筋肥大がおきないのには理由があります。筋肥大で筋肉を太くするならなら、最大で10回しかできないレベルの負荷をかけて速筋を鍛えることが必要なのでした。
筋肥大しやすい筋線維は速筋
筋肉は筋線維というごく細い線維の集まりで構成されています。そして、1つの筋肉には力が強くて持続力がない「速筋」線維と、力が弱くて持続力のある「遅筋」線維が混じっているのです。
このうち、筋肥大しやすい筋線維は遅筋ではなく速筋。それは陸上競技の短距離走と長距離走のランナーの筋肉のつき方の違いを見れば一目瞭然です。
短距離ランナーは短時間で強い力を発揮する速筋が発達。ムキムキになった下半身の筋肉を一度は目にしたことがあるはずです。一方の長距離ランナーは長時間で弱い力を発揮する遅筋が発達。逆に筋肉ムキムキというより、引き締まった筋肉のイメージがあるはずです。
筋肥大は遅筋を鍛えてもおきない
筋トレでは、最大に反復できる重さを「最大反復可能重量」もしくは「1RM」といいます。「RM」とは「Repetition Max」の略です。一般的に、筋肉を肥大させるには1RMの80%の重量を最大10回反復するのが効率的とされています。
1RMの80%の重さで筋トレする場合、おもに働くのは短時間で強い力を発揮する速筋。これが1RMの80%未満と軽くなって反復回数が増えると、鍛えられるのは遅筋になってしまうのです。
ここで腕立て伏せが100回できるということは、鍛えているのは遅筋ということ。筋肥大は遅筋を鍛えてもおきません。筋肥大をおこすには、足の位置を高くするなどして負荷を上げ、最大10回できるくらいの負荷にする必要があるのです。