厚い胸板を作る大胸筋の筋トレとしてはベンチプレスがよく知られています。しかし、ただベンチプレスをするだけでは大胸筋をまんべんなく鍛えることはできません。厚い胸板にはとくに大胸筋上部が重要。大胸筋上部を鍛えるには、インクライン・ベンチプレスを行う必要があります。
大胸筋の上部は上向きに押し出す
上腕を肩関節まわりに動かす大胸筋は、扇形の形をしていろいろな方向に筋肉が走っています。このため、大胸筋全体をまんべんなく鍛えるには、筋肉の方向に合わせていろいろな方向の動作の筋トレを行わなければなりません。
通常の平らなベンチで行うベンチプレスはフラット・ベンチプレスと呼ばれます。このとき、ほぼ前向きに押し出す方向になるため、大胸筋の中部がおもに鍛えられるというわけです。
大胸筋の上部は、上腕をやや上向きに押し出す方向の力を発揮するときに使われます。このため、上向き方向にあまり負荷のかからないフラット・弁tプレスだけでは、大胸筋の上部は発達させられません。
大胸筋上部はインクラインベンチ
大胸筋上部を重点的に鍛えるなら、その方向にあわせたインライン・ベンチプレスが有効です。インクラインとは日本語で「傾斜」という意味。背もたれが斜めになっているインクラインベンチを使って行います。
インクラインベンチに座ってバーベルを真上に上げると、動作としては斜め上方向に押し出す動きになるというわけ。だからこそ、インクライン・ベンチプレスは大胸筋上部を重点的に筋トレできるのです。
逆に、大胸筋下部を鍛えるならデクライン・ベンチプレスを行います。平らなベンチに横になったら両足を揃えて乗せて、ややブリッジをして背中を浮かせた状態でベンチプレスを行うのです。