レアなモデルはオークションサイトで非常に高値で取引されているなど、日本でも一大ブームを巻き起こしているスニーカーですが、アメリカでは個々のモデルごとに板が存在し、リアルタイムに売買を行うスニーカー版株式市場とも呼ぶべきサービス「stockX」が存在します。
stockXは特に希少性の高いスニーカーが需要と供給に応じて価格変動しながら売買されており、このほど同サービスでは、ここ数年のアディダスの躍進についてまとめたデータを公開しています。
スニーカー界において両雄と言われるアディダスとナイキですが、2014年時点では圧倒的にナイキが人気を誇り、stockX内での取引総額はアディダスの人気4モデルを合計してもナイキの1モデルにはるか遠く及ばない状況でした。
リセール市場におけるブランドごとの取引総額の比率を見てもその差は圧倒的。ナイキとアディダスのスニーカーの間には本来の価格とは違った、大きな価値の開きがあったのです。
ここに彗星の如く現れたのが、アディダスとアーティストであるカニエ・ウエスト協業による「YEEZY」の登場です。ナイキでもこれまで多くのコラボレーションモデルが展開されて来ましたが、2015年2月のYEEZYの登場で市場は拮抗していくことになります。
YEEZYの登場でアディダスのリセール市場における取引額比率が大幅に上昇します。
既存のスニーカーにはない洗練されたデザインのYEEZYが登場したことで、スニーカーのトレンドも大きく変化したと言えそうです。
YEEZYの登場に加え、アディダスはソールの開発に長い年月を要した「ウルトラ・ブースト」を発売。これが大ヒットしますが、再販され量産化されたことでリセール市場での価値は下落します。ここで登場したのが、2015年に発売されたニューモデル「NMD」です。
NMDは瞬く間に全世界で大ヒットし、ナイキの人気モデル「ジョーダン」を凌ぐ取引額で販売されるようになります。
アディダスのスニーカーの市場取引総額のうち、75%はYEEZY、14%がNMD、そのあとにウルトラブーストなどが続きます。
市場におけるアディダスの比率は2年前に比べ30倍に上昇し、今後はより拮抗してくるかもしれません。
ウルトラブーストのカラーウェイごとの取引金額ランキング。
NMDはレッドカラーが圧倒的に希少性が高く、その後にはマスター・マインドやファレル・ウィリアムスとのコラボレーションモデルなどが続きます。
現在も多くのファンを魅了しているスニーカーですが、今後の新しいラインナップ、コラボレーションにも期待したいですね。