「お客様の確実な成果に特化したデジタルマーケティングカンパニー」を目指す『PLAN-B』が運営するメディア『エラベル』が、全国の成人男女1231人を対象に行ったアンケート調査「(大人が)なりたい職業」のランキング結果を発表──その1位が「(Web)ライター」であっとことは昨日ここcitrusに寄稿した私のコラムでお伝えした。
では、同調査で「なりたい職業」として「(Web)ライター」に一票を投じた人たちは、一体(Web)ライターの“年収”をいくら程度と想定しているのだろう?
「好きな仕事だから自分一人が細々と食えりゃいい」ってことで200万〜300万円あたり? それとも「(原則として)フリーランスなんだから、せめてサラリーマンの平均年収よりはちょい高めで…」ってことで500万〜600万あたり? あるいは「イッパツ当てて売れっ子になれば…」ってことで1千万円の大台超え……?
結論から申し上げると、(Web)ライター“だけ”で年収1千万円はまあ100%不可能。年に500万〜600万円稼ぐのも相当数の“発注”と、その要求に「次もお願いします」レベルで応えられるスピードをはじめとする文章スキル……加えてプライベートの大半を執筆に費やすだけの過酷なスケジュールを覚悟しなければ、かなり厳しいのが悲しいかな、現状である。
ようやくネット上でも「良質な原稿とクズのような原稿」の棲み分けが進みはじめてきたのか、プロフェッショナルな(Web)ライターの報酬額に関しては、総じて上昇の傾向にある。たしかに、最近は一本の原稿料が3万円や5万円、稀に10万円……なんてケースもなくはない。
しかし、これだけの高額なギャラをポンと払ってくださるのは、ほぼすべてが“広告案件”──つまり、入念な取材を行ったうえで、一分(いちぶ)のスキもない高い精度の原稿を書き上げ、しかもそこから何度も何度もクライアント様の修正依頼を無条件で受け入れ、より研磨を重ねていかなければならない。依頼を受けてから、打ち合わせ→取材→執筆→修正→修正→修正……と、一本の原稿がアップされてまで1ヶ月近くの時間と労力を要する……なんてケースもザラ! 仮に、心身ともにヘトヘトになってしまうこの手の仕事が月に10本入ってきたとしても月収は30万円、年収にすれば400万円にも達しない。
前出のアンケート調査で「(Web)ライターになりたい理由」として、「誰かをちょっとクスッと笑わせる事ができる事ができる優しさと面白さがあふれた文章を書けるようになりたい」みたいなことを書いていた人がいたが、これはおそらくエッセイやコラムといった私的な短い散文をイメージしていると推測できる。
ただ、ネット上に寄稿するエッセイやコラムの報酬額は、いまだ“据え置き”──本3千円とか5千円とか……よほど金払いのいい版元でもせいぜい1万円ってとこで、仮に、土日祝日も休まず毎日一本ずつ寄稿したとしても、月収は10万弱〜15万円。星の数ほどの有象無象な“文章”が蠢き、下手すりゃ女子高生のSNSとも同列に扱われかねないインターネットの世界においては、極私的な想いを吐露するたぐいの原稿は、それこそ村上春樹先生クラスじゃないと需要は薄い。需要が薄けりゃギャラも安い。となれば、コラムやエッセイは自分の名前を売るためのものと割り切り、その“宣伝活動”から“割高”な仕事をゲットし、さらにはそれらを糧に素人ネットメディアのテコ入れとしての編集作業だとか、イイ感じに我々のことを勘違いしてくださっている方々を集めた講演だとか、怪しいコンサルだとか、空いた時間を利用しての(マンウォッチングも兼ねた)コンビニシフトだとか……の“バイト”に精を出すしか「年収500万円超え」への道は開かれないのだ。こういった「どこにでも転べる」という曖昧でフレキシブルなスタンスこそが、(Web)ライター唯一の強みなのだから……?
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