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ボディバランスに優れた相手を「同じ人間とは思えません」と称えるのもアウト? 今は“褒めること”にも敏感になるべき時代…というのは本当なのか?




 



ネットサーフィンをしていたら、不思議な読後感のみが残る記事に出会ってしまった。



 



ネット版の『夕刊フジ』が配信していたもので、タイトルは『やらかしたNHK「人の見かけ」に鈍感な日本メディアの危うさ』



 



前半は、NHKの国際ニュース番組『これでわかった! 世界のいま』の公式ツイッターに掲載された「白人と黒人の格差」を解説する動画に、「表現が不適切」との批判が集まっていた問題に関して、NHKが6月9日にこの動画を削除するとともに「掲載にあたっての配慮が欠け、不快な思いをされた方にお詫びいたします」と謝罪した件について言及した内容であった。それはそれでいい。ところがその後半、唐突に



 




「日本のメディアは、人種もそうですが、人の見かけに鈍感。それは時代遅れ」






 ……と、謎の無記名ウェブサイト記者が問題提起。なぜか、先日テレビ朝日で放送されたらしい、とある番宣をいきなり持ち出してきて「不快感だった」との見解を。そして、その「不快感の理由」を、また謎の無記名コメンテーター『業界ウォッチャーX』なる人物が、



 




「俳優の内藤剛志が、悪気はないんでしょうけど、共演した菜々緒と間宮祥太郎の美しさ、かっこよさをたたえて『同じ人間だとは思えません』と言っていた。菜々緒は戸惑っていたいたし、危険すぎるコメントですよね。見かけをけなすのは問題外ですが、ほめるのも実は問題なんです。いろいろ修正していかないといけない敏感な時代だと思いますよ」






 ……と、よくわからない文脈で解説しつつ警鐘を鳴らしていた。



 



そうなのか……菜々緒や間宮祥太郎を「同じ人間とは思えない」と褒め称えるのも「危険すぎる」のか……。じゃあ、私もここ数日だけで、れっきとした「日本のメディア」の一つに属するこのcitrusで、「人の見かけ」について散々書き殴ってしまった。完璧アウトである。



 



たとえば、『「身長178㎝が女性にとって理想の身長説」について身長171㎝の筆者が考察してみた』というコラムでは、

 




私が懇意にしている、草野球のチームメイトでもある編集者のFクンは身長192㎝で、(中略)ボディバランス一つ取っても別の生き物──生まれた国どころか星や生態系までが異なっているかのごとく……だったりする。






 ……なんてことを書いた。「同じ人間」どころか異星人扱い(笑)。あと、『「好きなタレントの顔は?」と問われて、淀みなく回答できる準備がマストな件について』というコラムでは、



 




そう。私は、全身からエロなオーラを発散し、それが隙(スキ)として表情からもにじみ出ているような顔の女性が好きなのだ。






 ……みたいなことも書いている。タイトルからして、まさに「人の見かけ」のみに特化した原稿のオン・パレードではないか! なるほど……私はもう「時代遅れ」なマスコミ人、コラムニストなわけですな……とりあえずは謝っておこう。どーもすいませんm(_ _)m くわばらくわばら……。



 



それにしたって、「人の見ため」に対し「けなしてもダメ」なのはまだ理解できるが、「褒めてもダメ」って……つまり「人の外見については、もはやなにも語ってはいけない時代」へと凸入したってことなのか? もし、それが本当なら、なんとも息苦しい、「鈍感」ではなく「過敏」な「時代」になってしまったものだ。


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