スニーカーでも許されるシーンは拡大する一方。ついにキャビンアテンダントの制服にもスニーカーが採用されました。LCC(格安航空会社)のジップエア(ZIPAIR)が新しいユニホームに白と黒のスニーカーを取り入れたのです。朝日新聞の記事「日航新LCC、制服にスニーカー採用 動きやすさを重視」によると、パフォーマンス向上のためにスニーカーを採用することになったようです。
手がけたのはファッションデザイナーの堀内太郎氏。空港でのスタッフの動きを観察してスニーカーの採用を思い立ったそう。スタッフのパフォーマンスをあげるためには、動きにくいパンプスや革靴よりも、スニーカーのほうが有効なのは明らかです。固定概念から離れ、自由な発想で靴を選んだ好例だと言えます。
■就職活動はスニーカーでOKと提案する企業まで登場
革靴やパンプスがお決まりのシーンとしては就職活動も挙げられます。ただ最近、ジョンソン・エンド・ジョンソンがスニーカーでの就職活動を解禁しました。絆創膏ブランド「バンドエイド®キズパワーパッド™」のキャンペーンとして「#スニ活」を提案したのです。その背景に関しては公式サイトで語られています。
靴ずれの痛みをやわらげるのは、 BAND-AID®キズパワーパッド™。
けれど、靴ずれしないことが一番です。
そこでBAND-AID®は革靴にとらわれず、ご自身が快適に感じる靴を選べる、
多様性のある就職活動を提唱しています。
就活というあなたの大切なライフイベントを、靴ずれから守りたい。
靴ずれのせいで、ありのままの自分を出せない人をひとりでも減らしたい。
それが、私たちの思いです。
リクルートスーツにもスニーカーを合わせてみては?と企業側が提案するのは画期的。靴ずれによって受験者が面接や筆記試験に集中できない事態を避けるためには合理的とも言えます。
■スニーカーを履いて長めに歩くと効能がある
疲れにくくて動きやすく靴ずれが起きにくいスニーカーは、歩く際のデメリットを解消してくれます(もともと運動するための靴ですから当然と言えば当然です)。そして、より長く歩くだけで生活習慣病や生活機能低下のリスクが低減できるという研究結果があります。効能を踏まえ、昨年はスポーツ庁が『FUN+WALK PROJECT』キャンペーンを展開しました。スニーカー通勤によって健康増進を図るのが狙いです。
スニーカー通勤について医師が解説した記事によれば、1日10分くらい歩く時間を増やすだけで健康的な効果があると科学的に立証されているとか。「運動は奇跡の薬」と表現できるとも紹介されています。
■メリットがあって汎用性も高いスニーカーを活用すべき
私も以前は、大人なら上質な革靴やレザーブーツを履かないと……という固定概念を持っていました。でも、今はほとんどスニーカー。歩くのが苦になりませんし、靴ずれなどで足を痛めることもなくなりました。外出先のカフェなどで仕事をする際もリラックスできて集中しやすくなったと感じています。
今やキャビンアテンダントや就活生もスニーカーを履く時代。ここまでスニーカーが市民権を得た背景としては、東日本大震災が契機のひとつとも言われています。長い距離を歩いて帰宅しなければならない突発的な状況が発生し、革靴やパンプスの“運動には不向き”という短所が露呈してしまったのです。
オフィスなどの服装がカジュアル化している傾向もスニーカーの地位向上に貢献しています。ノームコア(究極的に普通な格好)やスポーツMIXといったファッションのトレンドが盛り上がり、そうしたスタイルに用いられるスニーカーの人気も高まりました。ただし、トレンドが下火になってもスニーカーが許容される領域は広がったままです。
いったんスニーカーでOKとなったドレスコードが逆戻りすることはないでしょう。なぜなら、動きやすくて足への負担が少ないスニーカーを選ぶ方が合理的だから。積極的に歩くことで健康上の効果も望めますし、状況が許す限りスニーカーを選んでみてはいかがでしょうか?