『LINEモバイル』のCMに出演するファッションモデル兼女優の本田翼(26)が、やたら可愛いくて、テレビで流れたらつい釘付けになってしまう。
ベッドの上で「起きてってば〜!」とイチャついてくる『LIFULL HOME’S』のCMは心もち鼻につく感じもしなくはないが、「らいんもば・いる♪」と歌いながら踊る姿は、むっちゃいい。とくに、ナースやポリスや若奥さんのコスプレバージョンで、ポリススタイルのとき「ぴ〜っ」と笛を吹く表情が最高だ。日本全国の皆さまも私と同じ感想をお持ちなのかと高を括っていたら、驚くべきことに
・ 踊りがヘンテコ
・ ドヤ顔がウザい
・ 歌が下手すぎ
……などの理由で、このCMを「不快」とするヒトたちも少なからず実在するみたいである。あと、ネット上には
本田翼は好きだけど、LINEモバイルのCMは嫌いだなーと思っていたら、上司が最近のお気に入りと言っていた。…そうか。
……なんて意見もあった。なるほど! アレって、女子が男に接する際に「おじさん」と「おにいさん」との境目を分けるリトマス試験紙的な役割も果たしているのか……と、妙に納得してしまった。こーいう「あざとさがギリギリのバランスで寸止めされている可愛さ」って、たしかにおじさんの大好物ですから。そして、私も決して例外ではなく、まんまと術中にハマってしまったってことですな。まあいっか……下手すりゃ「おじさん」どころか「おじいさん」扱いされかねない、まもなく還暦を迎える私が「本田翼」を知っているってだけで「おじさん」に踏みとどまれるなら……?
さて。本田翼を「是」とするか「非」とするかの議論はここらへんでそろそろやめておく。いずれにせよ、こんだけの賛否両論がちまたに出回っているということは、「話題になっている」ってことに間違いはないわけで、コンプライアンス的な問題を指摘されたり、本田自身のスキャンダルが表立ったりしないかぎり、今回のキャスティング・ディレクションは大成功だった……と、評価してかまわないのではなかろうか。
しかも、起用している原曲は、説明するまでもなくドリフターズの『いい湯だな』。LINEモバイルだけではなく、Yモバイルの『YOUNG MAN(YMCA)』(西城秀樹)、UQモバイルの『UFO』(ピンクレディ)……など、新規参入のモバイル系CMは、どれもこれもすべて「昭和歌謡」頼りである。
やっぱり「docomo様やSoftBank様やau様と張り合うには、とりあえずユーザーに名前を覚えてもらわなければ始まらない」といった事情を持つ後発の“ブランド”にとって、メロディがシンプルで、歌詞が小節内にギュウギュウと詰まっていない(=結果として“間”を重視した)、リアル世代じゃなくともなんとなく口ずさめる昭和のメガヒット曲は“最強”なんだろう。それにこれらのモバイルにとってシニア層って、案外重要なターゲットなのかもしれないし……。
ただ、メロディがシンプルで、歌詞が小節内に詰まりすぎていない名曲は、平成のJ-POPにもわりとあるんですけどね。しかし、それらになくて昭和歌謡にあるモノとは……私は「愚直」を背景とする、ある種の「ベタさ」だと考える。だってJ-POPって、どんなに野暮ったい風を装っていても、なんか洗練されてるじゃないですか。歌詞一つ取っても、歌唱法にしても……。また、洗練されたものは得てして頭にこびりつきにくい。対する、たとえば『UFO』の歌詞にある「地球の〜オトコに〜飽きたところよ〜♪」とかって、ベタベタを通り越して、もはやシュールの領域──そりゃあ、一度耳にすれば絶対に忘れられんわ……と思いません?