『@DIME』が『独身でいることで享受できる7つのメリット』なるタイトルの、海外で行われた「結婚」に関するいくつかの研究結果を翻訳したような記事を掲載していた。
キプロス・ニコシア大学の進化心理学者であるメネラオス・アポストロウ氏による
結婚するのが当たり前で、周囲が何かと“お膳立て”してくれていたかつての時代とは違い、現代は基本的にすべては本人の意志である。したがって今日の男性には異性に対する社交スキルが求められているのに、大多数の男性はそうしたことを学ぶことなく今日まで来てしまった
……という「男女の出会いのミスマッチ」を指摘したうえで、それでも「シングル」を前向きに考えるのであれば、独身者のほうが
(1) 運動量が多い
(2) 身体を労っている
(3) 挑戦ができる
(4) 食生活が健康
(5) 友人関係が長く続く
(6) 自己破産のリスクが低い
(7) 自分の人生を楽しめる
……などのメリットもありますよ、と比較的リベラルな視点をもって「結婚しない(できない)男性」に、緩やかなエールを贈っている。
個人的には、(5)の「友人関係が長く続く」以外はどれも「未既婚問わず、個人の気の持ちよう次第」って感じもしなくはない脆弱で頼りない内容ばかりだけれど、今日のところは私も一応、シングル側の肩入れってことで、すでにその“両方”を経験済みであるゴメスのメタ認知的視点(※自身の思考・感情や周囲の状況を客観的に評価し、それをコントロールすること。自分の言動を空の上から神様の目線で見るようなこと)から、独身者のメリットってやつを3つほど、多少強引に炙り出してみよう。
1. 好きになった女性を「結婚」を前提に口説くことができる
「既婚者は余裕があるからモテる」なんてことはよく言われるが、男女のおたがいがワンナイトラブでOK、もしくはセフレとして割り切れるならば、その定則もたしかにまかりとおる。しかし、「このヒトと(ある程度)真剣にお付き合いしたい→他の男に抱かれたくない」とまで相手に惚れ込んでしまった場合、やはり既婚者は「拘束力」の面で、どう足掻いても独身者にはかなわない。「妻とは離婚してオマエと結婚するから」みたいにせまってくる男は、たいがいズルズル別れないままで、結局は不倫の泥沼にハマってしまうケースが大半……ってことくらい、女性側も薄々は見抜いているのだ。
2. 「家来ない?」という口説き文句が使える(※実家暮らしの男性は除く)
当たり前の話だが、既婚者は「家なき子」──正確な表現をすれば、別宅をかまえられるクラスの金持ちでもないかぎり「妻や子どもがいる家しかない」のである。となれば、自明の理として女性と一夜を明かす際は、シティーホテル・ラブホテル・お忍び旅行に限定される。すなわち、どうスマートにお泊まりに誘ったところで、いささかの不自然さは拭えないのだ。妻への言い訳も懸命に考えなきゃならないし……。
3. ファッションに対して敏感でい続けられる
結婚すれば、基本は外見への心配りも無頓着になる。お洒落系の雑誌とかには、休日もスキのないファッションで近所にお出かけする意識高い系夫婦が登場したりもしているが、そんなダンディ夫も自宅じゃ絶対にジャージはいてますから。プライベートで外出するときは同じ服ばっか着てますから! 逆に言えば、その手の油断を許されることこそが結婚の醍醐味なのだ。
ただ、以上に私が挙げたのはすべて、「あくまで女性と接する機会に恵まれている男性」のみに通用するメリットであり、しかもその“機会”は一般論だと加齢するほど激減する。ゆえに、もしできるならできるときに、一度は結婚しといたほうがいいのでは……と、まもなく還暦を迎える私は強く念を押しておきたい。マジ、50歳越えてからの独り身は淋しいっすよ〜。あ、駅のトイレにスマホ忘れてきちゃった!