結婚したくて友人に紹介してもらったり相談所に登録したりと、必死に努力しているのに結婚できないと嘆く男性がいる。
■結婚したくてたまらない
「今すぐにでも結婚したいんですよ」
会うなりド迫力でそう言うアツシさん(44歳)。もう時間がないんだと続ける。彼の必死さが伝わってくるが、この勢いで言われたら女性は引くのではないかと気になった。
「いや、合コンのときなどはあまり結婚したいと騒ぎませんよ(笑)。女性にドン引きされるのはわかっているから。でも本音を言えば、心から結婚したいと思っているんです。どうして女性には伝わらないんでしょうか」
名の知れた会社に正社員として勤めている。給料もそんなに悪いわけではない。貯金もそこそこあるし、見た目だってとんでもなく悪いわけではない。彼は立て続けにそう言った。彼の言うことは正しい。
「2年前から結婚相談所にも登録しています。カウンセラーの言うように、女性と会うときは相手の気持ちを優先するよう努力してきました。でもなかなかデートを重ねることができないんです」
彼は何のために結婚したいのだろう。
■願望は強くても動機が弱い
結婚に踏み切るには勢いとタイミングが大きい。大事なのはその前のプロセスだ。知り合っていくうちに、この人となら一緒にやっていけそうだとお互いに思わなければ、勢いもタイミングも引き寄せることはできない。だからこそ、結婚したいと考える動機を尋ねてみたのだ。すると彼は、一瞬、「え?」という顔になった。
「ひとりで寂しいから、生活に彩りがないから、子どもがほしいから……。たぶん」
家族がいても、人は根本的に孤独であると考えれば、最初の理由は脆弱だ。生活に彩りをほどこすのは自分自身。となると、いちばん大きな理由は子どもだろうか。
だが話しているうちに、彼は「結婚できない自分が許せない」という状況にあるのではないかと思えてきた。人ができることが自分はできない。それを自分自身が許せない。わりと順調に生きてきた人の特徴なのかもしれない。そこを突くと、彼はイヤそうな表情をする。
「ま、それもなくはないです。親や親戚も、僕が結婚していないことを世間体が悪いと思っているみたいだし」
そんな親や親戚の言い分を覆すために結婚したいと思っている面もあるのだろう。もちろん、その気持ちもわからなくはない。
こういう人は、もう一度、気持ちを整理して「結婚」以前に女性との関係を作っていこうと初心に返ったほうがいいのかもしれない。