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「顔出しコメント」と「ネットの匿名コメント」、嫌煙家のホンネはどっちだ?


出典:「Yahoo!映像トピックス公式チャンネル」より


最近、ネットニュースパトロールのためYahoo!トップページをスクロールしていると、たまに「Yahoo!映像トピックス」ってヤツに出くわすことがある。



 



「無料動画・映像を中心に、世界中で今見ておきたい面白い・かわいい・癒し・気になる動画を紹介する」ことを主旨としておるらしく、私がついつい目を止めてしまうのが、「気になる」昨今の風潮やトレンドについて「YES or NO」の二択を原則としながら街のリアルな声を拾う2分弱ほどの映像で、コイツがまた不可解なことに、ここでの回答の多くがネット上で主流を占める論調とは、時おり微妙に食い違っていたりするのだ。



 



たとえば、『広がる「喫煙者不採用」の動き…吸う人、吸わない人の反応は?』なるタイトルの映像。



 




「タバコは吸わないです。父は喫煙者だけど、外で吸っているから、まあいいかな…と。(喫煙者採用不可の企業については)すごく差別的だなと思いました」(20代女性:大学生)



 



「タバコは吸わないです。(喫煙者採用不可の企業は)窮屈な企業かなと思うので、そういうところは自由な雰囲気が欲しいです」(20代男性:大学生)



 



「タバコは吸いません。(喫煙者採用不可の企業について)その会社によってはそういうことが必要になってくるのかな…というのが、今の時代の流れとしてはあるのかもしれません」(30代女性:パート)



 



「吸います。(喫煙者採用不可の企業について)業種とかによるかもしれないけど、吸う人にも自由はあると思います」(20代女性:専門校生)




 



……など、皆が皆、愛煙家だけじゃなく嫌煙家までもが総じて喫煙にやさしいお言葉をかけてくださっている。ネットだと、愛煙家は下層民・犯罪者・ボウフラ扱いされるのも、もはや日常茶飯事で、「死ね!」呼ばわりすらされているにもかかわらず……である。



 



では、我々は一体“どっち”を「正しい」と信じればよいのか? イマドキの20代30代は、誰もが何事に関してもこんな風に穏やかかつ大らかな態度をもって接するものなのか? もしかすると、同映像を作成する責任者が愛煙家で、たぶんにその本人の恣意が編集の段階で働いているのかもしれない。あまりに露骨な、とくに喫煙へのバッシングばかり拾うのを避けることで、あえて結論を濁しておこう……といった情報操作も多少はあるだろう。だがしかし、このリベラルな仕上がりのもっともな要因は、“街の声”を代弁する人たちが「顔出しで意見を述べねばならない」取材スタイルにある……と私は考える。その発言を公的に判別できるかたちで個人特定されたうえで、「タバコ吸うヤツは死ね!」と言い切れる豪胆なメンタルを持つ者なんぞ、そうザラに実在するはずもなく、だったらおのずと“弱者”寄りな“助け船”がフレイバーされるのも無理はない。



 



かといって、匿名を後ろ盾とする、ほとんど罵詈雑言に近い“偏った極論”に、いちいちとデリケイトすぎる反応を示すのもいかがなものか……って気もしなくはない。



 



“顔出しによる建て前”を決して鵜呑みにせず、“匿名による過激な本音”に惑わされない、ちょうど中間くらいに位置するラインを“最大公約数的な世論”だと見なしておくのが一番に的確な捉え方で、かつ無難な選択なのではなかろうか。


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