「昔に比べて最近は情報が多すぎる」
「新しい情報が入ってくるペースが早くなってきてついていけない」
「毎日SNSに返信するのが面倒だ」
絶え間のないメールやメッセンジャーで蓄積された目に見えない心身の疲れやストレスは今や大きな社会問題になっています。忘れようと頑張っても忘れられるものではありませんし、忘れた気分になっていても頭の中では覚えている、そういった情報が頭の中に留まってくるとそれがストレスにつながるのです。
ここで必要なのは「入ってくる情報をいかに減らすか」ではなくて「入ってきた情報をいかに外へ出すか」という思考の転換なのです。入ってくる情報を自分のフィルターで消化して、すぐにメモにして外に出すという考え方です。貯めない・溜めない、すぐやる、すぐに処理することが大事なのです。情報を自分の中に溜めずに、すぐにメモとして外へ出すことによってストレスを減らす。まずは、この考え方から変えてみましょう。
■まずメモする、シンプル&スピードでまずはスタート
まずメモをする。シンプルにそこから始めてみましょう。難しいことはせずに、あまり考えすぎない。とにかく機械的にシンプルに手を動かす、そんなイメージで始めてみましょう。
例えば、友人がFacebookで紹介していた美味しそうなレストランの情報を見ていたとしましょう。普段のあなたであれば、「ああ美味しそうだな。見た目も迫力あるし、インスタ映えもしそう。今週末でも行ってみようかな」と思いつつ、そのポストにいいねをした後に目線はすでに次の友達のポストに移ってるのではないでしょうか。
そこで「すぐメモ」をしてみましょう。そのポストに出ていたレストランをオススメの「迫力のローストビーフ丼」という一言を添えてスマホでメモしておくのです。その作業に何秒くらいかかりましたか?おそらく10秒程度ではないでしょうか。たったこれだけの作業でこのレストランの情報は「あなたの外部」に記憶されたのです。
そうすれば、もうあなたは「なんとなく週末どこかに行きたいと思っていたけど、どこだったかなあ。。」と後で思い出せずに苦しむことは無くなるのです。たったひとつのレストランの情報だけで苦しむなんて大げさだと思うかもしれませんが、こういった情報が一日の中でさらにたくさん出てくるとすると、覚えようとする努力とストレスは少なくないのです。まずメモをしてスッキリしてしまいましょう。
■to doをメモするだけでストレスフリーに
ストレスの一番の原因、覚えておかなくてはいけないことをその場でto doとしてメモしましょう。to doリストを使っている人は多いと思うのですが、ここでのポイントは「どんな小さなことでもすぐにメモする」ということです。
例えば、仕事でデスクに向かっている時にLINEで家族から「今週末これしておいてね」とメッセージ入った時、たとえ「了解、これくらいなら忘れない」と思っていて、その後いろんなタスクをこなしているうちにいつしか意識からは消えていたりします。ほんの一瞬、to doリストに「週末これする」とメモするだけでその予定は記憶しておく必要がなくなるのです。
未来や過去のことはメモにまかせて、「今この時」に集中する環境を作りましょう。こういったほんの小さなすぐメモの積み重ねが、意外と大きなストレス解消につながります。
「いろんな情報にさらされて落ち着かない」という状態から「必要な情報はメモしているので安心だ」と状態になれば、今やっていることに集中して、いつものことをいつも以上に感じ取ることが可能になるのです。それは、単に仕事のパフォーマンスが上がるだけでなく、例えばご飯が美味しく感じられる、青空が綺麗に感じられる、人が親しく感じられる、こういった生活が充実していくことにもつながるのです。
すぐメモでデジタルストレスを無くし、マインドフルネスの状態を目指しましょう。
■スマホアプリとPC連携で情報を一元管理
手書きやパソコン、スマホ、アプリなどメモを取るアイテムもいろいろありますが、ここで大事なのは、パーソナルなスマホ環境と会社でのパソコン環境をシンクロさせることなのです。
そうすることによって、メモを一元管理することができて検索が容易になります。どんどんメモして情報がたまっていくのに「あれ、あのメモどこに行ったかな。。?」とメモを探し回るのは、効率的な情報整理を目指すすぐメモとしては本末転倒です。
また、スマホではスピードを優先したり、パソコンではしっかりと情報を読み込んだりとそのデバイスの特性に応じてうまく使い分けることもできます。日常的な情報はスマホでメモ、より詳しい情報や書き込みたい情報が多い時はパソコンでメモしていき、あとで編集すると効率的です。何より「すぐにメモできること」を優先して、その場で使っているツールを使いながらも情報はリアルタイムでシンクしていくことが大事なのです。スマホとパソコンと情報がシンクロできるアプリケーションを使って、快適に情報管理していきましょう。
■思いついたら、まずはその場で立ち止まろう
大量の情報に接していると、アイディアや気づきはいろんなところでひらめきます。そんなに大きなアイディアでなくても、家のちょっとしたことや友達と行きたいお店など歩いているとそんなちょっとした考えが頭にうかぶことも多いでしょう。
普通であればそのまま歩いていき、家に帰って荷物を片付けてテレビを見始めたりするとそんなアイディアもどこかに行ってしまっています。「確かにあの時いいアイディアが浮かんでいたはずなんだけど、どんなだったかなあ。。」とその時に苦しんでもなかなか思い出せません。
歩いている時に何かが頭に浮かんできた、そんな時こそ立ち止まってアイディアをすぐメモしてみましょう。ふと頭に降りてきたアイディアは、まるでシャボン玉のようにとてもこわれやすくすぐに消えていくはかないものです。その場で書き留めておかないとすぐにどこかに行ってしまいます。
普段何気なく思いついたアイディアは宝の山なのです。「今からアイディアを考えるぞ」と考えたアイディアより、何気ない日常で思いついたアイディアが優れている場合も多いのです。それは、意識しなくてもあなたの脳がつねに無意識下で働いていて、あなたが歩いていたり寝ていたりする間にもさまざまなシナプスが結びつきアイディアを生み出し続けているからなのです。その無意識で生まれたアイディアが意識に浮かんできたその瞬間をうまくつかまえましょう。そのアイディアがあなたを未来の成功へつなげてくれるかもしれません。
■メモができたら「すぐに発信」してみよう
メモをするという行為はとても個人的なもので、「自分一人で見るもの」そんなイメージも強いと思います。しかし、自分だけでメモを見ているだけではメモという機能の半分も活かせていません。これは気になる、グッとくる、感動した、そんな情報はメモにしてすぐに発信してみましょう。
メモをSNSなどに公開し、発信することによって友達から反応があったり、思わぬつながりが生まれていくのです。あなたの近況のアップデートだけでなく、気になった情報をtwitterやFacebook、LINEなどですぐに発信していきましょう。
そして、大事なのは一言シェア。情報をシェアするときには、気になる記事とあわせて短いコメントを入れてみましょう。自分がどういう視点でそのニュースを見ているのか、客観的に見ることができるのと同時に、まわりの人に何が面白いと感じたのかも伝えていくのです。時間のないときは、記事などの引用でもかまいません。
あなたが情報をシェアしはじめると、最初はあなたとつながっている人たちも「あれ、どうしたのかな?」と思うかもしれません。しかし、同じようなジャンルの情報を発信し続けていると、いつしかあなたは「あるジャンルが好きな人」「その方面に詳しい人」という風に認識されてきます。情報に流されるのではなく、情報を操ってセルフブランディングもしていきましょう。
さあ、いかがでしたか? 思ったよりも簡単に始められそうですね。実際僕自身も、こういった「すぐメモ」を実践することによって、ストレスが少なくなってだけでなく、新しいアイディアがどんどん生まれてくるようになりました。みなさんにも「すぐメモ」で最高のパフォーマンスと安定したマインドフルネスがもたらされることを祈っております。
【関連図書】すぐメモする人がうまくいく(自由国民社)