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DA PUMP『U.S.A.』を単なる“ダサかっこいい”でスルーしてはいけない


出典:You Tube「DA PUMP / U.S.A.」より


ネット版の夕刊フジが、『DA PUMPが大復活!「ダサかっこいい」という変化球…大人の戦略』なるタイトルの記事を配信していた。



 



90年代に流行った懐かしのユーロビート・メロディを基調とし、しつこいくらいリフレインされる「カ〜モンベイビィ〜アメリカ♪」に乗せたベタな振り付けのダンスが受け、現在YouTubeの再生数も(8月10日時点で)4千万回超えを達成した大ヒット曲『U.S.A.』によって、再ブレイクを果たしたDA PUMPを「ダサかっこいい」と評するのは……まあ、ありがちな分析だったりはするのだが、とりあえず同記事の論旨を大雑把にまとめてみると、以下のとおりになる。



 




過去のグループのなりつつあったDA PUMPの20年ぶりのブレイクは、おやじ世代から見れば喜ばしいこと→以前と同じような、正面突破でやっても売れないからと、「ダサかっこいい」という変化球を投げたあたりは、大人の戦略を感じる。




 



ここで私はひとつの疑問を抱かざるを得ない。DA PUMPのリーダー兼メインボーカルとしていまだ健在なISSAは、1992年にリリースされたユーロビート楽曲『U.S.A.』を今あえて日本語でカバーしたDA PUMPブレーンは、はたして本当に「正面突破でやっても売れないから」などと小賢しい計算をもって、「ダサかっこいい」と世間的に認知されているカーブなりフォークなりを、握りや腕の振りを変えて投げてみようと試みたのであろうか?



 



私は絶対にそうじゃないと思う。少なくともDA PUMPサイドには、ボールを曲げてみようなんて意図などさらさらなく、「いいんじゃないコレ?」「最高じゃん!」みたいな本能的インスピレーションのみで渾身の剛速球を、我々日本人リスナーに向けて放ってきたに違いない……と思いたい。仮に、この“往年の藤川球児ばり”の火の玉ストレートが曲がっているように見えるなら、それはおそらくナチュラルシュートだとかまっスラだとか、そういったたぐいの“後付け的な変化”にしかすぎない……のではなかろうか。



 



そもそも「ダサかっこいい」ってやつは、それを演じている張本人(たち)がそれを真剣に「かっこいい」と感じてやらなければ成立しない概念だと私は考える。そして、それを演じている張本人(たち)が本質として「かっこよく」なければならないのだ。たとえば、一昨年前にオリエンタルラジオ(※ユニット名は『RADIO FISH』)がリリースして大流行したダンスナンバー『PERFECT HUMAN』が「なぜ売れたのか?」、その理由をあれこれと推測することは可能だけれど、そこに「ダサかっこいい」といった要素だけは確実に含まれない。DA PUMPによる『U.S.A.』とは真逆の「小賢しい計算」、さらには「かっこよさとはほど遠い素人レベルのダンス」が、「ダサかっこいい」へと到るまでの障壁となっているから──とどのつまりが“似て非なるモノ”なのである。



 



レコード会社レベルへと溯った“DA PUMPサイド”には、もしかすると多少なりの「大人の戦略」だってあったのかもしれない。しかし、楽曲へと直に携わるパフォーマーとクリエイターの面々は、「自分(たち)がかっこいい」と信じてやまない“永遠の少年(少女)らしさ”を決して失っちゃいない……と、私はそう信じている。


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