とある平日の昼過ぎ……大学時代の男友だちと30年以上ぶりに偶然、山手線のなかでバッタリと出会った。そのときはお互いにあまり時間がなかったので、連絡先をFacebookのメッセンジャーで交換し合ってから、近日の再会を約束し、別れた。
そして、その「再会の飲み会」は双方の地道なメール交換によって実現の方向へと向かい、「お店はヤマダのほうが詳しいやろうから、オマエにお任せするわ」ってことになった。
最近、こういう「昔の友人との再会をセッティングするお店選び」を丸投げされるケースがやたら増えてきた。我々50代のあいだで利用頻度が高いSNSは圧倒的にFacebookで、そこから古い知り合いへと枝分かれ的にたどり着いて、ちょっとした同窓会のような会合が開かれる機会も多くなり、そんなとき、私はかならず幹事みたいな役割を押しつけられる。まあ、腐ってもAll Aboutじゃあ「夜遊びガイド」って肩書きを仰せ付かっているわけですし……。もう3年近く新しい原稿はアップしてないけど。ここ5年ほどは朝の草野球に備えて夜遊びもあんまししてないけど。
まあ、お店を予約するくらいは電話一本かスマホをササッといじるだけで完了するので、別にかまわないのだが、20年も30年も疎遠だった人ゆえ、「どういうお店を選べばいいのか?」は、正直なところ、わりと悩んでしまう。
(1) その相手の味の嗜好・酒の飲み方がわからない
(2) その相手がアクセスの面でどこらあたりを「便利」とするのかがわからない
(3) その相手の金銭感覚がわからない
……からだ。
とりあえず(1)と(2)は、最悪先方に聞けばよい。ただ、聞いても返ってくる答えはたいがいが「なんでもええよ」「どこでもええよ」……だったりするので、そうなったら「新宿」「渋谷」といった巨大ターミナル駅周辺の和食(系)をチョイスする。都内(近辺)に在住する人なら「新宿や渋谷はむっちゃ不便」なんてことはまずないだろうし、同世代からは「最近、あっさりしたモノしかノドを通らない…」といった話もよく耳にする。少なくとも“大ハズシ”するリスクは、かなりの確率で回避できる。
一番困るのは(3)。50代にもなったら、金銭的な余裕もそこそこあるでしょ……ってえのはハッキリ言って間違い! 紆余曲折の人生を経てギリギリの生活を余儀なくされているケースだって充分にあり得る。ましてや大学を卒業してから、就職してからの情報はほとんど皆無なのだから、彼ら(彼女ら)の家庭環境・経済状況、それに「食に対する価値基準」は見当もつかない。
……と、そのようなときに“一応の目安”として、過去の経験から弾き出した価格帯が以下のようなものである。
- 相手が1人〜4人の場合は割り勘にして7000円程度
- 相手が5人を越える大人数の場合は割り勘にして5000円程度
当然のことながら、大人数になればなるほど収入格差は生じやすくなる。だから、落としどころは「3000円の格安チェーン系居酒屋はさすがに中高年相手には失礼なので5000円」──もちろん「コレが正解!」だと断じるだけの自信はない。運転手付きのクルマやプライベートジェットで移動するのが日常であるアナタは、どうぞ今日の私の原稿は読み飛ばしてもらいたい。