1999年に資生堂が「加齢臭」を発見してから約20年。同社はこのほど、現代社会を象徴する新しいニオイ「ストレス臭」を発見した。
年齢性別関係なく発生するというこのニオイ、一体どんな条件下で発生するのだろうか?
このほど開催された「技術発表セミナー」での発表内容から、「ストレス臭」の正体に迫ろう。
同社ではその後もニオイと生理学についての研究が続けられ、今現在様々な製品にその研究結果が応用されている。
そんな資生堂が20年ぶりに新たなニオイ、「ストレス臭」を発見した。
インターネットの普及により、時間や距離を無視して誰かとコミュニケーションが取れる便利な時代。コミュニケーションが電子化されることにより、自分が他人からどう見られているのかをより気にしてしまい、自分に自信を無くしている人が多くなってきているそうだ。
自分のパーソナル空間に他人が入ってきたとき…すなわち自分のニオイが届いてしまう状況に置かれると非常に不安になる人が多いことから、デオドラント市場の需要が高まってきているという。
嗅覚は他の感覚と違って脳に直接情報が送られるため、“好き”“嫌い”といった感情とダイレクトに結びつき、即座にその判断が下されてしまいがち。これが、ニオイが第一印象に大きな影響を与える理由だそうだ。
資生堂はその後、緊張やストレスを感じる場面を再現する「インタビューストレス」の検証試験を繰り返し実施。心理的緊張によって皮膚ガスとして硫黄化合物系の特有のニオイ「STチオジメタン」が発生することを突き止め、これを「ストレス臭」とした。
筆者も実際に嗅いでみたところ、ネギのような鼻にツンとくるようなニオイを感じた。このニオイは年齢や性別に関係なく発生し、そのニオイを嗅いだ周囲の人も疲れたり、心の混乱を来たすということも判明している。
資生堂はこの「ストレス臭」に対処するため、強いニオイでごまかすのではなく、ニオイを包み込み、嫌なニオイを目立たなくする「STハーモナージュ香料」による「STアンセンティッド技術」を対応技術として開発。2019年春からは、ケア製品などに応用する予定だという。
現代はストレスと切っても切り離せない社会であり、今後この「ストレス臭」対策の重要性は高くなっていくと考えられる。資生堂の次なる新製品に大いに期待したい。
【参考】
※資生堂グループ
https://www.shiseidogroup.jp/