starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

【東京】動物園と美術館と博物館、冬休みは家族で上野に行ってみよう!


上野といえば、西郷さんとパンダ、そして年末のアメ横を思い浮かべる方も多いと思いますが、いま、博物館と美術館も熱いんです!!

先日、東京都美術館での展覧会関連イベントで、動物園も美術館も博物館もすべて「博物館の仲間」と知って、ものすごくハッとさせられました。

学校が冬休みの時期は、家族でお出かけする機会も増えますし、大人も子供も楽しめる上野のミュージアム巡りに行ってみてはいかがでしょうか?

上野恩賜公園とは?

「上野の森」や「上野のお山」と言われることもありますが、正式名は上野恩賜公園。江戸時代には東叡山寛永寺があり、戊辰戦争で旧幕府軍の彰義隊がたてこもった、激戦の地でもあります。公園内には、旧寛永寺の五重塔(国の重要文化財)が残っていたり、明治になってから、西郷隆盛像や彰義隊戦死者碑が建てられています。

お出かけスポットの案内なのに、なぜ、戦争のあった歴史をお伝えしたかというと、広大な土地が焼け野原になったからこそ、ここを公園として整備した方がいいという声があがり、明治6(1873)年に芝、浅草、深川、飛鳥山と共に、日本で初めての都市公園として生まれ変わったから。現在では、歴史的建造物や文化施設が集まった都内随一の場所となり、「文化の森」として再整備されています。

https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jimusho/toubuk/ueno/index_top.html

始まりは内国勧業博覧会

いま、上野にあるのは、恩賜上野動物園・東京国立博物館・東京藝術大学・国立科学博物館・東京都美術館・国立西洋美術館・国際子ども図書館・東京文化会館・上野の森美術館の9施設です。こんなにも多くの文化施設がひとつのエリアに集中しているのは、世界でも類をみませんし、下の地図で見ると、JR上野駅の目の前にかたまってあるのがよくわかります。

これらの施設のルーツは、明治期に開かれた内国勧業博覧会。上野での開催は、1877年、1881年、1890年の計三回。美術本館、農業館、機械館、園芸館、動物館などが建てられ、のちの動物園や美術館などになっていきます。

特に第一回の美術館、第二回の展示館は、博覧会終了後も使用する目的でレンガ建てで作られ、東京国立博物館(当時は上野博物館)の本館と二号館として用いられました。(関東大震災で失われて現存せず)

3代目・歌川広重の「上野公園内国勧業第二博覧会美術館ならびに猩々噴水器之図」。噴水の向こう側に東京国立博物館がある構図は今と同じですね!

オススメのまわり方

ここからは、今、上野に行くならこの組み合わせがオススメという、具体的なルートや関連情報などをご紹介したいと思います。

上野動物園×東京都美術館

2024年1月8日(月曜・祝)まで、東京都美術館で開催しているのが「動物園にて」と「いのちをうつす」という2つの動物にちなんだ展覧会です。関連イベントもたくさん開かれていて、東京都美術館に行ってから、上野動物園に行くと、見慣れた動物たちを新たな観点で鑑賞することができます。

企画展「動物園にて」

  • ギャラリーB、観覧無料

企画展「いのちをうつす」

  • ギャラリーA・C、観覧料:一般 500円/65歳以上 300円/学生以下 無料

※12月21日~1月3日は休み。それ以外は9:30~17:30で開室。

上野動物園

  • 入園料:一般 600円/65歳以上 300円/中学生 200円/小学生以下と都内在住・在学の中学生 無料
  • 開園時間:9:30~17:00

※月曜日と12月29日~1月1日は休み。ただし、1月8日(月曜)は開園で9日(火曜)が代休

https://www.tobikan.jp/exhibition/2023_collection.html

https://www.tobikan.jp/exhibition/2023_uenoartistproject.html

私は「動物園にて」を見て、11月25日に開かれた「動物園の歴史をつくった動物たち」という、上野動物園の元園長である小宮輝之さんのトークショーに行ったのですが、目からうろこの連続でした。

まず、日本最古と言われる上野動物園の初代の監督者が絵師の中島仰山であったこと。(内務省の博物館の一部門という扱いで、まだ‟動物園”という名称になる前だから‟園長”ではないそうです。)画家が職員として雇われていたのは、その生態を観察して絵にするという役割を担っていたからで、展覧会では、中島仰山が残した『博物館写生図・シマフクロウ』などが見られます。

また、隣接する芸大生が写生のために動物園を訪れることも多かったそうで、古い写生画がたくさん展示されています。特に、授業の一環で同じ鳥を複数の学生が描いたものは、巻物の形に繋ぎ合わさっていて、上手い人もいればそこそこの人もいるという具合なのが面白かったです。

そして、当たり前の話ですが、今のようにパソコンもない時代なので、動物園の入場券やポスターなどのデザインも画家の仕事。昭和初期の入場券には、1枚1枚違った種類の動物が描かれていて、それらの原画なども、貴重な資料として見ることができます。

小宮先生のお話のなかで、なるほど!と思ったのが、このホッキョクグマ。英名のPolar bearの訳語として北極熊の名がついたそうですが、動物園にきた当時も今も、子供たちは「シロクマ」と呼ぶそうです。でも、和名がシロクマにならなかったのは、日本にホッキョクグマが来たタイミングで、白いツキノワグマが上野にいて、それが「シロクマ」の愛称だったから!!アルビノ種のクマがいたなんて驚きですね。

https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno/hours.html

東京国立博物館×テレビ東京「ソロ活女子のススメ」

トーハクの愛称で親しまれている東京国立博物館のルーツは、1872年の東京・湯島聖堂大成殿で開催された博覧会。内国勧業博覧会に先駆けること5年、文部省博物局が主催し、出品数は徳川家献納の18点のほか古物や標本、国内産物など計798点でした。

現在の東京国立博物館は、「文化財を収集し、調査し、修復する」そして「展示を通して、教育に活かす」という形で文化の保護と継承を続けていて、収蔵品数はなんと約12万件。(国宝89件、重要文化財649件)

点数がものすごく多いのに、総合文化展(常設展)で展示できるのは3,000点というわけで、毎週のように、展示替えが行われているのが特徴です。

東京国立博物館

  • 総合文化展 観覧料:一般 1,000円/大学生 500円/高校生以下と70歳以上 無料
  • 開室時間:9:30~17:00(毎週金・土曜日は~19:00)

※月曜日と12月25日~1月1日は休み。その他、臨時休館・臨時開館あり。

https://www.tnm.jp

    そして、ここの特徴はもうひとつ。ものすごく広いこと!

    • 日本美術(本館)
    • 日本の考古・特別展(平成館)
    • アジアギャラリー(東洋館)
    • 法隆寺献納宝物(法隆寺宝物館)
    • 黒田記念館:洋画家・黒田清輝の遺言により建てられ、油彩画約130点デッサン約170点写生帖などを所蔵
    • 表慶館:1909年に開館した日本初の本格的な美術館。迎賓館なども手がけた宮廷建築家の片山東熊の設計

    建物だけでも6つあり、1日にまわるのは至難の業なので、初回はどこかに絞って訪れてみてください。テレビ東京の「ソロ活女子のススメ」シーズン3第10話で取り上げているので、こちらを見てから行くのもオススメです。(Amazonプライムビデオで視聴可能)

    https://www.tv-tokyo.co.jp/broad_tvtokyo/program/detail/202306/26298_202306072500.html

    国立西洋美術館×YouTube「山田五郎のオトナの教養講座」

    国立西洋美術館は、松方コレクション(印象派の絵画およびロダンの彫刻を中心とするフランス美術コレクション)を中心に1959年に発足した、広く西洋美術全般を対象とする唯一の国立美術館です。

    本館はル・コルビュジエの設計で開業当初に、新館は前川國男の設計で1979年に建てられました。2016年には「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」が、世界遺産となり、西洋美術館本館も含まれているそうです。

    常設展と企画展があり、現在は、 「パリ ポンピドゥーセンター キュビズム展ー美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」 が1月28日(日)まで行われています。

    • 観覧料:一般 2,200円/大学生 1,400円/高校生 1,000円/中学生以下 無料
    • 開室時間:9:30~17:30(毎週金・土曜日は~20:00)
    • 会場:企画展示室

    ※月曜日と12月28日~12月31日は休み、ただし、1月8日(月曜)は開館で9日(火曜)が代休

    https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023cubisme.html

    約50年ぶりの本格的な「キュビズム展」で、名前がやたらと長いのですが、そこに展覧会の特徴が詰まっています。

    • 近現代美術コレクションで有名なパリのポンピドゥーセンターから、キュビスムの重要な作品が多数来日していること(50点以上が日本初出品)ポンピドゥーの改修工事があるからこその大量出展!!
    • キュビズムの創始者といわれるピカソやブラックだけに焦点をあてるのではなく、後発のキュビストたちソニア・ドローネーやマーク・シャガールなどの作品も網羅して、時系列的なキュビズムの変化を追えること

    そもそも「キュビズムってなんだ?」と思った方は、美術評論家の山田五郎さんのYouTubeを見てから行くのがオススメです。キュビズムの起源が、ブラックの『レスタックの高架橋』を見て、評論家のルイ・ボークセルが「キュビズム(立体的)だ」といったのが始まりと分かります。

    https://www.youtube.com/embed/NC34DrUmPrI?si=mJFUUNxkqXDD7LXB

    こちらは、展覧会と連動したコラボ動画なのですが、個人的には過去回の解説とあわせて見るのが良いと思います。

    https://www.youtube.com/embed/mp43uv6XzW0?si=HPVdOjF9Cu8wY0_E

    ピカソのほかにも、セザンヌの回もあります。ブラックが‟セザンヌの風景画『エスタックの海』に影響されて同じ場所に絵を描きに行った”という点も面白いですし、セザンヌが印象派にも影響を与えているのも興味深いです。

    月曜日には注意しつつ、芸術を楽しもう♪

    以前は、動物園なら動物の展示と飼育のみ、美術館なら飾るだけ、というイメージでしたが、最近では、パンダをはじめ動物の赤ちゃんのライブ中継をしていたり、展覧会にあわせてトークショーや映画の上映会を開いたり、来場者に楽しんでもらおうとコンテンツが充実しています。しばらく足が遠のいていた方も、行ってみると新しい発見があるかもしれないので、大人のミュージアム巡りはオススメです。

    そして、今回、記事を書いていて、上野の施設のほとんどが月曜休館で閉館時間が17時台と早いことに気が付きました!金曜・土曜に限り、延長しているところもありますが、お出かけの際は公式ウェブサイトで確認をお忘れなく。


    tomoko

    余暇プランナー

    小さい頃の夢は「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、ライターのtomokoです。本業は演劇と外画アニメの演出をしています。子供向けの番組を数多く担当しているからか、小さな子供とすぐ仲良くなれるのが特徴。よく一人旅に出るので独身と間違われますが、既婚です。旅先では美術館や博物館に行くことが多いです。どうぞ宜しくお願い致します。

    【東京】動物園と美術館と博物館、冬休みは家族で上野に行ってみよう!

      Loading...
      アクセスランキング
      starthome_osusumegame_banner
      Starthome

      StartHomeカテゴリー

      Copyright 2024
      ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.