滋賀県、琵琶湖湖畔に佇む浮御堂。湖の上にたっているお堂は、不思議な雰囲気もあり古くから有名な観光スポットのひとつです。
実は周辺におでかけスポットも多く、琵琶湖湖畔の歴史散歩にもおすすめの場所。今回は浮御堂ってどんなスポット?どうして湖の上に?という疑問から、周辺のおでかけコースまで詳しくご紹介します。
気になった方はぜひチェックしてみて下さいね。
浮御堂ってどんなスポット?
琵琶湖の上にせり出すようにして建つ浮御堂。テレビドラマのロケ地にもよく使われているため、見たことがあるという方も多いかもしれません。
浮御堂があるお寺は「海門山満月寺」 といいます。元々は臨済宗大徳寺派の寺院で、聖観音を本尊としています。 境内の観音堂には、重要文化財にも指定されている聖観音座像 が安置されています。
浮御堂の歴史
満月寺は詳細は不明ですが、 平安時代 につくられたのではないかといわれています。恵心僧都(源信)という 源氏物語に登場する「横川の僧」のモデル にもなった人物が、 琵琶湖に沈んでいた阿弥陀如来を救いあげ、その阿弥陀如来を祀るために建立した というのが由来になっています。以来、琵琶湖の湖上の安全を祈願し、多くの人が訪れるようになったのだとか。
浮御堂はかつて、 京都御所の能舞台 を下賜され、移築したという建物が使われており由緒正しいものだったそう。しかし1934年の室戸台風によって倒壊し、その後再建や改修を経て現在の形を保っています。
浮御堂は江戸時代から有名な観光スポット
今訪れても美しい浮御堂ですが、古くからその景観の美しさは評判でした。 代表的なものが、江戸時代に歌川広重によって描かれた「堅田の落雁」という絵 です。琵琶湖沿岸の名勝を描いた「近江八景」の中のひとつの作品で、描かれたのは江戸時代初期頃と推測されています。
松なども同じ場所にあり、現在とそう変わらない風景であることも見て取れます。タイムスリップしたような気持ちで、この光景を楽しんでみてはいかがでしょうか。
浮御堂を訪れてみる
実際に、浮御堂を訪れてみました。
満月寺には駐車場が設置されているので、車での訪問もおすすめです。
満月寺では入場料を支払います。正面には浮御堂があり、中に入るには入り口でスリッパに履き替えます。
浮御堂にはたくさんの阿弥陀如来様がいらっしゃり、 「千体仏」 といわれ、全部で千体納められているそう。全てを見ることはできませんが、不思議で神聖な空気が漂います。お堂周りには人ひとりが通れるくらいの通路があるので、周辺をぐるりと周ることができます。
晴れた日には湖面が輝き、写真映えもしそうな雰囲気 です。浮御堂を入れて写真を撮りたい方は、浮御堂に向かって右側にある 松尾芭蕉の句碑 がベストスポットです。
満月寺は多くの歌の題材になっていて、句碑がたくさんあります。
昭和を代表する俳人、阿波野青畝の句碑や、高浜虚子、松尾芭蕉など、有名歌人の句碑があるのでぜひチェックしてみて下さい。古来より変わらない満月寺や浮御堂の美しさを歌った、情緒あふれる歌ばかりです。
浮御堂周辺の観光スポット
満月寺の周辺には、歩いて巡れる観光スポットがいくつかあります。時間がある方は歴史を感じながら色々なスポットを巡ってみるのもおすすめです。
ボランティアガイドがいらっしゃるスポットもあるので、いろんなお話も聞けるかもしれません。今回はいくつかおすすめをご紹介します。
湖族の郷資料館
堅田の歴史を学べる資料館です。
古民家を利用した建物で、 「湖族」 という琵琶湖と共に生きてきた町衆の歴史なども展示しています。堅田の人々が湖族として琵琶湖とどう生きてきたかという誇りがよくわかります。
祥瑞寺
一休さん にゆかりのあるお寺として知られ、臨済宗大徳寺派のお寺です。こじんまりしていますがとっても趣があり、浮御堂と合わせての観光もおすすめです。
室町時代前期、 宗純(一休さん)が13年間修行 し、悟りを開いた場所としてとして有名なお寺です。修行を経て、ここではじめて禅僧「一休」の道号を与えられ、名乗ることになったというエピソードもあるそう。
また、境内には芭蕉の「朝茶飲む 僧静かなり 菊の花」という句碑もあります。
堅田十六夜の弁の碑
浮御堂にほど近い、湖沿いの公園に 松尾芭蕉の句碑 が建っています。堅田には松尾芭蕉の関連の句碑が多く残っていますが、松尾芭蕉はここでよく滞在していたという記録が残っています。それほど堅田の光景が美しく、忘れがたいものだったのかもしれません。
ここに残るのは、「鎖明けて月さし入れよ浮御堂 やすやすと出でていざよふ月の雲」という碑。堅田で、月見の俳席の翌日に船を出し、十六夜月を愛でたという様子を書いた句です。
出島の灯台
琵琶湖湖畔にある 木造の灯台 。琵琶湖はかなり広い湖ですが、その中で唯一の灯台として知られています。琵琶湖大橋よりなので、行きや帰りに寄ってみるのがおすすめです。
こちらは時期が少し新しく、明治8年(1875年)に建てられたものです。木造の灯台は貴重なもので、周囲も景色が良いため琵琶湖の波の音や風を感じ、写真を撮りながらのんびりと過ごしたいスポットです。
浮御堂や周辺スポットを散策して琵琶湖の魅力も再確認
琵琶湖周辺とはいえとても広いので、なかなか堅田にスポットをあてて巡る機会は少ないかもしれません。
しかし 浮御堂をはじめ、風光明媚なスポットがたくさんある ので、今まで知らなかった魅力に気付けるかもしれませんね。
時間があれば堅田の歴史めぐりをぜひ楽しんでみて下さい。
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ゆかた
余暇プランナー
金融業界出身で今はライター中心にフリーランスで活動中。大阪在住だけど京都歴の方が長く、休日はだいたい京都にいます。海外30か国旅行してる旅好き。旅のスタイルはグルメ旅/スポーツ観戦旅/美術館めぐり/ひとり旅。スイーツを求めがちです。関西の情報中心にお届けします。