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【伊豆・下田】5月中旬は黒船祭♪ 1泊2日のモデルプランをご紹介


ペリー提督が黒船で下田に来航したのが1854年、今からちょうど170年前のこと。

伊豆半島の下田は、ペリーロードがあったり、観光船のサスケハナ号を運行していたり、「開国の歴史を身近に感じられる」観光地として人気ですが、毎年5月の第三金曜日から日曜日にかけて黒船祭が行われ、一年で一番の盛り上がりを見せます。

2024年の開催は5月17日18日19日の三日間。周辺のおすすめスポットを含めてモデルプランを作ってみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

黒船祭とは?

下田市の公式サイトによると、

下田開港につくした内外の先賢の偉業をたたえ、併せて世界平和と国際親善に寄与するため、昭和9年(1934年)に始まった

と、あります。

歴史も古いですし、いわゆる「町おこしイベント」とは性格が違うのが、下田の黒船祭。記念式典や墓前祭が行われ、アメリカの第七艦隊と海上自衛隊の音楽隊も参加するパレードも見どころです。

そのほかの催しは

  • 再現劇「日米下田条約調印」(5月18日、19日)
  • 海上花火大会(5月17日)
  • にぎわいコンサート、仮装行列〔にぎわいパレード〕(5月19日)
  • きもののファッションショー(5月18日)
  • フラダンスショー(5月17日)
  • 黒船サンセットコンサート(5月18日)
  • 日米親善綱引き大会(5月19日)

三日間にわたって、市内のあちこちでイベントが目白押しなので、ほかの観光スポットと合わせて事前にスケジュールを組むのが効率よく回るコツです。

https://www.shimoda-city.info/kurofune

モデルプラン

下田へのアクセス

【東京から】

  1. 東京⇒下田 踊り子号またはサフィール踊り子号で約2時間30分
  2. 東京⇒熱海 新幹線で約1時間 熱海⇒下田 伊東線・伊豆急行線で約1時間30分

【大阪から】

  1. 大阪⇒熱海 新幹線で約2時間30分 熱海⇒下田 伊東線・伊豆急行線で約1時間30分

※黒船祭の期間は交通規制がかかるので、車より電車の方が安心です。

https://www.shimoda-city.info/access

”歴史好き”のための1泊2日モデルプラン

5月17日(金曜)

  • 10:00~    ペリーロードを散策、早めのお昼ご飯
  • 12:30~    玉泉寺へ移動、ハリス記念館を見学
  • 時間未定    アメリカ第7艦隊音楽隊演奏会 【場所】玉泉寺境内
  • 15:20〜15:50 黒船将兵墓前祭 【場所】玉泉寺境内
  • 16:00~    三島神社へ移動、近くの柿崎海岸を散歩
  • 18:00~    宿にチェックイン
  • 20:15〜20:40 海上花火大会 【場所】下田港  ※雨天順延

5月18日(土曜)

  • 10:00〜11:00 記念式典 【場所】下田公園 ※雨天→市民文化会館大ホール
  • 11:00~    公園内を散歩
  • 12:40〜13:10 再現劇「日米下田条約調印」【場所】了仙寺境内 ※雨天→本堂
  • 13:30~    遅めのお昼ごはん
  • 15:00~    了仙寺に戻って黒船ミュージアムを見学

※アメリカ第7艦隊音楽隊演奏会は、まだ開始時間が発表されていませんが、例年墓前祭の前に行われるようです。

おすすめ観光スポット

ペリーロード

ペリー艦隊が、日米下田条約を結ぶため了仙寺まで行進したのがペリーロード。異国情緒あふれる石畳の小道沿いに、なまこ壁や伊豆石造りの趣のある家々が並びます。レトロな感じで写真映えもバッチリ!

カフェや飲食店、神社仏閣のミニ情報まで細かく書きこまれた街歩き地図があるので、下記のウェブサイトからダウンロードしてご利用ください。

https://stroly.com/maps/1596702251/

玉泉寺

正式名は、瑞龍山玉泉寺。1854年5月の日米下田条約の締結により、玉泉寺はアメリカの船員たちの休息所・埋葬所となりました。その2年後に、タウンゼンド・ハリス総領事および通訳官のヒュースケンが下田に着任し、玉泉寺は日本最初の米国総領事館に!

併設のハリス記念館は、こじんまりとしていて1時間ほどで見られます。展示してある資料をひとつひとつ読んでいって一番驚いたのが、 学校では、日米修好通商条約=不平等条約として習ったけれど、ハリスは幕末の日本をよく観察し、地元の人たちとの交流を重ねた結果、アメリカ本国の主張する条件を強引に幕府に飲ませるようなことはせずに、双方にとって現実的な道を探っていたこと。 日本が東南アジア諸国のような植民地にならずに済んだのは、ハリスの尽力によるところが大きいと痛感しました。

  • ハリス
  • ペリー
  • 吉田松陰:黒船に乗ってアメリカに行こうと企てた

とそれぞれのコーナーがあるので、お時間のない方は、ハリス関連だけ見るのでも良いと思います。

https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m18!1m12!1m3!1d12210.446323575905!2d138.95386167907552!3d34.67564235505781!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x60175f3362c921df%3A0xec1bc4a0bf782d52!2z5pu55rSe5a6XIOeRnum-jeWxseeOieazieWvug!5e0!3m2!1sja!2sjp!4v1714285312133!5m2!1sja!2sjp

玉泉寺は下田駅やメインの観光エリアから少し離れています。

  • 【アクセス】下田駅より:徒歩→約25分 バス→「柿崎神社前」下車2分
  • 【住所】〒415-0013 静岡県下田市柿崎31-6
  • 【電話】0558-22-1287

御朱印は、2種類ありました。

  • 右:開国史跡・玄波朝天
  • 左:本尊釈迦如来・初代米国総領事館

https://www.izu-gyokusenji.or.jp

三島神社(柿崎神社)と柿崎海岸

玉泉寺のすぐそばにあるのが、三島神社。地名をとって柿崎神社と呼ばれることもあります。あまり有名ではないのでスルーされがちなのですが、境内に巨大な吉田松陰像が立っているので、歴史好きなら訪れる価値あり。

なぜ、この地に吉田松陰の像があるのか?については、柿崎海岸に、地元の小学生が書いた歴史コラムがありましたので、下記をお読みください。

ちなみに、このコラムはとても上手にまとめられていて、黒船と写真家の下岡蓮杖の記述も「なるほど~」と足を止めて読みふけってしまったので、両方ともご紹介します。

下田公園

小高い丘の上にあり、下田の街や下田港がよく見えます。総計15万株300万輪といわれるアジサイが有名で、その数は日本一。早い品種は5月下旬から咲き始めるので、黒船祭の期間も楽しめるかもしれません。ちなみに、5月はツツジが見頃です。

  • 【アクセス】下田駅より:徒歩→約20分 バス→「海中水族館」下車3分
  • 【住所】〒415-0023 静岡県下田市3丁目
  • 【電話】0558-22-1531(下田市観光協会)

園内にある史跡

  • 鵜島城跡:天守台跡や空堀跡などが残っています。
  • 下岡蓮杖の碑:日本写真術の開祖の1人である下岡蓮杖の碑。胸像と渋沢栄一の筆による顕彰碑が建てられています。
  • 開国記念碑:下田開港100年を記念し建立された碑。題字は当時の総理大臣・吉田茂によるもの。ペリーとハリスの文を記したレリーフが掘られています。

https://www.shimoda-city.info/shimoda-koen

了仙寺

「ペリーが黒船で浦賀沖にやってきた!」

これは、誰もが習う日本の開国史の1ページですが、その後の展開は意外と知られていません。

  • 一回目の浦賀来航が1953年7月。
  • 二回目の浦賀来航が1954年1月。その年の3月に横浜で日米和親条約を締結。
  • 下田と函館の開港が決まり、さっそく下田に向かったペリー一行と徳川幕府側で交渉が行われ、1854年6月17日に結ばれたのが、日米下田条約(日米和親条約付則13ヶ条)。

そして、下田での交渉の舞台のとなったのが了仙寺です。

https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m18!1m12!1m3!1d3281.3133212194994!2d138.94145246275917!3d34.67204092416785!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x601758bff4ea2cf1%3A0x350a96532f629795!2z5LqG5LuZ5a-6!5e0!3m2!1sja!2sjp!4v1714294419932!5m2!1sja!2sjp

地図を見ると、右側に海があって、ペリーたちが上陸した場所に来航記念碑があり、平滑川沿いに進んだ先に(現在のペリーロード)了仙寺があると分かります。

  • 【アクセス】下田駅より:徒歩→約10分
  • 【住所】〒415-0023 静岡県下田市七軒町3-12-12
  • 【電話】0558-22-0657

了仙寺では、3,000点を超える黒船・開国コレクションを所蔵していて、敷地内にある黒船ミュージアムには、徳川家や武田家に関する資料、吉田松陰や高杉晋作・勝海舟などの幕末の書も展示されています。

《黒船コレクション》

  • 黒船来航を日本人が描いた絵巻物・肉筆画・錦絵・かわら版
  • 長崎や横浜の南蛮人や異国人の絵
  • 海外で出版・作成された日本についての版画・肉筆画・古地図
  • 外交関係の報告書や資料

ちなみに、1階のミュージアムショップもすごく充実しているので、お時間のない方は1階を覗くだけでも楽しいと思います。

https://ryosenji.net/collection/

了仙寺の御朱印は、黒船がデザインされていて、とても特徴的です。

下田は歴史散歩にもってこいの場所

下田に残る第一級の資料に触れて面白かったのは、日本史の教科書には書かれていない本当の史実に出会えるところ。特に、授業で習った「不平等条約」というのが、明治政府によるイメージ操作だったのには驚きました。

ハリスとの交渉だけでなく、ペリーとの交渉も徳川幕府は対等に渡り合っていたそうです。それどころか、銀を使った日米の為替レートは、圧倒的に日本側に有利だったとか。今の円安もうまく交渉してくれたらいいのになあ、なんて思ったり…。

東京からアクセスしやすい場所にあるので、黒船祭のタイミングで、下田の歴史散歩に出かけてみてはいかがでしょう?


tomoko

余暇プランナー

小さい頃の夢は「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、ライターのtomokoです。本業は演劇と外画アニメの演出をしています。子供向けの番組を数多く担当しているからか、小さな子供とすぐ仲良くなれるのが特徴。よく一人旅に出るので独身と間違われますが、既婚です。旅先では美術館や博物館に行くことが多いです。どうぞ宜しくお願い致します。

【伊豆・下田】5月中旬は黒船祭♪ 1泊2日のモデルプランをご紹介

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