美容やダイエット、健康づくりに良いといわれる豆乳。
でも「カロリーが高いのでは?」と心配になる方もいるかもしれません。
また、無調製豆乳と調製豆乳ではどのように違うのかも気になりますよね。
今回の記事では「豆乳のカロリー、種類による違い」「適切な量」について管理栄養士が解説します。
豆乳のカロリー・糖質の量
豆乳はすりつぶした大豆を絞って作られる飲料です。
絞ったままの味付けされていないものを「無調製豆乳」といい、飲みやすいように甘みをつけているものを「調製豆乳」といいます。
無調製豆乳と調製豆乳100gあたりのカロリーと糖質の量を見てみましょう。
100gあたり、無調製豆乳のカロリーは44kcal、糖質は2.9gです。
調製豆乳のカロリーは63kcal、糖質は4.5gとなります。
豆乳1パックはおよそ200gであるため、無調製豆乳のカロリーは88kcal、糖質は5.8g。
調製豆乳のカロリーは126kcal、糖質は9.0gとなります。
無調製豆乳と調製豆乳でカロリーが異なる理由
調製豆乳は無調製豆乳と比べるとカロリーが高くなっています。
調製豆乳は飲みやすくするために、砂糖や油脂などが添加されているからです。
無調製豆乳は甘みが少なく、大豆の青臭さがあるため飲みにくいと感じる人もいます。
甘みをつけたり口当たりを良くしたりなどで手を加えられている分、糖質や脂質が多くなりカロリーが高くなるというわけです。
牛乳とのカロリーの違い
豆乳は牛乳に比べるとヘルシーなイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。
100gあたりを比較してみましょう。
無調製豆乳は牛乳より低カロリーですが、調製豆乳は牛乳よりカロリーが高いため、カロリーカット効果は期待できません。
たとえば、「カフェラテの牛乳を豆乳に変えるとヘルシー」と思う方もいるかもしれませんが、調製豆乳が使われていればカロリーカットにはならない、というわけです。
カロリーを抑える目的であれば、カロリー、糖質、脂質、すべてが低い調製豆乳が最適でしょう。
豆乳は太る飲み物なの?
豆乳は適量であれば太る心配は少なく、健康づくりを支えてくれる飲み物です。
ただし、現状の食生活を何も変えずに単に豆乳をプラスすると、その分摂取カロリーが増えて太る可能性もあります。
たとえば毎日豆乳1杯120kcalを上乗せすると、2ヶ月で1kg太る計算になります(※)。
おやつの代わりに取り入れる、甘い飲み物を減らすなど、摂取カロリーの収支があうよう工夫して取り入れましょう。
※:120kcal×60日=7200kcal。体脂肪は1kg約7000kcalなので、計算上は1kg分ほどとなる。
豆乳は1日150~200mlを目安に
豆乳の適量について、とくに決まりがあるわけではありませんが、1日150~200mlを目安にすると良いでしょう。
これはバランスの良い食事の例をしめす、食事バランスガイドの大豆製品の量を参考にしています。
ほかの食べ物もバランス良く取り入れることを考えると、この程度に収めておくと安心です。
豆乳の栄養と期待できる効果
豆乳にはさまざまな栄養素や栄養成分が含まれ、適量摂取により身体にうれしい効果が期待できます。
大豆たんぱく質
畑の肉とも呼ばれる大豆から作られる豆乳は、良質なたんぱく源となります。
たんぱく質は肌や髪の毛に材料になるほか、筋肉が作られる際にも欠かせない栄養素です。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをし、骨粗しょう症の予防や更年期障害の症状軽減、コレステロール値の低下などの作用が期待されています。
また肌のうるおいや弾力を保つなど肌の健康に関わるとされており、美容目的でも取り入れられることの多い飲み物です。
鉄
鉄欠乏性貧血予防に欠かせない鉄は、豆乳が良い補給源になります。
豆乳200gあたり、鉄は2.4mgほど含まれています。
1日に推奨される鉄の量は男性7.5mg、女性10.5mg(月経なしの場合6.5mg)ですので、3分の1から4分の1ほどを補給できる計算です。
貧血になると、疲れやすさや頭痛、息切れなどの症状を引き起こすことがあるため、意識的に鉄を取り入れましょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
豆乳を飲み過ぎたらどうなる?
豆乳はたまにたくさん飲む程度では心配が少ないのですが、極端にたくさん、続けて飲むと身体に影響することも考えられます。
太る可能性がある
豆乳をたくさん飲めば、カロリーオーバーして太る可能性があります。
脂質や糖質を含むため、注意しましょう。
大豆イソフラボンの過剰摂取になる
大豆イソフラボンは適量であれば女性にうれしい働きが期待されています。
ですが、サプリメントなどで過剰に摂った場合、乳がんのリスクとなる可能性が知られています。
大豆イソフラボンは通常の食生活では心配ないとされています。
しかし、大豆食品からの大豆イソフラボン摂取量の上限値が定められていることもあり、極端に大量に豆乳を飲むのは避けた方が良いでしょう。
※参照:食品安全員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」
下痢や腹痛などを引き起こす可能性がある
あまりにもたくさん豆乳を飲むと、下痢や腹痛を起こすことも考えられます。
豆乳に原因となる成分が含まれているわけではありませんが、水分をたくさんとることでお腹がゆるくなることがあります。
また食事前後に大量に飲むと、胃液を薄めて消化不良を引き起こすこともあるでしょう。
効果を期待するなら「無調製」「調製」どちらがおすすめ?
カロリーが低い「無調製」と、飲みやすい「調製」は、目的によって飲み分けるのがおすすめです。
ダイエット中で糖質を抑えたいなら「無調製豆乳」
無調製豆乳は糖質や脂質が抑えられているため、ダイエット中や糖質を控えたいときにぴったりです。
また無調製豆乳の方が大豆イソフラボンが多いと考えられるため、大豆イソフラボンの効果を期待したい方にも良いでしょう。
飲みやすさ、カルシウムを摂るなら「調製豆乳」
調製豆乳の魅力はなんといっても飲みやすいことです。おいしく続けたい方は調製豆乳がぴったりでしょう。
また調製豆乳はカルシウムを添加して強化されているものも多く、無調製豆乳に比べると含有量が多くなっています。
骨の健康づくりに役立つカルシウムを、少しでも多く摂りたい方にはおすすめです。
ただし、牛乳のように豊富に含まれているわけではありません。
豆乳を牛乳の代用として使う場合は、意識的にほかの食べ物からカルシウムを補給しましょう。
カロリー・糖質オフタイプの「調製豆乳」もある
調製豆乳の方がカロリーが高いとお伝えしましたが、カロリーや糖質がオフされた製品もあります。
これらのタイプのものを選べば、調製豆乳だけでなく、無調製豆乳よりもカロリーを抑えられます。
無調製豆乳は苦手だけどカロリーを抑えたい、という方にぴったりでしょう。
※参照:キッコーマン商品情報,マルサン商品情報,セブン-イレブン 商品のご案内
豆乳の飲み過ぎによるカロリー過多に注意!適量を心がけて
今回の記事では「豆乳のカロリー」について、管理栄養士が解説しました。
豆乳のカロリーは低いとはいえないものの、適量であればさまざまな効能が期待され、健康づくりにや美容にも役立つ飲み物です。
カロリーが気になる場合は無調製豆乳やカロリーオフタイプのものを利用して、上手に取り入れてくださいね。