みずみずしくジューシーな桃は、甘さが特徴の果物ですが、どのような栄養があるのでしょうか?
また、生の桃に比べるとリーズナブルな缶詰の桃は、栄養があるのかどうかも知っておきたいですよね。
今回の記事では、桃の栄養や効能、缶詰やほかの果物との比較について、管理栄養士が解説します。
桃の栄養と期待される効能
桃はカリウムや食物繊維をはじめ、身体にうれしいさまざまな栄養素を含んでいます。
むくみ解消に「カリウム」
桃にはカリウムが含まれ、むくみ解消に役立ちます。
カリウムは余分なナトリウムを排出する働きがあり、むくみの原因となるナトリウムの摂りすぎを調整してくれます。
むくみをすっきりさせたいときは、カリウムを含む桃などの果物や野菜を意識して取り入れましょう。
お通じをよくする「食物繊維」
桃はペクチンという食物繊維を含んでいます。
食物繊維はお通じを良くしてくれるほか、血糖値の急激な上昇を抑えたり、血中コレステロール値を下げたりする働きもあります。
肌を健やかに保つ「ビタミンC」
桃はビタミンCを含み、肌を健やかに保つのに役立ちます。
ビタミンCは皮膚のコラーゲンが作られる際に欠かせず、また日焼けによりメラニン色素が作られるのを抑える働きも期待されています。
アンチエイジングに欠かせない「ビタミンE」
桃に含まれるビタミンEは、抗酸化作用により私たちの身体をサビから守ってくれます。
サビ(酸化)が肌の老化の原因のひとつとなるため、ビタミンEのような抗酸化ビタミンは、アンチエイジングには欠かせません。
※参照:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
ほかの果物に比べると桃は低カロリーでビタミンEが豊富
桃はほかの果物に比べ、カロリーが低めであり、とくにビタミンEが豊富です。
100gあたりの栄養成分値を比較してみましょう。
※出典:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
桃は水分量が多いこともあり、カロリーが低めになっています。
水分が多いのですが、その分栄養素が少ないというわけではなく、食物繊維やカリウムの量も多く、ビタミンEはこの中ではトップです。
ビタミンCはやや少ないため、さまざまな果物を日替わりで取り入れたり、野菜たっぷりを心がけたりすると良いでしょう。
桃を毎日食べても大丈夫?栄養過多に?
桃を毎日食べても問題はありませんが、食べ過ぎるとオーバーカロリーになることがあります。
食べ過ぎには注意し、適量を心掛けましょう。
缶詰の桃は栄養がなくなる?
缶詰の桃は、生のものに比べるとカリウムやビタミンCの量が少なくなっています。
100gあたりでどの程度差があるのか、比較してみましょう。
桃の缶詰には白桃と黄桃の2種類あるため、両方を比較しています。
※出典:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
どちらの缶詰も、カリウムは半分以下、ビタミンCは4分の1の量まで減っています。
これはカリウムとビタミンCが水溶性のため、シロップ漬けにされることで栄養素が流れ出てしまうことが原因のひとつと考えられます。
食物繊維とビタミンEは水溶性ではないため減っておらず、むしろ生より多く含まれていることがわかります。
このように、缶詰の桃でもすべての栄養素がなくなるというわけではありませんので、果物が高価で手に入りにくいときには取り入れるのも良いでしょう。
ただし、シロップ漬けにされている分カロリーは高くなっているため、食べ過ぎには気をつけてください。
桃の栄養を効率良く摂るコツ
桃は食後に食べるようにすると、食事に含まれる脂質がビタミンEの吸収率を高めてくれるためおすすめです。
コンポートやジャムなど、桃を加熱するとビタミンCやカリウムなどが減ってしまう恐れがあります。
加熱すると日持ちするようになり便利ではありますが、栄養素を無駄なく摂るなら生のまま食べる方がおすすめです。目的に応じて食べ方を選びましょう。
桃は妊婦が食べても大丈夫?
桃は妊娠中の方が食べても問題ありません。妊娠中の便秘やむくみなどのトラブル解消に、桃の栄養素が役立つでしょう。
また妊娠中の体重増加が気になる場合、お菓子などの間食を桃などの果物に置き換えると、栄養を摂りながらカロリーカットができます。
桃の缶詰でも問題ありませんが、前述のようにカロリーが高めであるため、食べ過ぎには気をつけましょう。
ジューシーな桃はおいしくて栄養豊富!
今回の記事では、桃の栄養や効能、缶詰やほかの果物との比較について、管理栄養士が解説しました。
桃は果物から摂りたいさまざまな栄養補給ができる果物です。
旬の時期にしか味わえないジューシーな桃を、たくさん楽しんでくださいね。