にんにくを食べたあと、喉の違和感や下痢、腹痛など気になる症状があることはありませんか。
にんにくはアレルギーを起こす可能性のある食べ物なので、このような症状を引き起こす場合があります。
また、ほかに考えられる原因にはどのようなものがあるのでしょうか?今回はにんにくを食べたときの気になる症状について、管理栄養士が解説します。
にんにくアレルギーとは
にんにくは食物アレルギーの原因となる食べ物のひとつです。野菜アレルギーはあまり聞き慣れないかもしれませんが、多くの野菜はアレルギー反応を起こすことがあります。
にんにくアレルギーの場合の症状や検査方法について、詳しく解説します。
腹痛や下痢、かゆみなどの症状がある
にんにくをはじめとする食物アレルギーの症状は、多くがじんましんやかゆみなどの皮膚症状ですが、腹痛や下痢といった消化器症状、咳や息苦しさ、くしゃみなどの呼吸器症状などを引き起こすこともあります。
気をつけたいのは、これらの症状が複数出るアナフィラキシーという重い症状です。この場合は早急な対応が必要とされるため、体調に異変を感じたときはすぐに受診しましょう。
アレルギーが疑われる場合の検査法
アレルギーが疑われる場合、問診とあわせて必要に応じて検査が行われます。
・血液検査
・皮膚プリックテスト(皮膚を介したアレルギー検査)
・食物経口負荷試験(アレルギーが疑われる食品を摂取して症状の有無を確認する検査)
検査を受けられる診療科は、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、アレルギー科などがあります。ですが検査を実施していない医療機関もあるため、事前に確認して受診するようにしましょう。
口や喉の違和感は「口腔アレルギー症候群」の可能性も
口や喉のかゆみや違和感など、主に口腔内に症状を起こす「口腔アレルギー症候群」というものがあり、にんにくも原因食物のひとつです。
口腔アレルギー症候群は花粉症と関連があり、花粉症患者の方に多くみられます。これは花粉に含まれるアレルゲン(アレルギーの原因物質)と、にんにくなどの野菜に含まれるアレルゲンが似ているために起こるものです。
まれにアナフィラキシー反応が出ることもあるため、花粉症のある方で、にんにくを食べて口や喉に症状が出たことがある方は気をつけなければいけません。一度受診して、対処法などを確認しておくと安心です。
アレルギーと診断されたら食べない方がよい?
にんにくアレルギーがあることが分かった場合、基本的には食べないこと(除去)が勧められます。これはにんにくに限らず、食物アレルギーの標準的な対処法です。
ですが、少量または加熱すれば食べてもよいと判断されることもあります。自己判断はせず、必ず医師に確認しましょう。
※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル,日本小児アレルギー学会「食物アレルギー診療ガイドライン2016 ダイジェスト版」
「アリシン」が腹痛や下痢の原因となる場合も
にんにくの食べ過ぎにより、腹痛や下痢、吐き気、嘔吐、胸焼けなどの消化器症状を起こすことがあります。
これには、にんにくの臭い成分である「アリシン」が関係しています。アリシンには強い殺菌作用があり、これにより胃の粘膜を傷つけたり腸内細菌を殺してしまったりするため、腹痛や下痢などの症状を起こすことがあるのです。
アリシンは生の状態の方が作用が強いため、とくに生にんにくの食べ過ぎは要注意です。加熱して食べるようにするか、アリシンは水に流れ出やすいため、にんにくを切ったあとに水にさらすなどの対策をするとよいでしょう。
ただし下痢や嘔吐などの症状について、食物アレルギーとの判別は自分では難しいものです。気になる症状が続く場合は、一度医療機関を受診してください。
※参照:公益社団法人日本薬学会 環境衛生部会 環境・衛生薬学トピックス
疑わしいときは一旦食べるのを控えよう
にんにくを食べて、喉の違和感やかゆみ、下痢などの症状が出る場合は、一旦食べるのを控えて様子をみましょう。アレルギーにより強い症状を引き起こす可能性もあるため、一度医療機関を受診すると安心です。