パスタやソテー、煮込み料理などの洋食料理に活躍するマッシュルーム。きのこは栄養豊富なイメージがありますが、マッシュルームはどうなのでしょうか?この記事では、マッシュルームに含まれる栄養素と期待できる効果について、管理栄養士が解説します。
マッシュルームに含まれる栄養素と期待できる効果
マッシュルームは生と缶詰の場合で栄養成分値が異なります。それぞれ100gあたりに含まれる栄養素の含有量は以下の通りです。
生と缶詰における成分値に違いは、産地の違いや加熱することによって生じる差などが考えられます。また、カリウムは水に溶け出る性質があるため、生のものが350mgなのに対し、缶詰のものは85mgまで減少しています。
これらの栄養素について、期待できる効果を詳しく解説します。
カリウム
カリウムはナトリウムを体外へ排出する働きがあり、塩分の摂りすぎの調整に役立ちます。
塩分を摂りすぎることで起きるむくみの対策や、高血圧予防に欠かせない栄養素です。
缶詰のマッシュルームは生のものと比べてカリウム量が少ないため、カリウムをしっかり摂りたい方は生のマッシュルームを使う方がよいでしょう。煮物やスープにすると、煮汁に溶けだしたカリウムもしっかり摂ることができます。
食物繊維
食物繊維には整腸作用があり、便秘予防に役立ちます。また食後の血糖値の急激な上昇を抑えたり、血中コレステロール値を低下させたりする作用があります。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する働きがあり、不足することで骨の健康を損なう恐れがあります。
ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種で、油と一緒に摂ることで吸収を助けます。ビタミンDを効率的に摂取したいなら、マッシュルームは油を使って調理するとよいでしょう。
※参照:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
マッシュルームは、その他のきのこに比べてヘルシー
生のマッシュルームのカロリーは100gあたり15kcalとなっており、生しいたけ(25kcal)、ぶなしめじ(22kcal)といったほかのきのこ類と比較するとヘルシーなきのこといえます。これは、マッシュルームはきのこ類の中でも水分量が93.9%と若干多く、炭水化物の量が少ないことなどが影響していると考えられます。
マッシュルームとその他のきのこ類のカロリー、栄養素量の違いは以下の通りです。
この表からわかるように、マッシュルームが群を抜いて栄養豊富、とはいえませんが、カロリーが低めでさまざまな栄養素が摂れる点では優秀です。
マッシュルームだけでなく、ほかのきのこもバランスよく取り入れるとよいでしょう。
マッシュルームは生で食べるのもおすすめ
マッシュルームは新鮮なものであれば生でも食べられます。生のマッシュルームは香りが豊かで、コリコリとした食感も楽しめます。
またビタミンやミネラルの中には加熱することで壊れてしまうものもあり、生で食べる方がムダなく摂れる栄養も多いのです。
しかし、生のマッシュルームは消化に負担がかかる恐れがあるため、食べすぎには注意しましょう。
【関連記事】
マッシュルームの生食は危険?知っておきたい選び方と調理方法
サラダにスライスされた生のマッシュルームがのっているのを見たことはありませんか?普段、キノコ類を生で食べることはまずありませんが、マッシュルームは生で食べてもいいのでしょうか?管理栄養士が解説します。
マッシュルームを使ったおすすめメニュー
マッシュルームは炒め物、煮込み料理や、生のままサラダに使えます。マッシュルームを使ったおすすめメニューをご紹介します。
牛肉とマッシュルームのがっつりチャーハン
マッシュルームは洋風の料理以外でも活躍してくれます。チャーハンに入れると、マッシュルームの食感がよいアクセントに。
牛肉とマッシュルームのがっつりチャーハン
牛こま切れ肉、マッシュルーム、ご飯、にんにく、小ねぎ(あれば)、しょうゆ、塩、こしょう、オリーブオイル、バター
調理時間:10分
マッシュルームのサラダ
マッシュルームを生のままスライスしてサラダのトッピングに。生の香りと食感が楽しめます。ドレッシングはシンプルなものの方が、マッシュルームの味わいを感じられるのでおすすめです。
ヘルシーなマッシュルームでさまざまな栄養素を摂ろう
マッシュルームはきのこの中でもヘルシーで、ダイエットや健康づくりに役立ちます。缶詰のものでもおいしく手軽に栄養が摂れますが、生の方が香りや食感がよく、マッシュルーム本来の味わいを楽しめますよ。どちらもうまく使い分けて、日々の食生活に取り入れましょう。