スーパーの小麦粉売り場に行くと、並んで陳列されている強力粉と薄力粉。この料理にはどちらを使うのが最適なのだろう……と迷ってしまったことはありませんか。今回は、強力粉と薄力粉の違いや、代用は可能なのかなどポイントに分けてご紹介します。
強力粉と薄力粉の違いは「たんぱく質」の含有量!
強力粉と薄力粉は同じ小麦粉なのになぜ名称が違うのでしょうか?
その答えは、小麦粉に含まれるたんぱく質の量に関係します。
たんぱく質の量が多いものが硬い性質の小麦で、強力粉が作られます。対照的に、たんぱく質が少ないものは軟らかい性質の小麦で薄力粉が作られます。
小麦粉に含まれているたんぱく質は、水を加えてこねることでグルテンになり、たんぱく質が多い=グルテンが多く生成されることになり粘度と弾力が生まれます。
たんぱく質の含有量は、強力粉が11.5%〜13.0%で薄力粉が6.5〜9.0%程度。ちなみに、強力粉と薄力粉の間が中力粉と呼ばれており、たんぱく質の含有量は7.5〜10.5%程度になります。
そもそもグルテンってなに?
ここで登場する「グルテン」とは何を指しているかご存知ですか?
グルテンは、2種類のタンパク質「グルテニン」と「グリアジン」が水を吸収し、こねることで絡み合ってできたものです。
グルテニンには弾力、グリアジンには粘着力があり、それぞれの性質が合わさることで双方の特徴を持った生地ができます。
料理をする時にでてくる違いは?
小麦粉の違いはたんぱく質の含有量だけでなく、粒子の大小にも違いがあります。それぞれ料理にどのような差が出てくるのか紹介します。
強力粉はサラサラとしてくっつきにくい
強力粉は粉にした際の粒が粗めのため、手触りはサラサラしています。
このような特徴から、料理をする際に生地と調理道具がくっつかないよう打ち粉としても用いられます。
薄力粉は粒子が細かくダマになりやすい
薄力粉は軟らかめの小麦から作られます。強力粉とは反対に粒がかなり細かく、触るとしっとりした状態になります。
粒が細かいと、ダマになりやすい特徴があるので特にお菓子作りで使用する際は下準備の際にふるっておきましょう。
中力粉は適度な弾力が生まれる
粒度に関しても強力粉と薄力粉の中間に位置する中力粉は、程よい弾力と柔らかさを持ち合わせています。水分を加えしっかりこねることで、うどんのような弾力のあるコシが生まれます。
それぞれ適している料理はあるの?
強力粉と薄力粉、中力粉の特徴からそれぞれ適した料理を紹介します。
強力粉は、弾力と粘度が1番強く、もっちりとした食感になるためパン作りに向いています。また、弾力があるのでピザの生地にもぴったりです。
薄力粉はケーキやクッキー、マフィンなどのお菓子作りに向いています。
生成されるグルテンの含有量が少ないので、クッキーにするとサクサク・ホロホロに、ケーキにすると口当たりが軽くふんわりとした食感が楽しめます。
中力粉はうどんのような麺類を作る際に向いています。強力粉ほど弾性が高すぎず、薄力粉ほど粘度が弱くないのでほどよいコシを楽しむ麺にして食べるのが最適です。
お互いを代用することはできるの?
料理をしている最中に、その場で使いたい小麦粉がない場合もありますよね。
結論からいうと、強力粉や薄力粉、中力粉はそれぞれが小麦としては同じものなので代用可能です。
ただし、小麦粉によって特性が違うので料理後の仕上がりがどのようになるのかイメージしておきましょう。
例えば薄力粉は粉がしっとりとして、サクサクとした食感を生みます。その食感を求めて強力粉で代用すると、粘度が高くずっしりとした仕上がりになる可能性があるので気をつけましょう。
また、中力粉がない場合は強力粉と薄力粉を混ぜると限りなく中力粉に近い小麦粉になります。なかなか中力粉が手に入らない方は、ぜひこの方法で試してみてください。
片栗粉は小麦粉の代わりになる?
ホワイトソースのようなとろみをつける使い方をする場合は、薄力粉を片栗粉で代用することもできます。片栗粉も粘度があるので、素早くとろみがつけられますよ。
それぞれの特徴に合わせて活用しよう!
小麦粉は作られる小麦によって種類が複数あることが分かりました。それぞれ、特徴の違いによって用途別のおすすめ料理が異なります。ぜひ皆さんも食べるものによって、小麦粉の特徴を押さえながら料理に使ってみてくださいね。